表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アル中の歌  作者: 岩本翔
172/260

アルコール依存症173

「そんな者はいない…」と看守が双眸の瞳を微かに動かしつつ言った。

程なく看守が現れ三人に向かって事務的に告げた。





「上層部の許可が下りた。その者は病院搬送になる」




悪友が鉄格子にかしずき食い下がる。





「もう一つの自分の嘆願は通ったのですか?」





看守が悪友を冷たい眼差しで凝視し言い放った。





「ああ、それも許可された。但しこれでお前の最期の嘆願は終了し、後はお前は死刑執行あるのみの身になったわけだ」




悪友がすかさず尋ねる。





「すいません、こいつの愛しの婆さんはその病院にいるのですか?」





咄嗟に看守が眼を見開き言った。





「そんな者はいない」





悪友が念を押すように強い口調で尋ねる。





「本当にいないのですか?!」





看守が双眸の瞳を微かに左右に動かしつつ答える。




「そんな者はいない…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ