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アル中の歌  作者: 岩本翔
162/260

アルコール依存症162

「無理を承知で看守に尋ねて、その言葉尻から生死を特定するしかあるまい」と悪友は言下に言って退けた。

死刑囚が渋い表情を作り尋ねる。





「しかしそれは脱獄の前段階にしても、脱獄よりも大変な事柄だと思うのだが、どうやって探るんだ?」





間を置き悪友が答える。





「無理を承知で看守に尋ねて、その言葉尻から生死を特定するしかあるまい」




「それは無理がありすぎるのではないのか?」





悪友が言下に言って退ける。





「だから無理を承知で食い下がるのだ」





死刑囚が深呼吸してから言った。




「余り無謀な事をすると、死刑執行の時期が早まるぞ、それでもいいのか?」





悪友が答える。





「だが突破口を開くには無謀な事も承知でやるしかあるまい」





死刑囚が頷き言った。




「まあ、願い事を言う最後の手段があるからな。しかし心証を悪くして最期の願い事も聞き入れてくれなくなってしまったらどうするのだ?」





悪友が再度言下に言い退ける。





「そんな瑣末な事を恐れていたら、事が前に進まないだろう、違うか」





死刑囚が不承不承頷き答える。





「そうだな…」

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