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アル中の歌  作者: 岩本翔
159/260

アルコール依存症159

「だからこそ、俺はそんな至宝に夢と希望を託し、こいつと共にこんな地獄の底にいるわけだ」と悪友は言った。

死刑囚が言った。





「人は一人では夢や希望の概念さえ持ち得ず、信頼関係有ってこその夢や希望だからな。その信頼関係が取り持つ縁や絆が無ければ人は生きる事すらままならないしな。そう考えると信用取り引きと言うか、信頼関係だけが唯一この世を生き抜く処方箋であり、夢や希望の懸け橋ならば、それが失せた人間にはある意味絶望的な死への道しかなく、そう考えると、信頼関係こそが無形の財産と言うか、至宝という事になるのだろうな」




悪友が頷き答える。





「だからこそ、俺はそんな至宝に夢と希望を託し、こいつと共にこんな地獄の底にいるわけだ」




死刑囚が泣き笑いの表情を浮かべ言った。





「でも孤独死が待ち受けている俺に取ってはそんな夢や希望が羨ましい限りの事柄なのさ」




悪友が首を軽く振り言った。





「しかしここで三人が出会い、絆を結んだのだから、あんたの死も単なる孤独死ではなくなったわけじゃないか?」





死刑囚が泣き笑いの表情を浮かべたまま言った。





「それもそうだな」

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