アルコール依存症152
「あんただって、そんな女の本性を知っているからこそ、チョンガーを通して来たのではないのか、違うのかね?」と死刑囚が悪友に尋ねた。
間断なく襲って来る禁断症状に疲れて瞼を閉じてうたた寝し始めた行雄を見遣りながら死刑囚が悪友に尋ねる。
「あんただって、そんな女の本性を知っているからこそ、チョンガーを通して来たのではないのか、違うのかね?」
悪友が図星を突かれて苦笑いしてから答える。
「御推察通り、何回となく火傷したからこそ、チョンガーのままいると言うのは事実かな」
死刑囚がしみじみと言った。
「女は恐いよな、実際問題?」
恭しく頷き悪友が答える。
「この世に完璧なる被害者と言うのは存在しないのに、女という生き物は己の強さに化粧して弱い振りを演技しながら、お涙頂戴で完璧なる被害者に化けるからな。その涙に何度騙されて火傷したか、数え上げたら切りが無い位さ」
死刑囚が大いに納得しつつ頷き答える。
「強さを隠し、とにかく泣いて弱い者を演じさせたら天下一品なのが女だよな」
悪友がやはり大きく頷き同意した。
「俺もそう思う。そうやって騙された男の数は騙された女の数を遥かに上回っているのかもしれない程にな」




