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アルコール依存症145
「老人連合の存在は何処で知ったのだ?」と悪友は尋ねた。
悪友が核心部分を尋ねる。
「あんたは死に場所を求めて霧が立ち込める山中をさ迷い、湖に入水したわけだな?」
涙を拭い死刑囚が答える。
「そうだ…」
悪友が眼を細め尋ねる。
「ここは湖の底なのか、海の底なのか、どちらなのだ?」
気を取り直し死刑囚が答える。
「その質問は何度もされたが、俺は多分海の底じゃないかと答えている」
「何故多分なのだ?」
死刑囚がおもねるように答える。
「確信が無いからだ」
悪友が質問を繰り返す。
「老人連合の存在は何処で知ったのだ?」
「ここに来て知った」
悪友が死刑囚を睨みつけ質問する。
「誰から聞いたのだ?」
「色々な奴からさ」
悪友が睨みつけたまま尋ねる。
「つまり噂を聞いたわけだな?」
「そうだ」




