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アル中の歌  作者: 岩本翔
138/260

アルコール依存症138

「その前の脱獄は諦めるのかよ、意気地無しめ」と狂っている筈の行雄が唐突にまともな言葉を口にした。

悪友が沈思する間を置いてから言った。





「それもデマの可能性はあるが、今の情勢を鑑みると、打つ手はそこに尽きるかもしれないな…」




ここで禁断症状に狂っている筈の行雄が不意にまともな言葉を投げかけた。





「その前の脱獄は諦めるのかよ、意気地無しめ」




唐突な行雄の助言に悪友が頬を引き攣らせ苦笑いしてから言った。




「この監獄から出る事が出来ないのならば、打つ手が無いではないか?」





今度は行雄が答える事なく、又ぞろ自分の手の平を凝視して、不気味な笑みを湛え、涎を一筋垂らした。




その様子を見て死刑囚が行雄の代わりに悪友に向かって意見する。




「そうだな、ここは最後の監獄だからな。構造的な面、力学的な事柄を鑑みると、出る事は無理、不可能だろうな」




痴呆のような呈の行雄が再度深刻でまともな顔付きをしてから言い放った。





「何事もやってみなければ分からないわい」

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