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アル中の歌  作者: 岩本翔
136/260

アルコール依存症136

「敵の回し者を信じる程俺達は愚かではないし。当然ここでは俺達の話しが老人連合の上層部に筒抜けならば、脱獄など絶対に不可能な道理にはなるしな」と悪友はいみじくも言った。

死刑囚が脱獄を再度否定する。





「例えば脱獄に成功してもここは水中都市だし、結果として逃げ道はなく、又捕まるのが落ちならば、やはり脱獄する事自体が無意味だと俺は思う」




悪友が暫し黙考してから尋ねる。





「あんたは何故この監獄に移管されたのだ。俺達に様々な情報を入れて死ぬ覚悟をさせる為にか?」





死刑囚が首を傾げ答える。





「いや、俺はこの監獄が死刑寸前の、つまり死刑執行前の監獄だと聞かされたんだ。だから脱獄は無理だと強調しているだけで、それ以外の思惑は無い」





悪友が猜疑心を以って言う。





「しかしそれを信じろというのは無理な話しだろう。敵の回し者を信じる程俺達は愚かではないし。当然ここでは俺達の話しが老人連合の上層部に筒抜けならば、脱獄など絶対に不可能な道理にはなるしな」





死刑囚が複雑な顔付きをしてから言った。





「信じる信じないは自由だが、俺は自分の考えを素直に言っている、あんた方と同じ死刑囚だという事さ」




悪友がいみじくも尋ねる。





「同じ仲間だと主張し、同類相憐れむを実践しているのか?」





死刑囚が頷き答える。




「まあ、そんな処かな」

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