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アル中の歌  作者: 岩本翔
132/260

アルコール依存症132

「そうさ。遠からず俺達は奴らの不死身の餌なのさ…」と死刑囚が悪友の推理に反論を加えた。

悪友が死刑囚と会話しながら、迫る不安感を払拭するように推理を展開して行く。





「あの婆さんは、愛しの婆さんを甦らせる為に俺達を呼んだと言っていたのだから、そのニュアンスから言って老人連合の連中が全員不死身という事は有り得ないか…」




禁断症状に狂って場違いに薄ら笑いを浮かべ、涎を垂れ流している行雄を訝しげに見詰めながら、死刑囚が言った。





「でも不死身だとしても、餌は食うだろう。肉体があるからにはバランスの取れた食事は欠かせないからな。その辺りの事情からすると奴らが不死身であっても、ちっともおかしくはないだろう?」





悪友が一度納得して頷くが、意を翻したように反論する。





「いや、最終的に俺達の死ぬ事が婆さんを甦らせるという言葉からすると、そこには不死身のニュアンスは薄らぐと俺は思うんだ…」




死刑囚が憐れみに変わった視線を行雄に向けながら言った。





「だからこそ、不死身の餌にされて甦らせるのさ、違うかな?」





悪友が一声唸り言った。





「推理をものして決定打はないか…」





死刑囚が頷き答える。




「そうさ。遠からず俺達は奴らの不死身の餌なのさ…」

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