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アル中の歌  作者: 岩本翔
130/260

アルコール依存症130

「そうか、だから俺達はあの人食い鹿の餌実験に供されたのか。しかし鹿が俺達を食ったとしても老人連合の連中の不死身には関係ないでないか、違うか?」と行雄は言った。

死の恐怖に酷くやつれた死刑囚は絶え間無い恐怖に抗う為にひたすら饒舌に喋る。





悪友が質問した。





「話しが抽象的でよく分からないな。もっと具体的に分かり易く説明してくれないか?」




一度深呼吸してから死刑囚が己を落ち着かせ、再度言いたい事柄を整理してから喋り出した。




「だからここにいるじいさん婆さん連中は皆不死身で、その不死身の餌が俺達死刑囚という事なんだ」




禁断症状に苦しみながらも行雄が死刑囚を見詰め質問する。




「不死身の餌とはどんな意味なのだ?」





死刑囚が即答する。





「不死身の餌は不死身の餌さ。俺はまだ最終的な餌にはなっていないから、それがどんなものなのかは分からないがな」




行雄が合点の行った顔をして言った。





「そうか、だから俺達はあの人食い鹿の餌実験に供されたのか。しかし鹿が俺達を食ったとしても老人連合の連中の不死身には関係ないでないか、違うか?」




死刑囚ではなく悪友が答える。





「人を食った鹿を老人連合の連中が食えばいいのではないか。と言うか、あんたその話しはどこから仕入れた話しなのだ?」





死刑囚が恐怖を飲み込むように深呼吸してから答える。





「他の餌になって行った死刑囚連中さ」




悪友が嘆息してから言った。





「ならば全て憶測、デマの域は出ないという事か?」




死刑囚が複雑な表情をして、はにかむように答える。





「まあな…」

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