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アルコール依存症126
「そうだ、俺達は何が何でもここを脱出して婆さんを助け出さないとならないないんだ。その理屈はお前にも分かるよな?」と悪友は畳み掛けた。
行雄が情けない顔をして、しみじみと言った。
「そうか、婆さんはそんな苦境に立たされているのか。それでは俺達と変わらないじゃないか…」
ここぞとばかりに悪友が畳み掛ける。
「そうだ、俺達は何が何でもここを脱出して婆さんを助け出さないとならないないんだ。その理屈はお前にも分かるよな?」
行雄が首を傾げ疑問符を投げかけた。
「しかしここから脱出は不可能じゃないか?」
悪友が断言する。
「諦めたら全て終わりではないか!」
行雄が小刻みに震える手で頬を撫でながら言った。
「しかしな、ここを脱出するにも方法が無いだろう…」
その行雄の言葉を打ち消すかのように再度悪友が耳を澄まし行雄を見詰めつつ言い放った。
「今、又婆さんの声が聞こえたぞ。諦めるなと言っていたぞ!」
「本当か?」
悪友が再度断言する。
「嘘じゃない、本当だ!」




