アルコール依存症123
「幻覚だろうが現実だろうが、そんなのはどっちだっていいじゃないか。とにかくお前は婆さんへの愛を真っ当しに来たのであり、アル中の禁断症状に掃ける為にここにいるのではないのだから、そうだろう?」と悪友は行雄を諭した。
悪友が行雄を愛でるように告げる。
「それ見ろ。婆さんはお前に会いたがっているのだ。たがらお前に姿を見せたり、声を聞かせたりしているのではないか。その気持ち意向に答えてやるのが、お前の愛を真っ当する本来の目的、行いではないのか。違うのか?」
行雄が激しく首を振り喚いた。
「だが、婆さんの姿は幻覚で、婆さんの声は幻聴だとお前は言っていたではないか?!」
悪友が言い切る。
「幻覚だろうが現実だろうが、そんなのはどっちだっていいじゃないか。とにかくお前は婆さんへの愛を真っ当しに来たのであり、アル中の禁断症状に掃ける為にここにいるのではないのだから、そうだろう?」
行雄が頭を抱える動作をしてから両手を離し喚いた。
「そんなのは分かっている。分かっているのだが、俺は今酒を飲みたいのだ。飲みたくて飲みたくて、死にそうなのだ。何とかしてくれ、酒を飲ましてくれ?!」
「辛抱しろ!」
再び行雄が頭を抱え声を限りに喚いた。
「辛抱堪らないわ!」




