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アル中の歌  作者: 岩本翔
108/260

アルコール依存症108

「そんな狼並の知恵があるのか、こいつらに?」と行雄が悪友に尋ねた。

二頭の鹿が赤い眼球を横一列に並べるように駿足で二人が張り付いている立ち木に向かって突進して来た。





木に登れるかどうかを行雄と悪友が息を呑み見守る中、剣歯が異常に伸び鋭くなっている二頭の鹿が、立ち木の前でたたらを踏むように立ち止まり、その赤い眼球を上に向け、一頭の鹿が涎を流しながら角を悔しげに木の幹に一度ぶつけた後、踵を返し立ち去ると、もう一頭の方もそれに従った。




それを確かめ行雄が息をつき言った。






「どうやら木には登れないようだな?」





悪友が一息つき答える。





「それはそうだが、この後もしかすると仲間を連れて大挙して来るかもしれないぞ」





「そんな狼並の知恵があるのか、こいつらに?」





悪友が言った。





「狼以上だと想った方がいい。侮ったら殺されるのが落ちだ」

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