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アル中の歌  作者: 岩本翔
107/260

アルコール依存症107

「そ、そうだな。しかし大挙した群れに下を固めかれたら万事休す、お手上げだな」と唇を震わせつつ行雄は言った。

行雄に先にライフルを手渡し、悪友は力任せに立ち木によじ登り、行雄と同じように枝を跨ぎ、ライフルを行雄から返して貰い重心を取って、ライフルを使用出来る態勢を何とか整えつつ言った。





「これで奴らが木に登る事が出来ない事を祈るばかりだな?」




唇を震わせつつ行雄が言った。





「そ、そうだな。しかし大挙した群れに下を固めかれたら万事休す、お手上げだな」





悪友が滲む脂汗を再度手の甲で拭い頷き、答える。





「そうならない事を祈るばかりだな。この態勢では下にいる敵を弾丸を補填しつつ狙い撃つのにも限度があるからな」





行雄が高鳴る動悸を鎮めるように再度深呼吸してから言った。





「他の餌達は皆食われる運命なのか?」





悪友が行雄と同じく深呼吸して息を調えてから答える。





「いや、射撃が上手い奴は、そう簡単にはやられないだろうな。しかし…」





木の下に広がる叢の闇を凝視しつつ行雄が尋ねる。





「しかし、何だ?」





耳を澄ましている悪友が答える代わりに物静かな口調で言い放った。





「来たぞ」

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