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アルコール依存症104
鬱蒼と繁る森の中から銃声が轟き、耳をつんざくような断末魔の叫び声が上がた。
立ち木の横で焚火を焚いて、暗視スコープのついたライフルを悪友がいつでも狙い撃ち出来るように携え、その隣に禁断症状に苦しむ行雄が張り付き、二人は出来る限りの防御勢を整えた。
その時鬱蒼と繁る森の中から銃声が轟き、耳をつんざくような断末魔の叫び声が上がた。
それを聞き悪友が極度に強張った表情をして言った。
「どうやら餌は俺達だけでは無いようだな」
行雄が震えを止めようとして再度息を吐きだし言った。
「畜生、酒が飲みてえな。酒さえ飲めば、こんな武者震い収まるのにな」
悪友が額に滲んだ脂汗を手の甲で拭い言った。
「よし、来るぞ!」




