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アル中の歌  作者: 岩本翔
100/260

アルコール依存症100

「遺伝子操作や、乾細胞の発明成果。クローン技術の飛躍的発展。生命維持装置の眼を見張るような進歩。それのどれを取っても、最終的には不老不死に結び付いて行くじゃないか。人間の欲望には際限が無いからな」と悪友は言った。

行雄が尋ねる。





「しかし老人連合の奴らはこんな人体実験をして、究極的に一体何を望んでいるのだ?」




悪友が身じろぎもせずに答える。





「そんなのは簡単さ。いつの時代にも権力者は不老不死を切望するのが普遍の摂理だからな」





行雄が唸り声を上げ尋ねる。





「不老不死の研究なのか?」





悪友が答える。





「遺伝子操作や、乾細胞の発明成果。クローン技術の飛躍的発展。生命維持装置の眼を見張るような進歩。それのどれを取っても、最終的には不老不死に結び付いて行くじゃないか。人間の欲望には際限が無いからな」





行雄が成る程と言った感じで頷いた後間を置き反論する。





「しかし、メディア等を介した妄想幻覚装置のサブリミナル的発信や、遺伝子操作された人食い動物の発明などが、真逆とも言える不老不死の項目に関連しているとは俺には思えないがな」




悪友が答える。





「東洋思想と西洋思想の折衷、つまり和洋折衷、宗教と科学の矛盾なき一致が成されれば、それも不可能な事では無いだろう」





行雄が反論を重ねる。




「しかし科学は宗教的迷信を打破して進歩して来たものだし、宗教と科学の一致など有り得ないだろう」





悪友が首を振り言った。





「いや、奴らは己の尽きせぬ欲望の為ならば、何だってするからな。その為の人体実験なのさ」





行雄が涙ぐみ歎く。





「しかし奴らの不老不死の研究の為に俺達は人食い動物の餌になるのか。そんなの金輪際御免こうむる話しだな。そんな話し想像しただけで、自暴自棄になり酒が飲みたくなって来るぜ」





悪友が眼を充血させ言い切る。





「酒なんか飲んでいる時じゃないだろう。ここは命懸けで局面打破をして、お前の愛しい婆さんを助け出すしか俺達に生き残る道は無いのだから」





行雄が苦笑いしてから答える。





「分かった」

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