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もしも生まれ変われるなら  作者: サーフィンの続き
9/10

主従関係

僕は洗面所に行く博士を見送り、また椅子に座り直すと部屋には緋桐さんが洗い物をしている音だけが響いた。


(さて、博士が顔を洗いに行っている間のこの気まずい空気どうしよう・・・)


僕は心の中で呟きつつ夜香さんの方をチラチラと見て何か話す話題は無いかと考える。


(夜香さんって無表情というかなんというかボーッとしてて何考えてるのかわかんないんだよな~・・・とりあえず適当に話しかけてみるか)


「あ、あの夜香さん」


「夜香で良い・・・良いです。年齢はキミ、薫様の方が上ですし、それに薫様は私の御主人だから従者をさん付けで呼ぶなんて変です・・・」


そう言いまた夜香さんは黙ってしまった。


(うーん・・・また気まずい空気になってしまった。こういう時はこっちからグイグイ距離を詰めた方が良いかもな。)


僕は椅子から降り隣で立っている夜香の目の前に立ち提案をした。


「じゃあ夜香、僕の事は薫って読んで欲しい。様付けなんてなんか他人行儀だし、今は僕の方が幼いし、お互いに呼び捨てにしようよ。それとしゃべり方も普段通りで良いよ?」


「でも薫様は御主人だし・・・あ、ですし・・・」


そう言い夜香は困った顔した。


(うーん、ここはダメ押しにもう一言かな?)

僕はダメ押しに今の整った顔を使ってあざとく上目遣いで少し目を潤ませて決め台詞を言った。


「・・・ダメ?」


(ちょっとあざと過ぎる気もするがこれで堕ちるはず、僕は間違いなく堕ちる!どうだ!?)


僕は心の中で呟きつつ表情を崩さないように夜香を見つめ続けた。


しかし


「・・・・・・」


夜香は俯いたまま黙ってしまった。


(あ、あざと過ぎたかな?それとも急に距離を詰めようとしたのが悪かったのか?ど、どうする?)


「あ、あの・・・夜香?」


僕は不安になり夜香の名前を呼び、様子を伺おうとすると、夜香はハッと意識が戻った様な反応をし、少し顔を赤くしてしどろもどろとしながら

「か、薫がどうしてもって・・・い、言うならそうする・・・御主人の命令だし・・・うん、御主人の命令は絶対だから・・・」

と、僕の提案を了承してくれた。


(これは効果あったのかな?流石は必殺涙目上目遣いだな)

僕は必殺技に感心しつつ、改めて拶をした。


「じゃあ、改めましてよろしく夜香」


「こちらこそよろしくね、薫・・・」


そんなことしていたら、いつの間にか洗い物を終わらせた緋桐さんがこちらを子供を見守る様な目で見ながら話しかけてきた。


「いや~♪かわいい我が妹とその妹の新しい御主人様とのかわいいやり取りは癒されますねぇ♪」


「お姉ちゃん・・・いつから・・・」


夜香の質問に対して緋桐さんは少し惚けた表情で首をかしげながら応えた。


「え~と?『夜香で良い・・・良いです。年齢はキミ、薫様の方が上ですし、それに薫様は私の御主人だから従者をさん付けで呼ぶなんて変です・・・』辺りからかな?」


「つまり最初から見てたんですね」

緋桐さんの台詞に僕は苦笑いしつつ、突っ込みを入れると。当然!と言わんばかりの顔で僕にグイッと顔近づけてきた。

「そりゃそうですよ!二人が必死に話しかける切っ掛け探してる姿は面白かったですもの♪あ、そうだ!私も薫様の事薫ちゃんって呼びますんで薫ちゃんも私の事緋桐さんじゃなくて緋桐お姉ちゃんとか緋ねぇとか呼んで欲しいです!でも敢えて緋桐さんって呼んでもらうのもありかもですね・・・」


「じゃ、じゃあ緋桐さんで・・・」


「うーん、一旦はそれで良いですかね、また良い呼び方思い付いたら報告しに来ますね♪改めてよろしくお願いしますね薫ちゃん♪」


「は、はい・・・よろしくお願いします」

(なんてマシンガントークなんだ・・・)

僕は緋桐さんに少し引きつつ挨拶していると。


「なんやもう仲ようなっとうやん、感心感心」


顔を洗いに行っていた博士も帰って来ていた。


「さて!ご飯食べよか、っとその前に・・・」


そう言い博士はポケットからあのクスリが入っている箱を取り出して1錠渡してきた。


「ご飯の前にこれ飲んどこか、水無しでも飲めるけど飲みにくかったら水と一緒に飲んでも良いよ」


渡されたクスリを見つめながらこれが僕の命を助けてくれているのかと思いつつ、ある事に気付く。


「博士、このクスリ・・・・・・すっごく!" 臭 い "!!」


何だこの臭さは!?例えるなら子供の頃夏休みにも関わらず遊ぶ友達が居らず。

家に居てもお婆ちゃんに友達が居ないのでは?とは心配をかけるから仕方なく出来るだけ日陰の多い神社で時間を潰すも、何もすることがなく思いつきで浮かんだその辺の雑草を集めて石ですり潰して一人薬草の調合ごっこで作ったあの緑色の物体を牛に沢山食べさせて、その牛が出したフンを肥料としてまいた夏の田んぼの香り ~微風そよかぜを添えて~ 。

の様な匂いがするぞ!?

何を言ってるか分からないと思うが僕も何を言ってるかわからねぇ・・・。


「ま、まあ良薬は口に苦し言う言葉もあるしね、匂いは"あれ゛やけど効果は間違いないから我慢してや」


(うぐぅ・・・どちらにしろこの薬を飲まなきゃ死んじゃうだから我慢しなきゃ!)

そして意を決して僕は薬を飲んだ。


ゴクッ


「う、うぐぇ・・・うぐぅ」

僕は正に苦虫を噛み潰した様な味の薬を飲み苦虫を噛み潰した様な顔をして弱々しく呻き声を出した。


その様子を見て博士が頭をポンポンとしながら誉めてくれた。

「よう我慢して飲んだね♪偉い偉い」

それが少し恥ずかしく、しかしどこか嬉しい気持ちになっり頭にのっている少し大きな手に頭を少しだけすりよせていると。


「大丈夫・・・?お水飲む・・・?」

夜香が気を使ってステンレス製のコップに水を入れて持って来てくれた。


「ありがとう夜香」

僕は夜香にお礼を言いコップを受け取るとそのコップが僕の手の形にフィットする形に変形した。


「凄いですね博士!このコップ僕の手の形に合う様に変形しましたよ!」


しかし博士は苦笑いをして首を横に振り真実を告げた。


「ちゃうよ薫君忘れたん?コップが自分で変形したんやなくて薫君の力が強くてコップが変形したんよ」


「・・・あ」

今回はストーリーの進展は無しですね。あと前回書いて無かったんですが、ウサミミ姉妹について「急にファンタジーかよ!」って人がいると思いますがきちんと二人のウサミミにも一応非ファンタジーな理由がありますので決してファンタジーにシフトチェンジした訳ではありません。

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