「世界2」
目を開けた
そこには曇り空があった…
ここは天国だろうか
いや、地獄だな
俺が天国に行けるハズが無い
このままエンマダイオウとか言う王様の所まで行って
舌をパンチ&ブレイクされるんだ、うん
何にせよ動かないとな
「ヨイショと」
うん?やたら高い声が出た
「あーぁぁぁぁぁぁー」
何だこの女みたいな声!!
て言うか体も何か小さいし…
もしかしてガキに戻されたのか!?
体を見るに7歳ってところだ…
糞、何て屈辱だ!尻の青いガキに戻されるとは!
と嘆いていると後ろから影が見えた
「ー…ーー…?」
え?何言ってるのか全然分からないけど
美女二人が俺に話しかけてきた
はっ!ここは天国だったのか!?
「ーーー…ーー?」
何語だろう…
と、とりあえず挨拶だけ、ね!
「ハ、ハロー?コンニチハ、ニホンゴワカリマスカ?」
キョトンとした顔で見られた
どうやら日本語は分からないらしい
「ーーー…ーー」
「ーー…ーーーー…」
何か話しあってるようだ
俺の取り合いかい?
「ーーー…ーー!」
「うえっ!?」
いきなり手を掴まれた
反射的に振りほどいてしまった
二人の美女の顔には困惑の表情が張り付いていた
悪気はなかったらしい
どこかに連れて行ってくれようとしたのかもしれない
素直に謝ろう
「すいませんでした」
日本語は通じないだろうが頭を下げたから誠意は伝わったろう
すると美女はニコッと笑い手を差し伸べて来た
可愛いと俺の中で欲望は叫ぶ、口には出すまい
「ぐるるるるぅー…」
物騒な音がしたので後ろを見ると後ろには犬がいた
毛は黒、しっぽと頭が4つ…デカさは熊の様だった
…や、やっぱり地獄かな?
「ーー…ーーーーーーー!!」
美女が俺と犬の前に割って入った
「今の内に逃げろ!!」と言わんばかりの視線を送ってくる
その瞬間
そう一瞬だった
美女の右腕が飛んでいた
しかし
犬の頭も全てなかった
何が起こったのか分からなかった
「ーーー…ー」
何もなかったかのように美女が歩いてくる
もう一人駆け寄ってが腕を治療している
治療を終えると俺の前まで来た
怒られるだろうか…腕までなくなったんだしな
「ーーー…」
しかし美女は怒らなかった
しょうがないよと言わんばかりの目で俺の頭を撫でてきた
「ーー…ーーーー」
もう一度手を差し伸べて来た
何があるのか分からないが、とりあえず前に進もう
俺は美女達について行った
ーーーーーーー
ついた先は村だった
石作りの建物が多い、海が有り浜辺に船がある
漁をするんだろうか
「ーーー…」
手を引かれて村の奥へと進んで行く
村人と思われる人達の視線が痛い
よそ者だからだろうか、それとも美女の腕を見てるのだろうか
しばらく歩いてついたのは少し大きい石作りの民家だった
中に入るとむわっと香水の様な匂いがした
アロマでも炊いているのだろうか
一つの扉の前に立った
「コンコンッ」
「ーー…」
美女が扉をノックし
中から「どうぞ」と言った様な声が聞こえる
声質的に年寄りの方だろうか
「ーーー…」
恐らくいらっしゃいと言ってるんだろう
見た目は70前後って所か
「ーーーーー…」
美女が何か報告している、恐らく俺の事だろう
「ーーーー?」
「ーーー…」
婆さんが何か聞き美女が答えている
何を話しているのやら
「ーーーーー…」
婆さんが目を細めて俺を見てきた
マッスルポーズでもしてやろうか?
すると突然婆さんが言った
「初めましてエリノアです。言葉分かるかしら?」
そう、自己紹介された日本語で