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記憶物語~あの時の記憶~  作者: sss
第一章 出会い
1/2

世界

終わった

何もかも終わった

もう逃げられない

今思えばつまらない人生だった


何の悔いも無い


俺はロープを手に取る

何をするかって?

自殺だよ


何で自殺するかって?

察してくれよ、話したくない


首吊りって痛いんだろうかね

まあ楽に死のうとは思わんが、せめて安らかに眠りたいじゃない?


「さてと」


椅子に登りながらロープをカーテン骨?の部分に巻きつける

体重で折れないだろうか少し不安だ

まあ、俺はガリガリだ精々60キロ位しか無いだろう


「…」


母さんには悪いな、お腹痛めて生んでくれたのに

でも、もう無理なんだゴメンよ


「ふぅーっ」


深呼吸を一つ

後はロープに首を任せてあの世に送って貰うだけだ

実に簡単


「はあ…はあ…」


心臓がバクバクして上手く呼吸が出来ない

死に飛び込む恐怖で足が震える


「うっ!?」


意を決して椅子を蹴った

ロープが体重で締まり凄まじい力で首が圧迫される

体重で少しカーテンの骨が折れる


「カアッ!クアッ!」


苦しい!息が出来ない!!

誰だ首吊りが楽って言った奴は!!

もっと楽な死に方が有るだろうが!!

違う方法で死のう!そうだそれが良い


「ぐぅっ」


精一杯地面に足を伸ばすが届かない

糞、苦しい…

意識が朦朧として来た

もういい、このまま死のう

最後まで格好悪いな


目を閉じると色んな事を思い出した

家族の事

友人の事

恋人の事

嬉しかった事

悲しかった事


あの頃は幸せだったなぁ

人並みに愛されて

人並みに怒られて

人並みに勉強して

人並みに喧嘩して

人並みに恋をした


何でも「人並み」に出来た

それがどれほど幸せだったか…



そんな事を思いながら俺は永い眠りについた


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