表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

第8話 勇者と魔王と稀に王様のプロマイド(イケメン(笑))

「そろそろエントリーの締め切りのお時間です。大会参加希望の方は、門の隣の本部にて受付を済ませてください。くりかえします。まもなくエントリー・・・」


「ほら、レオさん、潔く諦めてください!早くしないと時間になっちゃいますから!」


「そーだよれお!ほらはーやーくー!!」


「いやだああああああ!!絶対に嫌だあああああ!!!!!」


子爵が持っている石を盗む・・・いや、取り返すために、国主催の『第一回ナンバーワンメイド決定選手権に出場することになった僕たち。


どうして石を取り返すことがメイド大会に出る事なのかは前を読んでね❤



で、どうしてさっきから僕がセミのように門の柱に張り付いてセミのように叫んでセミのように引っぺがされようとしているのか。


理由は簡単。

なぜか僕までメイド服に着替えさせられて出場することになったから。

以上。


「大丈夫ですって!かわいいですから!」


「そうそう!もうおんなのこにしかみえないから!」


「うるさああああい!絶対に出ないったら出ない!!出ない!!」


背が小く、腰まで綺麗な長い赤紫色の髪をポニーテールにして、ピンク系のかわいいメイド服すがたの『現魔王』のクーリと、反対にスラッと背の高い凛々しい見た目、こちらも同じようにメイド服は着ているが、黒で非常に色気が出ている、『王立騎士団騎士団長』のリリス。


美少女二人に門の柱から引っぺがされそうになっているのは、今の僕にはただの苦痛にすぎない。


べ、別に普段は気持ちいとかそんな訳じゃないんだからねっ!



道を行き交う人達に怪訝な目で見られる僕たち。最近そんな視線にもなれてきた。


「二人とも面白がってるだけでしょ!?だ、だいたい僕男なんだから『メイド大会』出られないじゃん!!」


「「え・・・・・おとこ?」」


「ひどい」


そりゃちょっとは女の子顔かもしれないけどそこまで言う!?


「もう!レオさん!男の子なんだったら潔く諦めてください!!今度から『レーちゃん』って呼びますよ!!」


「出ます」




・・・・っは!しまった!


気づいた時にはもうエントリーされて舞台袖の待機場所の椅子に座っていたメイド服姿の僕。


だ、だって!クーリが『レーちゃん』なんて呼ぶっていうから・・・


『レーちゃん』


この呼び方、母さんが僕を呼ぶ時に使うんだけど、昔、ただでさえ女の子顔だった僕は友達の前で母さんにそう呼ばれて、一時期『男の娘レーちゃん』っていじめられてたことがあったんだ・・・


はぁ、思い出しちゃったよ・・・ママンのバカン。


「どうかしましたか?レオさん」


「ううん・・・なんでもない・・・」


回想してて忘れてたけど、今エントリーナンバーどこまでいったんだろう?


『エントリーナンバー201番の方、どうぞー!」


「まーだっかなー♪」


「ふーん、まだそんなところか」


舞台では年季の入った老メイドが、爆中しながら紅茶を注いでいた。なんか規格外だなぁ・・・


ちなみにリリスが220番、クーリが221番で、駄々をこねていた僕は259番。


259(ふごうかく)だってさ・・・ははっ


「まあ勝ち上がっても困るんだけどね・・・」


にしても、予想以上に出場者がいる。僕たちはCブロックで、A~Cまでで1000人以上もいるそうだ。


「か、勝てるでしょうか・・・」


「だーいじょうぶ!くーりちゃんならいけるよ!まあわたしはゆうしょうめざすけどね!(そしてれおにほめられたいっ)」


「むむ、わ、私だって絶対に負けませんっ!!(レオさんにほめられたいです!)」


静かに火花を散らす二人。そんなに商品が欲しいのかなぁ・・・


ちなみに商品はというと、

3位、王家御用達の小麦、お茶。これはおいしそうだなぁ・・・


2位、王家御用達のティーセット一式。これもいいなぁ・・・


審査員特別賞、王様の肖像画絵葉書1000枚。いらない。


そして1位!!

『合格率0.001割と言われる王室使用人に採用!!』


まさかのジョブチェンジ!?

でもお給料良いらしいしなぁ・・・


「はぁ、テキトーにやってさっさと終わらせよ」


「次!エントリーナンバー220番!」


「おお!わたしだ!いってくるねー!!!」


「がんばってくださいリリスさん!」


「が、がんばれ~」


「うん!いってくるねー!」


そうして短いスカートをひらひらさせて舞台へ上がるリリs

「「「リリス様あああああああああああ!!!!」」」


あぁ、そういえばリリスって物凄い人気なんだったっけ・・・さすが騎士団長(笑)、クールビューティー(笑)。


「はーい!えんとりーなんば220ばん!-----リリスでーす!!」

「「「うおおおおおおおおおおおおお!!!」」」


「凄いですね・・」


「全然リリスの言ってることが聞こえないなぁ」


ほうほう、どうやら得技披露では歌うみたいだ。


しっかしさすが国主催、楽器の演奏者なんて、僕でも知ってる有名人ぞろい。



それにしても歓声止まないなぁ・・・うーんリリス、歌上手いんだけど聞こえないだろうなぁ


「残念ですねぇ」


「まあいつか聞かせてもらおうよ」


あ、終わったみたい。


鳴りやまない拍手と怒号の中、何食わぬ顔で戻ってくるリリス。


木の階段を降りてくる様子はどこかの貴族の令嬢のようだ、けど・・・


「はあー!つっかれたよー!」


その一言で空気をぶち壊すクールビューティー(笑)。


「お疲れ様リリス、どうだった?」


「うん!まあまあかな?・・・そ、それでれお、どうだった・・・?」


「どうだったって・・・?」


「ほ、ほら!いろいろあるでしょ!そ、その、わ、わたしのかっこうとか、うたとかさ・・・」


そういって前髪を指でくるくるさせたり、心なしかその豊満な胸を寄せるリリス。


「あ、ああ、凄く良かったと思うよ?服もなかなか似合ってるし」


「ほ、ほんと!?ほんとにほんと!?」


「う、うん?嘘ついてもしょうがないでしょ・・」


「むふふ、そっかそっか!~~♪~~~♪」


かなり機嫌良さそうに、出場が終わった人たちの待機場所へとスキップして行くリリス。


いったいどうしたんだろうか。


「ぐぬぬぬぬ、わ、私だって・・・」


「クーリ?どうし「レオさん!!しっかり見ててくださいね!!」う、うん・・・」


い、いつになく張り切ってるけど大丈夫かな。


「続いて、エントリーナンバー221番の方!」


「は、はい!・・・レオさん、行ってきますね!」


「うん、気をつけて」


緊張しているのか、若干足が震えつつも舞台へ向かうクーリ。


「まあ、魔王なんだしだいじょうぶだろうなぁ」


問題は僕なんだけど・・・


「きゃあ!!」


叫び声に驚いて舞台の方を見たら、クーリが盛大にすっ転んでいた。


こ、これは心配だなぁ・・・



「・・・なんで貴方がここに?」


「あ、君は!」


「To be continue・・・」


「いや、何を終わらせてるのさ」


「・・・冗談、それっぽくしてみた」


「あ、そう」


相変わらず無愛想で何を考えてるのかいまいちわからない、正真正銘の王家直属使用人の・・・えっと・・・


「・・・まさか、名前忘れたの?」


「ま、まさか!そんなわけ「To be continue・・・」」


To be continue・・・



「ちょっとおおおおお」










ちょっと読みやすいかな?と思って短めにしてみましたが・・・どうでしょうか??

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ