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第7話 勇者と魔王とときどきメイド

「えええええ!?レオさんそれ本気なんですか!!??」


「しーっ!しーっ!声が大きいって!・・・しゃうがないよ、あの態度を見る限り、完全に黒だし、悪い事に使われる前に取り返さなきゃ・・・」


「そ、それはそうかもしれませんが・・・本当にやるんですか?・・・レオさん、もしばれたら・・・」


「僕の犠牲なんて軽いものさ、この世界の人々が救われるなら、喜んで逝くよ」


「行くの字が不穏です!・・・レオさん・・・どうしても、ですか?」


「あぁ、もう決めたよ、僕は行く。クーリは早く安全なところへ」


「嫌です!!私も行きます!!死ぬときは一緒です!!」


「クーリ・・・」


「レオさん・・・」






「すとーーーっぷ!!なにいいふんいきになってるのー!!」


ここは町の外れにある酒屋。古くからこの町でやっているからか、そこそこ活気があり、古い木目調のデザインがいい味を出している、僕のお気に入りだ。


今は夕方で、仕事終わりの男達で一層賑わっている。コップのうち合う音や、店員さんの忙しく歩きまわる音で多少騒がしくしても問題は無さそう。


ガッシャーーン!!


「おいおい、何事だい?」


「も、申し訳ありません!!」


あらら、女の子の店員さんがお客さんにぶつかって食器を落としてしまったらしい。まぁこれだけ狭くなってればそうなるよなぁ。


幸い怪我もないみたいだし大事にはならなさそうだ。


で、子爵に宮殿から追い出された僕とクーリは、リリスをここへ呼んで今回の作戦会議をしていたんだけど・・・


「あはは、ついノリで」


いつもどおりの掛け合いをしていたわけさ


「え!?ノリ・・・だったんですか・・・」


ズーーン


あ、あれ?何かクーリ落ち込んでる?


「ええっと、リリス?」


「ふーんだ」


こちらもご機嫌斜めですね。一体何があったの!?


「と、ともかく!あの宝石を取り返すには・・・窃盗するしk『 レオさんストーーップ! 』モガモガ」


「(大声で窃盗とか叫ばないでください!盗み出す前にお縄ですよ!)」


「モガモガ(わかったから手を・・・手を・・・)」


クーリの小さな手、良い匂いが・・・・あ、グッバイ意識・・・


「わー!!れおだいじょーぶ!!??」


「ごごごごめんなさい!!」



・・・・・・リボーン


「鼻まで塞ぐなよっ!!」


「おー、ふっかつはやい」


この二人と一緒にいるとき意識失うことが多いよね?ね?ね?



「はぁ、まあいいや、いやよくないけどまあいいや。・・・それで、子爵の事だけど・・・」


「そのししゃくのもってるいしで、こっかてんぷくがはかれるの?・・・れおのいうことだからわたしはしんじるけど、きしだんはうごかせないとおもうよ?」


「リリス・・・ありがとう、今は信じてくれるだけで充分だよ」


「そ、そりゃーれおだからしんじてるんだよ?」


「はいストーーップ!!これ以上いい雰囲気にさせませんよ!!」


「ぶーー!!じぶんはしてたくせに!!わーたーしーもー!!」


「これは無限ループの予感!?」


この2人の扱いは大変だよ・・・



「・・・・という作戦で行こうと思うんだけど」


「なるほど、本格的に盗りに行くわけですね!小さい頃お父さんに読んでもらった絵本みたいです!」


「ねぇねぇ、それって、きゅーでんにはいれることがぜんていだよね?」


「そりゃそうさ」


「どうやってはいるの?夜は門閉まってるし、けいびへいがうじゃうじゃいるから、かんたんにははいれないよ、というか、まほうでもつかえなきゃはいれないよ」


「・・・・あ」


「忘れてたんですか!?」


ついうっかり・・・泣きそう


「ど、どぅおう。すればいいんだー!!!」


「んー・・・わたしにいーかんがえがあるよ!」


「どんなのですか?」


「ほい」


リリスが胸の谷間から取り出したチラシには、『夏祭り』の文字が・・・


「って、どこから取り出してるのさ! 」


「あははー!れおまっかだ!!」


「ぐぬぬぬぬ、おっぱい大きい・・・ズルい!ズルすぎます!」


リリスはケラケラ笑ってるし、クーリはどす黒いオーラ出してるし・・・うう、顔が熱い。


「か、からかわないでよ・・・それで!その夏祭りがどうかしたの?・・・日付けは明日か、早いなぁ」




「んふふー、えっとねー、・・・ほらここみてみて!」


「「メイド大会??」」


「そーそー!それがきゅーでんのなかでやるの!!」


「えっと・・・め、メイド?」


「うん」


「その、ミスコンとかじゃなくて?」


「めいどだよ?」


「なんでーー!?!?」


「いちねんにいちど、にしのくにでいちばんゆうしゅうなめいどをきめるんだよ!」


「え、そんなものあったっけ?」


「ことしからできたの!」


「えええぇ、大丈夫なのこの国・・・」


「あ、あの、それでそのメイド大会って何か関係があるんですか?」


「よくぞきいてくれたねくーりちゃん!このめいどたいかいはきゅうでんでおこなわれるんだよ!」


「あ、なるほど、宮殿に入れない問題は解決するんだね」


「あー!いおうとおもったのにー」


「ごめんごめん・・・それで、誰が出るのさ、そのメイド大会」


「わたしとくーりちゃん!!」


「ふええぇぇ!?わ、私ですか!?」


物凄い驚いた顔で席から飛び上がるクーリ。

私じゃ無理ですと顔で訴えてくるけど・・・


「いいんじゃないかな?クーリは礼儀正しいし、見た目としてもなかなかいけそうだけど・・・」


「むー!わたしだっていけるよー!ほれほれ」


そう言って胸を寄せあげるリリス。


「ど、どこがいけるんだよっ!」


リリスの胸を見ないように慌てて視線をそらすも、ニヤニヤ笑われてしまった。くそぅ・・・


「あ、あのぅ・・・やっぱり私には荷が重いような気がします」


「べつにかたなくてもいいんだよー!あのししゃくからいしをぬすみだすじかんさえかせげればねー」


「た、確かにそうかもしれませんが・・・それ、人前で色々やるんですよね?」


「あ、本当だ。なになに・・・『国一のメイドとしての奉仕の精神があるかを、5つの試験を通して、審査員からの得点で決めます』か、試験の内容はないみたいだね」


「りんきおうへんにたいおうするちからをはかるためにも、とうじつまでないしょなんだってさー」


「そ、そうなんですか・・・ううぅ、どうしましょう」


「うーん、クーリが嫌なら別にリリスだけでもいいんじゃ」


「くーりちゃんくーりちゃん、ちょっとみみかしてー?」


「は、はい」


なにやらリリスがクーリに耳打ちしてるけど・・・く、クーリ顔が赤いけどリリスのやつ何を言ったんだ!?


「レ、レオさんに可愛いって言われる可愛いって言われる可愛いって言われる可愛いって言われる可愛いって言われる」


な、なんかブツブツ言ってるけど!?


「ごめん、よく聞こえなかったんだけど・・・」


「な、なんでもないです!!出ます!!私もメイド大会出ます!!」


「わーい!くーりちゃんもいっしょー!」


「う、うん?まぁ本人が出たいならいいか・・」


「わたしだってゆうしょうめざすよー!!(れおにかわいいっていわれたいし)」


クーリもさることながら、確かにリリスは結構な美少女だと思う。黙ってればそのクールビューティーな見た目で優勝するのも全く夢じゃないだろうなぁ・・・


まあ『黙ってれば』は無理な訳だけど。


「いまなんかしつれーなことかんがえてない?」


「な、ナンデモナイヨ?」


なぜわかる!?


「レオさんにかわいいって言われるレオさんにかわいいって言われるレオさんにかわいいってブツブツブツブツ・・・」


「く、クーリ?」


クーリの手に持った地酒の入ったグラスがカタカタしていてちょっと!?こぼれてるよ!!


「おーおー、くーりちゃんきあいばっちりだね!よし!!さっそくあしたのいしょうさがしにいくよ!!」


「衣装って・・・メイド服でしょ?」


「ちっちっち、あまいねれおくん!めいどふくのかわいさだってもちろんじゅうようなんだよ!」


「そ、そうですか」


「あの、私よくお洋服のこと分からないのですが・・・」


「だーいじょーぶだーいじょーぶ!!わたしにまかせて!!」


「わ、分かりました!!・・あ、レオさんも一緒に」


「ああ、いいよ、僕は先に宿に戻ってるから、女の子同士で楽しんできなよ」


クーリも、僕以外の人間と友達になっておいた方が良いんじゃないかな?


それに、ガールズトークに混ざるのは苦手だし・・・ん?この殺気はどこから?


「うん!それじゃーまたあとでねー!」


そう言って、リリスはクーリの手を引っ張って人ごみに消えていった。


だ、大丈夫かなぁ


まぁ、ただメイド服を選ぶだけだし大丈夫だろう。





「・・・・・で、これは一体?」


「え?めいどたいかいなんだからとうぜんだよー」


翌日、宿から宮殿までクーリと行き、メイド選手権の会場へ。そこでリリスと落ち合って更衣室へ行ったんだけど・・・・


なかば強引にクーリに着替えさせられたこれは


「なんで僕メイド服なの!?」


昨日の話だと、二人がメイドの格好して僕がいつも通りの格好で、潜入するだったんだけど・・・


気がついたら女装させられてました。


心なしか短い丈のスカートに、かつらまでつけられ、挙句の果てにはどこから連れてきたのだろうか、リリスの部下である副騎士団長にばっちりメイクまで施されていた。


「ぷぷ、れおかわいー♥」


「はい!レオさん可愛いですよ!」


「嬉しくなーい!!」


こんな格好で潜入するなんて嫌だ!!


「あー!にげるなー!!」


「そうですよレオさん!可愛いんだからそのままいてください!!」


「うぅ・・・」


逃走を試みるも、あっけなく捕まってしまった・・・


「それでそれで!わたしは?わたしのかっこーにあう?」


リリスのメイド服は、黒を基調としたかなり大胆な衣装だった。


袖はかなり短めで、リリスのスラッとした健康的な美脚が眩しいくらいに晒されている。


それだけでも刺激が強いのに、胸元がかなり広く空いていて、さっきから道を歩く男女が全員三度見していた。前向いて歩こうね?





「う、うん、まぁまぁじゃない?」


「もー、すなおじゃないなー」


「う、うるさいなぁ」


ニヤニヤして僕の顔を覗き込んでくるリリスから目をそらすと、


「れ、レオさん!!私は!?私はどうですか!?」


クーリが必死な形相で叫んできた。ええっと


「す、凄く可愛いと思うよ」


もちろん、国一つ動くレベルの美貌を持つクーリのメイド服だ。

国一つどころか5、6個は軽く傾けさせられるだろう。


ピンクが所々に入った可愛らしいメイド服で、これまた裾が短い。


長い髪をポニーテールにした頭の上には、これまたピンクのフリフリが乗っかっていて、非常に愛らしい。


「あ、ありがとうございます・・・(レオさんに可愛いって言ってもらえた)」


「むー、わたしにもすなおにかわいいっていえばいいのに」


「はいはい、っていうか早く帰りたいよ・・なんで女装なんて」


「だから似合ってますよー!可愛いですって!」


「嬉しくないんだってば」


「あはは!・・・お?もうすぐうけつけかいしみたいだよ!いそご!」


「はい!行きましょうレオさん!」


「やっぱり僕も大会出るのおおおおおお」


二人に引きずられて受付へ。しかし僕はとっさに柱へつかまり離さない。



「「レオさん!!!(レオ!!!」」


「いーーーーやーーーーだーーーー」


絶対に動くもんか!!


「・・・見つけた」



その時僕は、僕を見ている視線と、後で一生のトラウマを体験するとは、夢にも思ってなかったのである。


To be continue・・・


時間かかりすぎじゃうわああああ!!!



はい、というわけで7話やっと更新できました。


こう試行錯誤してたらいつのまにか(以下略)


次回!レオ目覚める?

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