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第5話 勇者と魔王と希におじさん

チュンチュン…………………


「ん、ん……」


どうやら朝が来たみたいだ……外から雀の声がする……


今日はクーリに街を案内するって言ってたんだ、眠いけど、頑張って目を開ける。


「……………!?!?」


目の前に、唇があった。

ぷっくりとしたピンク色で、思わず吸い込まれそうになるけど………


「(はっ!そうだ、昨日確かクーリと一緒に寝ることになったんだった……)」


唇の衝撃で冴えた頭で、昨日のことを思い出してみる。


確か、泣いてるクーリを撫でてたらそのまま寝ちゃって………


改めて顔を見てみる。


整った顔に、長いまつげの目が閉じられている。

鼻はシュッと小さく、あいかわらず唇は柔らかそうだ。

その口がやや開いているのも、なんとも愛嬌がある。


要するに 今日もクーリは絶世の美少女だった。


「……んん、……ふわあぁ、おはよーございます………」


「あ、ああ、おはよう、クーリ」


まだ寝ぼけているのだろうか、目がトローンとしていて焦点が合ってない。


「お父さ~ん」


と思ったら急に抱きついてきた。

マズイ!!朝にそんな密着されたら僕も色々マズイ!


「こ、こら、クーリ、僕だよ僕。レオだよ」


「んん…………っ!!!!れ、レオさん!?!?ななななななななぜ一緒に!?………まままさかえええええええっちなこここここここととか!?!?」


「す、するわけないじゃん!!ほら、思い出して、昨日ベッドがなくて一緒に寝たんだって、あと僕何もしてないよ!」


「はっ!……そ、そうでした!つい私うっかり……何もしてないんですか……」


「あ、当たり前だろう?」


なんでちょっと残念そうなんだ?


「ほら、今日は街を案内するって約束してただろ?僕は部屋の外にいるから、早く着替えちゃってよ」


「わ、わかりましたー」


そして30分後、僕たちは朝食を済まして、宿を出て街を歩くことに。


平日だというのに、やはり首都である街『トゥールリアズ』は、沢山の人や馬車が忙しく動いていた。


とりあえず、まずは商店街へ。

ここは野菜や果物、肉に魚などの食料品はもちろんのこと、剣や弓などの武器類、よくある騎士の鎧や、身を守れるのかどうかも分からないような防具類、薬草や魔道書も沢山売っている、雑貨の聖地とも呼べる場所だった。

「わあぁ!沢山物がありますね!……あ!あそこに『伝説の勇者が使いそうな剣』がありますよ!」


「それ僕が最初に持ってたやつだ……すぐに折れて……」


「あ!こんなところに『伝説の勇者が着そうなパンツ』ですって!」


「ただの白パンじゃん!」


「ほらほら!ここには『伝説の勇者が唱えそうな呪文集〜今日からあなたも伝説の勇者だ〜』がありますよ!」


「胡散臭っ!てか何その『伝説の勇者』シリーズ!?全然強そうじゃないよ!?」


雑貨の聖地だけあって変なものが多いらしい。

しかしここまで伝説の勇者を推す理由が分からないよ!


「あ!あの!レオさん……」


「また伝説の勇者シリーズ!?」


「い、いえ…あの、この子達…」


「ん?おぉ!子犬じゃないか!可愛いなぁ」


雑貨だけでなくペットショップまであったなんて……


「うふふ、かわいいですね〜、わんわん!うふふふふ」


クーリはすっかり子犬とじゃれあっている。なかなか微笑ましいなぁ……


「はふぅ〜、ワンちゃんかわいかったです〜」


すっかりご満悦だったようだ。しっかしクーリが動物好きだなんてなぁ…魔王なのに。


でもクーリを見ていると、なんとなくわかる気もした。


「あれ?何か向こうに人が集まってるね」


「本当ですね、何かあったんでしょうか……」


雑貨通りを抜けた先にあるやや広い道に大勢の人が野次馬で集まっているようだ。


「ちょっと行ってみようか。」


「あ!レオさん!アイスクリーム売ってますよ!アイスクリーム!」


「後で買ってあげるからね!?今は見に行こうよ!僕、気になります!」


アイスクリームを欲しがるクーリの手を引いて野次馬の中へ。


騎士団や警察が来ていてあまり近づけなかったけど、どうやら宝石店が襲われたらしい。ガラスが飛び散り、店内が荒らされているのがわかる。


「ひ、ひどいです……」


「どうやら襲われたのは昨日閉店した後で、怪我人はいないみたいだよ?」


「そ、そうなんですか…あれ?」


「ん?どうしたのクー『レーーオーー!!』………まぁそりゃ騎士団がいれば必然的にいるよねぇ……」


向こうで何やら話してる騎士団の和の中から、腰まで伸ばした金色のポニーテールを振り乱してこっちに突撃してくる人影g「ひさしぶりー!!あいたかったーー!!」


「ぐふっ!!……さ、最後までナレーションさせてよ……あと甲冑着たまま抱きつくな……痛い…」


「レ、レレレレレレレ」


「のおじさん??」


「違います!!レオさんから離れてください〜!!」


「あだだだだだ!!クーリも引っ張らないで腰がイケナイ!腰がイケナイことになってあふん」


だから……こいつに会うと……良くないことが……



「………んっ」


「あっ!起きました!レオさん大丈夫ですか!?」


「ごめんねレオ……」


「一体何が……いつつ」


気絶しちゃったのか。我ながら脆弱だなぁ……いや、さすがにあれは辛い。

あと腰が痛い。


「まったく……」


「ううぅ、ごめんなさい……」


僕に飛びついて黄泉の世界へ渡る五秒前にしてくれたこの子はリリス。


つり目な美しい顔にスラッとした体。出るところはかなりしっかり出ている。一見すればクールビューティ。中身はただの子ども。


「はぁ……勿体無いなぁ…」


「ふぇ?なにがー?」


「いや、なんでもないよ。……まったく、急に飛びつかないこと!!……って騎士学校の時から言ってるような……」


ちなみに騎士学校ではずっと一緒のパーティで、ずっと同じクラス、席も隣という凄い腐れ縁でもある。


「ううー、だって、レオがいたからつい……」


「つい、で殺されてたまるか!……はぁ」


「むぅ、何か私だけ仲間はずれみたいです〜。」


「ああ、ごめんごめん!……で、この騒ぎは一体?ただの泥棒だったの?」


「ん?えとねー、たしかにただのほうせきとか、おかねをねらったどろぼうみたいなんだけど……どうもへんなところがあるんだよー 」


「と、言いますと?」


「うん、あのね、はんにんはたくさんあるほうせきとか、きんこにあるおかねはとってないの……しかもとったほうせきも、おみせでいちばんやすいものだったらしくて……まどがらすのしゅうりだいのほうが、たかいくらいだってさ」


「(わかりずらい!なぜだ!)……たしかに変だね。宝石の価値が分からないで、適当に盗っただけなのかな?」


「で、でも、それにしても夜で誰も居なかったんですよね?……ただ一つだけ、それもお店で一番安いものだなんて………」


「その宝石の名前は?」


「えっとね、なんだっけ?『でろーる』?なんとかっていうんだってさー。さいきんみつかったんだけど、ぜんぜんきれいじゃないし、しかもへんなうわさもあって、かいとりてがいなかったんだってー」


「(なんでだろう、普通に話してるのに……わかりずらい!)………変な噂?」


「どうも、もったひとがゆうれいをみたり、あくまにおそわれた!!とか……まぁ、さすがにそんなことないよねー!あくまなんてもういないわけだし」


「(こちらにいらっしゃるのはその悪魔達の王様です…)……ふーん、たしかに変だね。」


「ええっと、リリスさん!その石の名前、詳しく分かりませんか?」


「んー?ちょっとまっててー!」


そう言うと部下の元へとパタパタ走るリリス。

子どもだ………


聞いてきて、またパタパタとこっちに駆けてくる。


「『でろーるらっぺんつぇるみ』だってー!」


「デロール・ラッペン・ツェルミ……」


「どうしたの?クーリ」


「(レオさん、多分、その石は奪われた『魔法岩』のひとつだと思います。デロールって、私達魔界の伝説の王の名前なんです)」


「(本当!?……じゃあ、魔界の誰かが持ち出した……?)」


「(おそらくそうだと思います……)」


「ねーねー!なにはなしてるのー?わたしもいーれーてー!」


「ああっ、えっとね、僕達その石に心当たりがあるんだ!……一緒に探させてもらってもいいかな?」


「?べつにいーけど……」


「それじゃあレオさん!探しましょう!」


「うえぇ!?ちょっ、引っ張らないで首がああぁぁ!!」


クーリに物凄い力で引きずられる。


一体このちっこい体のどこにそんなパワーがあるのさ……


「ふぅ、この辺なら良いでしょう。」


「ええっと〜?」


僕が引っ張って連れていかれたのは古い路地。道路のあちこちのレンガが欠けていたりして、年代を感じさせる。なぜこんな人気のない場所に?


「ちょこっとだけ魔力を解放して石を探します!」


「ああ、なるほど……でもそれならあそこでやっても良かったんじゃ?」


聖職者や僧侶みたいに、魔力のある人間はそんなに珍しくはない。



「いえ、私の魔力は魔族の魔力でして……多分リリスさんには私が魔族だってことが分かっちゃうと思います。」


「リリスに?……あいつそんな力無いと思うけど……?」


「と!とにかく!ここでやります!!ちょっと離れててくださいね!」


「う、うん…?」


なんなんだ??


「ふううぅぅぅぅ」


クーリが静かに息を吐くと、彼女は黒いオーラに包まれる。

「く、黒!?」


聖職者や僧侶が魔力を使うときは、僅かに白い光が浮かび上がるだけ。黒、しかも、ここまで強いもの、まず人間ではいない。


たしかに、こんなに強く出るなら人前でやるのは危険だなぁ……


クーリは魔力を止めて肩の力を抜いた。どうやら終わったみたい


「見つかりました!ここから大体、3キロ西です!」




「よし、行こう!」


僕たちは裏路地を抜けて西に向かったんだけど……


「ここって……」


着いた先は、僕が魔王討伐を命じられたあの宮殿だった。


To be continue…………







どうだったでしょうか?


今回ちょっと長くなってしまいましたね……スイマセン


次回はテンポ良く行きますよー!!


魔法岩と政府の陰謀!?

クーリの胸に成長の兆し!?(無いです)

レオがついに結婚!?(ありえないです)

作者は疲労で寝落ち!?(仕事しろ)


お楽しみにー!

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