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第10話 勇者と魔王と希に痴漢

「「「うおおおおおおおお」」」


「(ひいいいぃ)」


天性の才か、ただのあがり症なのか。


舞台上でアイドルのごとくかわい子ぶってる僕ことレオ。


「レ、レオさん・・・?」


「れお・・・」


観客席に応援に来ていたクーリとリリスの目が痛いのは気のせいだ気のせいだから視線で撃ち殺さないで!!!


「おおっと、これはなかなか盛り上がってますよー!!さあ!!自己紹介どうぞ!!」


司会の女の人のテンションが高い。


って、自己紹介!?無理無理無理絶対出来ないって

「はーい✩東のアルバ村出身のレーちゃんでっす✩好きなものは料理と剣技です✩」


静まれよ僕の口!!!!!


嘘は言ってない!!けどこんなの僕じゃない!!


「「「うおおおおおおおおおおお」」」


ダレカボクヲトメテ・・・


「なかなか盛り上がってますよー!それでは、特技披露どうぞー!」


「はーい✩それではいっきまーす✩」


とにかくここまで来たらぶりっ子女子を貫き通すしかないじゃん・・・ジャン!



「ふっ」


綺麗な魔法を使うときは、頭を空っぽに。


自分のお腹を押し上げる様に。


お母さんの言葉だ。


感情でいくらでも魔法は変わってしまう。



「それっ」


「「「おおおおおおおおおお!!!」」」


意識を現実に戻すと、空中には魔法の光で輝く西の国最大の山、『ネメラニウス山』の絵がぱっと現れた。


成功かな?


「こ、これはすごいですね!!会場も盛り上がってますよー!!」


いや、盛り上がってますよ以外コメント無いの!?


「あ、ありがとうございます」


お、技が成功して緊張もほぐれたのかな、もう変なこと言わなくて済みそう。


「素晴らしい特技披露ありがとうございました!!それでは次、260番の方!」


「ふううぅ」


大きく生きをついて舞台を降り、待機場所へ向かう。


緊張した面持ちで舞台の方へパタパタ走っていく子とすれ違った。


わかるよー、凄い緊張したもん。


おかげで僕の黒歴史に新たな1ページが!!


泣きそう。


「そこの君っ!!!」


「はっ、はい!?」


地面を揺らすような大声にびっくりして振り返ると


「わっはっはっは!!さっきはとても良かったよ!!えーっと、レーちゃん!!」


「げ」


この人・・・ハーベン子爵じゃないか!


何を隠そう僕らが石を取り返す相手。


相変わらず太った腹を揺らし、耳に響くようなうるさい声。ナメクジのように気持ちの悪い視線。


うっ、吐き気が


「あ、あの、何か用でしょうか?」


「はっはっは!!いやー、君とちょっと話したいと思ってな!!どうだ!!時間はとらせんぞ!!!」


「遠慮します」


「即答だなっはっは!!」


いやだって、え!?馬鹿なの!?この子爵ばかなの!?鏡って知ってる!?ねぇ!!


とは声に出して言わない。僕紳士。


「まぁまぁ!!そうとは言わずに!!5分だけだ!!」


「嫌です」


「直球だなっはっは!!」


なっはっは・・・はぁ。


初夏の蝉もさながらのうるささとしつこさだ。


「すいません、急いでるので」


「まぁまぁ!!いいじゃないかっはっは!!」


そう言って僕の腰に手を回してくる子爵テメエエエエエエエエ!!!


「ちょっと!!やめてください!!」


「良いではないか〜良いではないかっはっは!!」


太ももに触れるなこのクソデブ!!!


「くっそ、この」


子爵を背負い投げ。いつもより強く叩きつけておりまーす。


「ひでぶっ!」


いや、お前はデブだよ。


と心の中でツッコミを入れる。


「ふぅ、うまい具合に気絶てくれたみたい」


あぁ、気持ち悪かった。後で風呂に入らなければ


「・・・怒りが収まらないし・・・殺るか」


でも捕まりたくないし・・・くそっ、僕の優しさに免じて許してやる!!


とりあえず顔面をヒールで3回ほど踏みつけて待機場所へ。



「あ、レオさん!」


「おつかれれお〜!」


「あぁ、2人とも、お疲れ様」


「何か疲れてます?」


「いや、何でもないよ・・」


道中痴漢に遭いました✩


「しっかし、れおってあっちけいなの?」


そう言って口元に手を寄せるリリス。


「いや!?あれは僕も何が起きたのかさっぱり・・・」


「大丈夫です!!たとえそっち系でも、私はレオさんを信じてますから!!」


「笑顔引きつってますよ!?」


信用されてないらしい。うおーん。


「あははー!!でもまほうはすごかったよーー!!」


「はい!!絵、とっても綺麗でした!!」


「そりゃどうも」


聖職者に比べれば遥かに劣るものの、家計的に魔力が多い僕は光を出すくらいならたやすく出来る。ドヤァ


「って、そう言えばレオさん襲われたんですよね!?大丈夫だったんですか!?」


「え!?」


ま、まさかさっきの痴漢見られてた!?


「だ、大丈夫だったよ?ちょっと撫で回されたくらいで」


「撫で回され!?スライムか何かですか!?」


「うう〜ん、ナメクジ?」


「ええええええ!?で、でもリリスさんは銃を打ち込まれたとか言ってましたけど!?」


「いやいやいや!?何それ!?僕そんなとこまでしてない!!後ろの貞操失ってないから!!」


「え?」


「え?」


あれ?僕の痴漢の話では?


「れお?さっきたいきしてたときおそわれてたじゃん」


「あ、そっちか」


「そっちって何ですか!?ま、まさか他にも!?」


「いやいや!だ、大丈夫だよ?ちょっとボーッとしてただけだよ!」


「ジトー」


「じとー」


「ううっ」


あのクソデブ・・・石を取り返したら覚えてろ・・・。



その場を何とか誤魔化し。結果発表を待つ。


「よし、そろそろだよ、くーりちゃん」


「はい!頑張って取り返してきます!」


「あれ?結局クーリが行くの?」


最初は僕って話だったような・・・


「いえ!私が行きます!(レオさんに良いところを見せるチャンスですから!)」


「でも、危ないよ、僕も行く」


「だ、大丈夫ですよ!(ほら、私魔法使えますから)」


「ううーん、でもなぁ」


「くーりちゃんならだいじょうぶだよ!まってよーよ(れおとふたりっきり・・・えへへ)」


「ううーん、危ないと思ったら直ぐに帰ってきてよ?」


「はい!!行ってきます!!」


そうしてクーリはメイド服をヒラヒラと王宮の中へ向かって行った。


うーん、心配だ。


なぜかって?さっきまで座っていた椅子に王宮の地図を忘れてるから。


「あわわわ」


顔を赤くして取りに戻ってくるクーリ。


「・・・・・本当に大丈夫?」


「い、行ってきますー!!」


今度はパタパタと走って行くクーリ。


とりあえず待とう・・・



「・・・ネズミ一匹」


To be continue・・・・・・


パンツ最高!

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