第1話 プロローグと胸と希にオーク
お見苦しいところが多いかと思いますが、よろしければしばらくおつきあいください。
青。どこまでも広がる青空が、若草色の稲が一面にならぶのどかな田園風景と相まってまるで1枚の絵画のような、ある種 幻想的な雰囲気を醸し出している。
遠くには、この「東の国」で一番高い山、「ネメラウニス山」がそびえ立ち、青い木々が生い茂っている。
自然に囲まれた村には、高緯度のため、初夏だというのに比較的涼しい風が吹いていた。
そんな村の田んぼ近くの土手に、僕達二人は座っていた。
女の子の方は足を伸ばして土手の傾斜の草に座り、僕は大の字で横になっている。
「平和ですねぇ………」
「………そうだね」
「暑くなってきましたけど、まだ風が気持ちいいですねぇ………」
「………そうだね」
「あ、怪鳥の群れです!仲良さそうですねぇ」
「………そうだね」
「オークの集団もいますよ!!お米食べちゃってますね………ジュルリ」
「………そうだね………そうだねじゃないよおおおおぉ!!!」
「何2人してのんびり寝てるのさ!!クーリも呑
気に座ってないで!!よだれ垂らしてる場合じゃないから!!
てか怪鳥はともかくオークはまずいって!!あっち
民家!!民家あるから!!」
少女「はわわわ、すっかりぼーっとしちゃってました!
どどどどどうしましょ〜!!」
勇者「……とりあえずオークは倒してくるけど……いいよ
ね?」
少女「は、はい!どうやらただの野郎党みた
いですし……さくっとお願いします!」
「…クーリは一緒に戦ってくれないの?」
「私は……一応立場上まずいかなぁっと…」
「本音は?」
「眠いです」
「即答かよっ!!てか戦ってくれよ僕より強いでしょ!?」
「何言ってるんですか!私剣も弓も、槍も使えないんですよ!?しかも今は魔力もないし魔法武器もドラゴンも戦車も胸も身長も胸も胸もないんですよ!!」
「後半ただのコンプレックスじゃん!!」
「あと胸もないですっ!!!」
「4回も言なくていいよ!!あと泣かないでよ!」
「ぐすっ……だってえぇ……無いんですもん……ぐす」
「ああぁもう、グズグズしてるからオークこっち来ちゃったじゃん!」
「ぐすっ…結果オーライですよ……民家向かわなかったんですから…ずぴー」
「泣きすぎ!?そんな悲しくなるなら自分で言わなのわあっ!!」
二人で言い争っているところに、オークのふっとい腕が振りおろされるが、僕は女の子を抱き抱えて後ろに飛んでかわす。
女の子特有の柔らかさなり甘い匂いなりで顔が赤くなるが、今はそれどころじゃない。あくまで紳士に冷静に。僕そういうの得意な方。イエスイエス
「えっと、大丈夫ですか?」
「だ、だだだ大丈夫だよぉっ!?」
はい、全力で声裏返りました。噛みまくりました。紳士なんて無理です。無理はいけない。ノーモア無理。
「そ、それならいいのですが……オーク達どうしましょうか」
「へ、へぇ!?……ごほん、とりあえずクーリは離れててくれ、僕がさくっと倒してくるよ」
「わかりました!オーク達とはいっても、気をつけてくださいね!」
と言うと、僕から離れたところへかけていく女の子。ちょっと残ね……じゃなくて、オーク倒さなきゃ。
「さあ、かかってこ『ブンッ』うおおお!最後まで言わせてよ!」
「グルルルルルルルル」
やばい、オークめっちゃ怒ってるよ……なんでか分からないけど。
「リア充爆殺してやるううぅぅぅ」
至極個人的な話だった!あとリア充って誰!?
「くっそ、5体か……まぁなんとかなるだろ!おりゃああああああ!!!!」
30分後。
「はぁ、ひぃ、ふぅ、へぇ、ほおおぉぉお……し、死ぬる……」
とりあえずなんとか5体の死骸が積み上がり、その横で大の字
に横たわって全身で息をする。
「だ、大丈夫ですか…?」
「へへへ、燃え尽きちゃったよ……灰一つ残さずにな…」
「な、なんだかあまり大丈夫じゃないみたいですね…」
そりゃ大丈夫じゃないよ、5体のオークが、血走った目で『リ
ア充殺す……』とか言って華麗な連携プレーしてくるんだよ?も
う二重の意味で怖かった。
「その………ごめんなさい。私がもっとしっかりしてればああい
ったオークの郎党も管理して、人間を襲ったりしなかった筈な
のに……ぐすっ」
「ふぅ、いや、それはしょうがないよ、クーリのせいじゃない、
気にするな、とは言わないけれど、そんな気に病むこともない
よ」
「そう、ですね、ありがとうございます」
目の端に涙を浮かべつつも女の子は少し笑顔になった
その笑顔にまたドキッとしつつ、それをごまかすようにこの女の子と旅をするわけに至った経緯を思い出してみる……
それは今から一週間ほど前、僕が外務大臣直々に魔界、魔王の調査、及び討伐を命じられて、魔王城にやっとこさ来たところだったんだよね………
To be continue………
はい、というわけで、これが処女作となります!バー〇ンバー〇ン
コンセプトは「ギャップ」。
これから登場してくる人物の、職業や見た目と、中身のギャップを楽しんでいただければ嬉しく思います。
とはいったものの、いかんせん初めての投稿なので至らない点はたくさんあるかとおもいます……一話の時点で再構成の嵐なので……
とりあえず書きます!!能書きはいいんだよ(中〇彬風に)
2話ではこの謎の少女の正体が明らかに!!なる予定です。
さらには新しい登場人物が……!?出てくるかもしれません。
そして主人公の名前も………たぶん決まります。
(汗)
とにかく、2話へ!良かったら読んでいってください!
ご意見、ご感想お待ちしております。