運命の仲間達との出合い 茶髪の若者とグレーの髪の男性
ルイテスとライエルは去って行くダイレス達を見て、彼女はライエルの方を見て訊ねた。
「ところで、ライエル、どうして、私を捜していたのですか」
「キミを捕らえる為さ」
彼は笑う。
「私を捕らえる為ですか」
彼女が訊ねると、ライエルは苦笑した。
「そのつもりだったが、あの状況じゃあね」
「どうして、ダイレスを助ける手伝いをしたのよ」
フェアリオが彼を睨みながら訊ねると、彼は言う。
「キミタチと同じさ、困っている人を見捨てることができなかったのだからさ」
「ありがとうございます」
ルイテスが頭を下げると、ライエルは苦笑した。
「礼は言わなくていい、俺はキミを狙っているのだから」
「どうゆうことですか」
ルイテスが訊ねると、彼は笑い出す。
「俺はキミの敵だよ。今日のところはおとなしく引き下がるが、次に合う時はキミと戦って、キミを捕らえるよ。覚悟をしろよ」
「誰が、それを頼んだのよ」
今まで黙って聞いていたフェアリオが睨むと、ライエルは言った。
「それは秘密だよ。じゃあな」
「待ちなさいよ」
彼女は大声を出したが、彼はそれを無視する様に姿を消す。
「何者なの、あの男は」
フェアリオは言った。
「とりあえず、今日のところは、ライエルは来ない筈よ」
ルイテスは笑う。
「まぁ、そうゆうことにしましょう」
フェアリオも笑った。
「さて、入ったお金で携帯食を買って、下着などを購入しますか」
彼女が言っていると、フェアリオは苦笑する。
「ルイテス、税金を納めて、もう少し立派な下着にしたら」
「税金の方は、銀行がやってくれる様にしてもらったでしょう」
ルイテスがそう言うと、彼女は思い出した。
「そうだったね」
「だから、買い物に行こう」
彼女が歩き出すと、フェアリオは言う。
「だから、ルイテス、もう少し立派な下着を」
「もう、フェアリオ、そんなに立派でなくてもいいでしょう」
ルイテスが笑うと、フェアリオは言う。
「ルイテス、貴女も年頃なのよ。あんなモノよりも立派な下着を身に着けていた方がいいわ」
「だって、別に人に見せることがないから」
彼女が言うと、フェアリオは言った。
「確かに、人に見せるのじゃあないけど、そんな事態になるかもしれないわ」
フェアリオがルイテスの顔を見て言う。
「大丈夫だから、そんなことはないから」
「そんなことは、何時起こるか分からないのよ」
フェアリオが彼女を見つめた。
「それに私は、レッカに貴女のことを頼まれているのだから」
「でも」
ルイテスは恥ずかしそうな顔になる。
「どうしたの、ルイテス」
フェアリオが訊ねると、彼女は頬を紅く染めた。
「だって、立派な下着を選ぶのが恥ずかしいから」
「恥ずかしいって、貴女は女の子でしょう」
フェアリオがルイテスに言うと、彼女は更に頬を紅くする。
「だって、以前、コウ兄ちゃんが一緒に洋服屋に入ると恥ずかしそうにしていたから」
「それは、コウは男だから、貴女は女の子、そうならない様にしなくてはいかないのよ」
「嫌だよ」
ルイテスは洋服屋には入らず歩き出した。
「待ちなさい、ルイテス」
フェアリオは彼女を追いかけるが。
「いいの、下着ぐらい買わなくても」
ルイテスが言うと、フェアリオは大声を出した。
「いい加減にしなさい」
それを聞いたルイテスはそれを無視する様に歩き出す。
暫く歩いていると、茶髪の短髪の若者がいきなり突っ込んで来てぶつかると、お互いに尻もちをついた。
「バカ野郎、オレ様の邪魔をしやがって」
その若者はルイテスを睨みつけて、走り去る。
「なによ。あの男は」
フェアリオが、若者が走り去った方を睨んでいると、グレーの髪をした四十代の男性が息を切らせてやって来た。
「全く、セルフ、なにを焦っているのですか」
その男性が、呟いて、ルイテスの方を見る。
「お嬢さん、申しわけありません、共の者がご迷惑をおかけしました」
「いえ、どうかされたのですか」
ルイテスが立ち上がりながら訊ねると、その男性は彼女の姿に驚いて見ていたが、息を整えて言った。
「はい、私どもの主である方が捕まったらしく、彼が慌ててしまって」
「よく見て動いた方がいいのじゃあないの」
フェアリオが言うと、その男性が頭を下げる。
「本当に申し訳ございません」
そうしていると、走っていた若者が戻って来た。