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ウィング・ガード  作者: ゆたか
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その鎧の銘は

 ライエルの行動に男達はそのことに驚いて、一瞬、動きを止めてしまう、その時、何人かは気絶をしていた。

「どうかしたのか」

 男達が振り向くと、そこにはルイテスが立っている。

「小娘、いつの間に」

「あなた方が、彼に注目した時に、魔法で飛翔したのです」

 彼女がそう言うと、男達は驚いた。

「魔法のニオイは感じなかったぞ」

 男達の一人が言うと、彼らの一人が思い出した様に言う。

「確か、魔法の中にはニオイを感じさせずに発動させるモノがあった筈だ」

「なんだと」

 それを聞いた男達は愕然とした。

「あの、そのことを知っているなんて凄いですね」

 彼女は驚く。

「何故、お前ごときが、それを使えるのだ」 

 その男性がルイテスを睨みつけた。

「はい、六年程前に、キアラ老に教えてもらいました」

 そのことを聞いた。その男性は驚いた。それは、彼女が使用した魔法は、古代魔法文字魔法というモノで、三年程前にキアラ老から発表されたモノで完全に習得した者はごくわずかしかいないという。

「娘よ。お前はあの魔法を完全に習得しているのか」

 男性が彼女を見て訊ねると、ルイテスは笑った。

「はい、キアラ老の元から旅立った時に、一冊貰ました。けど、その魔導書は本来なら手にいれるのには手続きがすごくかかると聞いています」

 男性は呆然とする。確かに、どんな魔導書も手に入れるのは手続きが面倒であるが、闇取りで手に入れることかできる。彼はそうして魔導書を手に入れたのだ。

「そうか、お前はその魔導書で魔法を覚えたのか」

「はい、そうですが」

 男性の問にルイテスはしっかりと彼の顔を見て答える。

「まいったな、どうやら、キミには敵わないみたいだな」

 男性はそう言って、降参の意を申し込んだ。

「おい、お前」

 他の男達が彼を睨んで、襲いかかったが、その攻撃をライエルが防ぐ。

「あんたらの相手は俺達だろ」

「黙れ、まずはその男の処分からだ」

 男達が口々に言った。

「この人を、あなたがたの手に委ねることはしません」

 ルイテスは男達を睨む。

「そうかい、なら、お前達もついでにたおしてやる」

 彼女はその男性の言葉に首を捻った。

「どうした。小娘」

 男達が彼女を睨むと、ルイテスは申し訳無さそうに言う。

「あの、あなたがたの目的は私達でなかったのでは」

 彼女にそう指摘されて、彼らは本来の目的を思い出した。

「そうだった。あいつよりも、お前達をたおすのが優先事項だった」

「そうゆうことだな」

 ライエルが男達を睨む。

「バカな人達、あの男を犠牲にして逃げればよかったのに」

 アメリアはルイテス達を小バカにする様に見つめた。

「魔法使いのあいつが使えないならば、召喚士の俺が相手にしてやる」

 男達の一人が言って、懐からまがまがしい色の水晶を取り出すと、他の男達が慌てだす。

「おい、ソレは止めた方がいい」

「黙れ、あいつらに完全に勝つには、ブラッド・ドラゴンじゃあないといけない」

 その男性は叫び、水晶を空に掲げて、呪文を唱える。すると、空から、赤茶色のドラゴンが降りてくる。

「我が契約に従い、あいつらをたおせ」

 そのドラゴンは唸り声を上げて、ルイテス達に襲いかかった。

「全く、ブラッド・ドラゴンなんて、大変な奴を呼び出すなんて」

 ライエルが愚痴っていると、ルイテスは悲しそうな顔になる。

「かわいそうに、あのドラゴンは、無理矢理に邪悪な血の契約を交わされているわ」

「なんだって、つまり、あのドラゴンは」

 ライエルが驚いていると、彼女は頷いた。

「あのドラゴンは、本来は大人しいのよ」

「なにを二人でこそこそと話しをしている」

 ドラゴンを召喚した男性がルイテス達を睨むと、彼女は怒りの声を出す。

「あなたはどうやって、そのドラゴンをブラッド・ドラゴンに変えたのよ」

「知りたいか、なら、冥土の土産に教えてやろう」

 その男性は自慢げに話した。

「最強のドラゴンが欲しくて、ある闇の魔導書に書かれていることを実行したのだよ。どうだ。すごいだろ」

 そのことを聞いた。ルイテスとライエルは呆れてしまう。

「それをやると、呪われるわよ」

「全く、そのとおりだよ。ちゃんと最後まで、その魔導書を読んだのかい」

 その二人の様子を見た男性は笑い出した。

「そんなのは、どうでもいいだろ、強い召喚獣が手に入るのだから」

「早く、その子を浄化しないと、大変なことになりますよ」

 ルイテスは男性を説得しようとするが、彼はそれを聞き入れなかった。

「降参するのは今の内だぞ」

 男性は人差し指を切って、血を出してブラッド・ドラゴンに命じる。

「あの二人に死を与えるのだ」

 するとそのドラゴンはルイテス達を見て、唸り声を上げて襲い掛かって来た。

「かわいそうに、私がその血の束縛から、助けるから」

 ルイテスはそう言うと、背中の剣を抜いて、呪文を唱え始めた。

「なにをするつもりだ。小娘」

 その男性が笑っていると、彼女の周囲に凄まじい光が溢れて、周りの人々の目が眩んで、暫くすると、よく見える様になると、ルイテスは光り輝く鎧を身に纏い、先程から持っていた二本の剣とは違う一本の剣を持っている。

「なんだ。その鎧は」

「聖装甲ウイング・ガードって、私はそう呼んでいる」

 ルイテスは男性の問にそう答えた。


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