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ウィング・ガード  作者: ゆたか
3/9

赤毛の青年

 その様子を馬車の父親が呆然と見ている。

「あの娘は、誰だ」

「もう、あの子たら」

 女声がしたので、父親がその方を見ると、小妖精が居た。

「君は、いったい」

「私はフェラリオ・フェラリーよ」

 その小妖精が答える。

「フェラリオ、あの娘は」

「ルイテス・リミア・ウィンガードだよ」

 フェラリオは答えた。

 ちょうどその時、強盗団はリーダーである少女を除いて、ルイテスと呼ばれている少女の攻撃に倒されている。

「そんな、そんな、細剣一本で」

 その少女は愕然となった。

「さっきも言ったけど、降参した方がいいと思うけど」

「黙りなさい」

 ルイテスが降参をすすめるが、その少女は彼女を睨み返す。

「そうなの」

 ルイテスが呟くと、その少女は自分達の馬車の方を向いて叫んだ。

「あんたら、出番だよ」

 そうすると、馬車から数人の男性が降りてくる。その男達はさっきの部下に比べ何倍も強そうに見える。

「とても強そうね」

 彼女が言うと、少女は静かに笑った。 

「どうしたの、あなたこそ、降参するなら今のうちよ」

「降参する気はないよ。私は負けないから」

 ルイテスは笑いながらそう言っていると、突然、何処からもなく、一人の赤毛の青年が現れて、周りを見回した。

「どうやら、道に迷ったみたいだな」

「誰よ。あんたは」

 強盗団の少女が言うと、その青年は睨む。

「人に名前を聞くなら、自分も名乗るのが、最低限のマナーだと思うのだけど」

「それも、そうね、アタシはアメリア・ガッドズ、ガッドズ強盗団の頭領よ」

 彼女はそう名乗った。

「ところで、キミは」

 青年は、今度はルイテスの方を見る。

「私はルイテス・リミア・ウィンガードです」

「そうか、俺はライエル・B・グライセントだよ」

 青年はライエルと名乗った。

「どうして、そいつの名前まで、聞くのよ」

 アメリアがライエルに腹を立てる。

「キミのことなんて、どうでもいいのだよ」

「どうゆう意味なのよ」

 彼女はさらにライエルを睨んだ。

「キミには用がない、用があるのは、ルイテスの方だから」

 彼がそう言うと、アメリアは怒り出す。

「なんですって、そんな、小娘に用があるってどうゆうことなのよ」

「キミに話す必要はない」

 ライエルは冷たく言い放った。

「あんたら、こうなったら、ついでにあの男も始末しなさい」

 アメリアが男達に命じる。

「運がなかったようだな、若造」

 男達はライエルを見て笑った。

「まあ、それは困るね、やっと目的の人物に出会ったのだからね、此処で別れてしまうとは」

 ライエルはルイテスの方を見る。 

「私にどうして会いたかったのですか」

 彼女がライエルに訊ねると、彼はニヤリと笑った。

「それは秘密だ」

「その小娘にも言えないか」

 男達の一人が嘲笑うと、ライエルは言う。

「そうゆうことだよ」

「そうか、それなら、そこまでだ」

 男達はそれぞれの武器を手にしてルイテス達に襲いかかって来た。

「わかりやすい奴らだ」

「ライエルさん、離れてください」

 ルイテスはライエルの方を見る。

「このままだと、不利になりますから、打って出ます」

「そうだな」

 ライエルも笑って飛び出した。


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