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悔恨の世紀  作者: 愛媛のふーさん
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衝突

 進藤一派の歓迎は、機関銃の一斉掃射の形でおこなわれた。ナイツの面々もショックガンで応射する。各バディエージェントが異能の力で圧倒して、進藤一派の隊列に突入して無双した。進藤一派はジリ貧である。

そんな状況を変えようと、幹部クラスが出馬してきた。δ(デルタ)が対応することになったのは、〈棋士〉と〈かまいたち〉バディである。

「病院の借り返せる相手が良かったんだけどね。まあ、あんたらナイツぶちのめせば会えるか」

「大した自信だな」

「まあゆっくりしてな。高重力!」

 10Gの高重力で、δの動きを鈍らせる。対して全身を鋭利な突起だらけにして構える。

「総員遮蔽物(しゃへいぶつ)の陰に退避」

林が危急(ききゅう)を告げる。

「ちっ、予知能力者か!飛針弾!」

δが身体から突起を飛ばす。

「R5T9、R4G1,S6U9」

 宮藤哲人(くどうてつと)〈かまいたち〉が次元斬、四次元方向からの斬撃で突起を迎撃する。

「ブースト薬で一時的に強化してるのか。それも無茶な使い方だ。δ、お前さん後の事考えてないだろ」

「あんたらぶちのめせればどうでもいい。突起槍!」

δは腕の突起を槍状に伸ばして突いて来た。突起槍の伸張速度と腕の突きのスピードで物凄い突撃だったが、棋士の予知の前には無駄である。ただ一歩で躱され空を切った。

「次元斬乱舞」

 次元斬がδの身体中に被弾する。しかし、突起が次々に生えてガードする形でダメージが通らない。突起も粉砕されるのでδも打つ手無しではあるのだが。千日手の様相になった。どちらの異能の力が長く続くかだ。

「幹部メンバーは、抑えた。突入」

 林はサポートメンバーに先に進む指示を出す!

「ジリ貧か!こうなりゃ最後の手段」

 δは指の突起で首筋を突いた。ブースト薬を更に摂取したのである。突起が生えるスピードアップで武装に成功したが、そこまでだった。δが血を吐いて倒れ突起も崩れ去った。

「オーバードーズによる副作用で、使い物にならなくなったんだ。残念だったな」

「ざ、ざ、様ねえな。予定通りいかないもんだな。こんなにブースト薬が役立たずとわね」

「相手が悪かったな。棋士の予知能力の前には初見殺しは無意味だ。飛針弾も突起槍も初見殺しで効果を発揮する。悪かなかったんだけどね」

 哲人が、自嘲するδに初見殺しは棋士には通用しない事実を告げる。

「ブースト薬の使い過ぎで、体使い物にならんぞ一生この後。進藤に何故其処まで尽くす?」

「あの方は、我らの希望で有り、唯一我らの価値を認めてくれたお方。私はあのお方の盾で有り剣。体制の犬には解らぬよ」

 答えを聞いて、サポートメンバーを追うべく駆け出しながら林は、一言だけ。

「ああ、やっぱり解らん」

そう吐き捨てた。

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