決着
進藤は内心充実を覚えている。緋村剣ライバルとの戦いを彷彿させる戦いに身を置く事に成っているからだ。まさか、剣の再来とも言える剣士と相まみえる事が叶うなど想像すらしてなかっただけに、この上なく嬉しい気持ちでいっぱいだ。
「嬉しいねぇ。剣以上の剣士、それも蒼天流の同門とやれるとは」
その言葉と同時に、上下同時に斬撃を放つ。蓮は爆斬を用いて刀を跳ね返して高速で上下に対応する。そして攻めに転じる。爆斬で大きく跳ね返えされてがら空きの胴を薙ぐ。進藤は急いで二刀で受ける。踏ん張って爆斬を抑え込む。動きの止まってるところを大上段から真上から垂直に一閃。逆手に持った両手を交差させて受ける。斬撃の重さと爆斬の威力で押さえ付けられる。そこへ踏ん張っている軸足に蹴りが叩き込まれる。進藤は堪らず距離を取る。
「格闘剣術でけりをつけるつもるかい?」
「様子見で色々やってるだけですよ。まぁ格闘剣術が通用し続けられるならそれも良いですけど、そろそろそちらも奥の手出してきそうでそうもいかないでしょうね」
進藤はチタンブレードを鞘に納め左右の腰に差して構える。逆手両手抜刀術、神道二刀流の奥義である。対して蓮は青眼に十六夜真打ちを構えて、待ち受けている。二間半の間合いで睨み合う。撃ち合いから一転して静寂。動きのないまま5分ほど過ぎた頃、進藤が動いた。
左手を鞘走りから繰り出し切上げる。蓮から見て右で刃が噛み合う。と、同時に左から進藤の右手の一閃が襲う。二段抜刀霞切り、神道二刀流の奥の手であった。しかし、二段抜刀術は蒼天流でも有る。進藤の右は引き出された蓮の十六夜の鞘に受け止められた。
「これを受けきるか…」
進藤は呟きと同時に鞘に刀を戻す。再び二段抜刀術を使うつもりであろうか?蓮は先手必勝と右上段から唐竹割りに斬り付けた。左を抜いて進藤は受けた。その目は閉じられている。蓮が石眼を用いているのを勘で察した為である。蓮は左手で鞘を抜刀して叩き込む。右を抜いて進藤は受けた。こちは経験から来る予測で有る。サトリが使えずとも目が開けられずとも経験から来る予測は完璧な対応をする。蓮が鞘の抜刀を受けられた後に下段から切上げたのは避けられた。続けて斬り付けた刀も避けられた。進藤は刀を鞘に納めて蓮の斬撃を避け捲った。目を閉じ感覚を制限させたら集中力が増し、サトリと同等以上の予測を可能としたのは、蓮にとっては皮肉な結果だった。しかし、それも避ける事に専念するならという制約があり、攻めに転じたり刀で受けて爆斬で吹っ飛んだら対応不可という薄氷を、踏むが如き物では有るのだが。蓮は石眼を使いながら斬撃を繰り出し続け、進藤に対してプレッシャーを、与え続けた。活動限界の有る進藤は攻めきれてなくともタイムオーバー狙いが可能だからだ。それは進藤も承知しているので、逆転の一手を探している。




