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5.本当の両親

 隣街に行って適正の儀を行った数日後


 村に1台の馬車とその護衛数人がきた。その人達は、村人と何か話した後僕達家族が住む家にやって来た。それがわかると父さんは僕に部屋に居るように言われたので自分の部屋に向かった。


 コンコン


 「はーい、どうぞー」

 「邪魔するぞ……久しぶりだなアラト、そしてクラハよ元気そうで何よりだ」

 「お久しぶりです、アンドレイ様」

 「お久しぶりでございます、アンドレイ様。アンドレイ様もおかわりないようで安心しました。それで、今日は突然の訪問でどうしたのですか?」

 「ああ、それはな、お前達が育てている子供にようがあったのだ」


 アンドレイと呼ばれた男性がそう言うとアラトとクラハの2人に緊張が走った。


 「それは、例の件のことですか?」

 「そうだ、呼んできてくれるか?」

 「わかりました。おーいアクラー、ちょっと来てくれ」

 

 自分の部屋に居た僕は父さんに呼ばれてリビングにいった。


 「どうしたの、父さん」


 リビングに着くとそこには、僕の両親の前に60代位の派手ではないが高そうな服を着て、銀色の髪をした優しそうな男性が座っていた。その後ろには護衛の者が2人控えている。それだけで貴族だろうと思われる。すると父さんが話し掛けてきた。


 「アクラ、とりあえず座りなさい。この方がアクラに話があるそうだ」

 「わかった、父さん。失礼します」

 「お主がアクラと言うのか、まずは自己紹介からしようかの。わしはアンドレイ・ジ・ジヤンパ。ここ、ジヤンパ王国の国王じゃ」

 「国王陛下!?」


 僕はびっくりしてつい大きな声を出してしまった


 「ホッホッホ、驚いたようじゃの。じゃが、今はお忍び中じゃからなあまり大きな声は控えて欲しい」

 「あ、すみません。気を付けます」

 「そうしてくれるとわしも助かるわい」

 「あの、そろそろいいですか?」

 「ああ、そうじゃなアラトよ。では本題に移ろうかの。ワシの用はアクラ、お主だ。ワシはお主が適正の儀にて上位の珍しい適正を2つ手に入れたときいてな、城に来る気はないかと思ってききにきたのじゃ」

 「僕がお城にですか?でも、僕はすでにランバート公爵からスカウトを受けて、これに了承の返事をしています。確か、1度スカウトをした人には声を掛けてはいけないとお訊きしましたが?」


 僕のこの疑問に答えたのは父さんだった


 「アクラ、確かにその通りだがそれには例外もあることを伝えたはずだ」


 「……え」


 父さんのその言葉をきいて僕は少し考えてその答えに行き着いた。その、余りにも現実ばなれした答えに…

 

 「……まさか………え」

 「どうやら答えがわかった様だなアクラ。そのまさかだ」

 「じゃあ僕は父さん達の子供じゃなくて本当の父親は…」

 「そうじゃ、このワシじゃ、お主はこのアンドレイ・ジ・ジヤンパの5番目の息子、お主の本当の名はアクラータ・ジ・ジヤンパじゃ。そして、この国の第5王子でもある」

 「そんな…」


 僕は父さんと国王陛下の言葉を聞いてショックが大きく呆然としているように周りには見えていただろう。


 しかし本当は


 「やっぱり、父さんと母さんは僕の本当の両親じゃなかったんだね」


 ずっと疑問に思っていたことが解けてすっかりしていた。


 「アクラ、ショックで呆然としていたのでは?」

 「いや、謎が解けてすっきりしました。父さんと母さんは普段は何も変わらないけど、たまに僕に教えるときに凄く丁寧で分かりやすく教えてくれるし、この村で暮らして居るのに他の街の事とか、服装を見ただけで貴族や商人だと気づいていました。後はこの前の適正の儀の時の説明ですね。父さん達が本当に僕の両親なら、あの時は適正の儀やスカウトの話だけで良かった筈です。なのに、例外を言いました。まるで僕の本当の両親は別に居るように、そして、適正の儀の結果で現れるかのように。なので僕は父さんと母さんは本当の両親なのかと疑問に思っていました。それが今わかったのですっきりしていました。ただ、まさか本当の親が国王陛下だとは思わなかったですが…」

 「なるほど、そうだったのか。すみません、アンドレイ様。アクラには気付かれていたようです」

 「私からも謝罪を。上手く隠すことが出来ず申し訳ありません」

 「よいよい、アクラータの頭が良かったのだろう。わしはもとより、監視者からも上手く隠せていると言われていた。それに、中々賢そうじゃしの。さっきも言った通りわしが本当の親でアラト達に託しとったんじゃ。国王にのみ代々受け継がれている遺言の様なものじゃ」 

 「もし宜しければその内容を教えて頂くことは出来ますか?」

 「いいぞ、そこまで重要なことでもないしの」


 それから国王陛下と両親からいろんなお話を聞くことが出来た。


  

 

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