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4.スカウト

 僕の適正はなんと、『万能テイマー』と『大魔導士』の2つだった。適正の複数持ちは珍しいがその両方とも上位適正の者は殆んどいない。なので、僕の場合はかなり珍しいことなのだ。

 その為、先ほどからここにいる人達がかなり騒いでいる。ちらりと壁際を見るとそこでは、すでにスカウトの為声掛けした貴族や商人の人達が嘆いていた。そのなかでまだだった人がスカウトの為近づこうとしてきたが、その人達よりも一足早く僕に声を掛けた人がいた。


 「こんにちは、私はこの国で国王より公爵位を賜わっております。アレルヤ・ランバートと申します。失礼ですがお名前をお教え願えますか?」


 そう言って僕に話掛けてきた人は30代位の優しそうなお兄さんだった。僕は自己紹介した。


 「これはご丁寧にありがとうございます。僕、いや、自分はアクラといいます。ランバート公爵様」

「ははは、敬語には慣れていないようだね、普段の話方で良いよ。アクラと言うのか、良い名だね」

 「ありがとうございます」

 「とりあえず、ここではなんなので隅の方に移動しようか」

 「わかりました」


 僕達は大聖堂の隅の方に移動した。それでも周囲の人達は気になるのか、聞き耳を立てているようだが。


 「では改めて、私はアレルヤ・ランバートと申します。今日は適正の儀で優秀な者に声を掛ける為にここに来ました。生憎と他の優秀な方には先を越されましたが、おかげであなた様の様な上位適正持ちに声を掛けることが出来ました。単刀直入に聞きます、私の家で仕えてみるつもりはないですか?勿論、力を扱える様にサポートもします」


 僕はランバート公爵というこの国の最上位貴族様にそう言われてどうしていいか分からず両親をみてしまいました。すると父さんが


 「アクラの未来だからな、お前の好きにしていいよ。父さんはそれを応援するだけだな」


 と言い母さんは


 「私も父さんと一緒よ、アクラの好きに生きなさい。それを応援するだけよ」


 と言う。


 それを聞いて僕は暫く考えて答えた。


 「えっと、すみません、申し出は大変嬉しいんですがお断りさせて下さい」

 

 そう言って僕は頭を下げた。


 僕の返事を聞いた両親、公爵様、聞き耳を立てていた周囲の人達が、こいつ正気か!と驚愕した。

 その中で1番早く正気に戻った公爵様が聞いてきた。


 「えっと、どうしてか理由を教えてもらってもいいかい?」


 僕は顔を上げて答えた。


 「はい、勿論です。確かに公爵様からお誘い頂いたのは正直嬉しかったです。でも、気づいたんです。公爵様に仕えれば確かにいろんな知識や技術が身に付くと思います。しかし、それで使えるのは大魔導士としての力だけなんです。万能テイマーの力は動物又は魔物をテイムする事です。つまり、今公爵様に付いていくとテイム出来る種類に限界があり、珍しい動物や強い魔物をテイムする事が出来なくなると思いました。それに、僕の適正がわかった時に思ってしまったんです。強い魔物に乗りながら大魔法を使ってみたいって!なのでせっかくのお誘いですがお断りしようと思いました」


 僕の返事を聞いた人達は皆同じ事を思っていた。それは、


 (((最後のが1番の理由な気がする)))


 公爵様は、


 「確かに君の言う通りだね、私の家に仕えても魔法は沢山覚えられると思うけど、テイマーとしてはあまり力には慣れないね。では、そうだな……来月から半年間だけ仕えてみないかい?その間、君は魔法の知識を身に付けて練習としてお手伝いをしてくれればいいよ。勿論、お手伝いした分だけ給金は出すし、その後はテイマーとして家を出て行ってもいいのよ、どうかな?」

 「僕としては嬉しいですけど、いいんですか?公爵様には得が無いように思うのですが…」

 「勿論いいよ、その代わり今後私の領地で問題があったら助けて欲しいかな。後は、やっぱり君との繋がりが出来ることが1番の得だね」

 「わかりました、そういうことならお世話に成ります。来月から宜しくお願いします!」

 「決まりだね!私も来月を楽しみに待っているよ。いや~今日は良い日だった」


 その後、今月末に僕達の家に迎えを送るとのことだったので村の場所を両親が教えていた。後、迎えにはこの人を向かわせると公爵様の近くにいた執事とメイドを紹介された。


 両親と公爵様との話し合いが終わり僕達家族は街を散策し宿で1泊した後馬車で家に帰った。

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