1.街へ
俺の名前はアクラ、昨日誕生日を迎えて12歳になったばかりだ。俺は小さな村で両親と俺と3人で暮らしている。
今日は家族3人で馬車で2時間程かかるそこそこ大きな街に向かっている。
何でもこの国では、12歳になると教会に行き、適正を調べてもらわないといけないらしい。しかも、教会には他にも普通に参拝される者、怪我の治療に来るものなどたくさんの人が訪れるため適正を調べてもらうのは1月に1回と決まっているらしい。そのため、その日は必ず普段の数倍の家族が訪れるとのこと。
ちなみにこの国での成人は15歳から。なんで成人の2年前に適正を調べるかというと自分の適正を把握しといた方が成人後すぐ職に着きやすいかららしい。
そんな話を馬車の中で両親から聞いている間に街に着いた様だ。
「アクラ、街に着いたぞ。街の中は人が多いからはぐれないように側にいるんだぞ」
「わかったよ父さん」
街に着き門番さんに父さんが何かを見せながら少し話すと街に入ることが出来た。
街の中はたくさんの人が行き来しており店先では大声で呼び込みが行われているのが見える。
「まずは、宿屋に行って部屋を借りよう。その後に教会に行き適正を調べて貰おう。母さんもそれでいいかい?」
「ええ、それでいいわよ。ついでに宿屋に馬車を置いて、適正を調べてもらった後は少し街を見て周りましょうか。この子も見て周りたいと思うし」
「確かにそうだな、わかった。じゃあその予定で行動しようか。アクラもそれでいいかい?」
「はい、大丈夫です」
その後、宿屋に行き部屋を取ると荷物と馬車を置き教会に向かった。