095(命の灯火)
ダダ! ケーイチは、テロリストのボスの両腕を撃ち抜く。そこで、バッテリーが切れた。
テロリストのボスは2階に上がる。その時、ダダ! ゼニアがテロリストのボスの右足を撃ち抜いた。ゼニアのガンドローンもバッテリー切れになった。
バタバタバタバタ――!
「ヘリコプターだ! 逃がすな!」
ヘリコプターが銀行の屋上に縄ばしごを垂らす。
「狙撃だ! ヘリコプターの操縦席を狙えー!」
中谷刑事部長は指示を出す。
スパン! スパン! スパン! SITがスナイパーライフルで狙撃する。しかし、ヘリコプターは無人だった。高橋が遠隔操作をして呼び寄せた。
「マイ! どうすればいい!? 逃げられる!」
『ヘリコプターは無人操作、ローターに突撃しなさい』
ケーイチは急いで、ヘッドマウントディスプレイを被り、ガンドローンを飛ばす。屋外にデコイの影響はない。ファースト・パーソン・ビューで狙いを付け、ヘリコプターのメーンローターを撃ちながら、ガンドローンをぶつける。「勝ったぞ。マイ、市子」ヒューン…………ドカーン! ヘリコプターは墜落し、ブレードがへし折れて飛び散る。
「退避しろー!」
中谷刑事部長が号令をかける。
『私が導けるのもここまで。楽しかったよ。早く市子を助けてあげて。地雷はもうない』
「ありがとな、マイ」
『またね。ケーイチ』
ケーイチはヘッドマウントディスプレイを外し、プロポを投げ捨て、銀行に入る。
「市子ー! 市子ー!」
「ケーイチ、こっちよ!」
桜子の声だ。銀行が明転する。
「桜子! 市子は!?」
「脈がない」
ケーイチは、市子を抱き上げ、救急車まで運ぶ。警官隊も突入してきた。市子をストレッチャーに乗せて病院へ急行した。ケーイチは同乗して、洋介にメールを送る。
『市子がテロに巻き込まれました。重体です。総合病院に来てください』
『分かった、急ぐ』
心配停止で重体の市子は総合病院のICUで緊急オペを受ける。
ケーイチは、廊下の椅子に座り、市子の回復を信じて祈る。洋介が来た。
「ケーイチ。市子の状態は?」
「肝臓を撃たれて、重体です」
「まずいな。いざとなれば俺の肝臓を生体肝移植だ」
ケーイチと洋介は何時間も待った。しかし、いくら待っても処置は終わらない。外科医は手こずっているようだ。




