094(真打ち登場)
中谷刑事部長の提案でLEDライトを搭載したガンドローン3機が突入する。正面玄関からカナメと金城。裏口からゼニアだ。ザ、ザザー。デコイによる電波障害でファースト・パーソン・ビューにノイズが走る。
「カナメ君、撃て! 正面に敵が見えた」
金城が指示を出してから、ガンドローンを奥に飛ばす。
「出来ません、出来ません。僕は撃てません」
カナメは直前で臆してしまった。ノイズがある。人を殺してしまうかもしれない。カナメに撃つ度胸はなかった。
闇に乗じて、人質の3人ほどが正面玄関から逃げようとした時、ドカン! 対人地雷が作動した。
ダダダダダダ――! テロリスト達はアサルトライフルでガンドローンを撃つ。カナメと金城は簡単に撃墜されてしまった。LEDライトが仇となり。ゼニアは通路に着陸させて、隙を伺う。
すると、赤色のガンドローンが正面玄関から飛び込んできた。ケーイチだ。
田辺巡査は、ケーイチを見逃した。そして、信じる。ケーイチが打破してくれると。
「マイ。真っ暗でノイズがひどい。どうしたらいい?」
『大丈夫、目を閉じて。テロリストは10人よ』
ケーイチはヘッドマウントディスプレイを外し、目を閉じる。フワッと、視界が拓ける。銀行内はパステルカラーで見え、テロリストは黒く、人質は白く見える。
「見える! 俺にも敵が見えるぞ!」
『撃ち殺したら、後戻りは出来ないよ』
「俺に任せろ」
ダダ! ……ダダ! ……ダダ! ケーイチはガンドローンに搭載されているサブマシンガンで、テロリストの手や腕を撃っていく。マイはケーイチの視界の中でテロリストに指を差して誘導する。
「誰だ、発砲してる奴は!? 味方か!? 暗闇だ、撃ち方やめ!」
テロリスト達は大混乱だ。この状況下でマトモに動けるのは、霊界のマイと通じ合えるケーイチだけ。壊れスキルだ。
ダダ! ……ダダ! カウンターに隠れるテロリストには機体をループさせ、頭上から両手をぶち抜く。テロリストは残り5人。人質に被害を出していない。ケーイチは正確にヒットさせていく。
「高松、遠山、守山、覚悟しろ」
ダダダダダダ――! ケーイチは、高松、遠山、守山の両肩、両膝を撃ち抜く。
「残り2人!」
『待って! 高橋さんは撃たないで』
「高橋!? あの高橋さんか?」
『市子を庇ってくれる協力者よ』




