表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/97

091(重症)

テロリストが解放したのは男性2人と女性1人だ。


 キーン! 風祭警視の耳に入れられた通信機器がデコイに反応する。


「耳が痛い!」

「バカだな、風祭」


 風祭警視は銃撃された4人を見てしまった。最初に撃たれた男性とモップで反撃に打って出た男性と荻野、市子だ。風祭警視が無事に生きて帰ってきたとしても首が飛ぶ。


 その頃、ケーイチはニュータイプ専用のガンドローンのフライトコントローラーの最終チェックをしていた。しかし、新たに陣頭指揮を執る中谷刑事部長は、ケーイチにストップをかけていた。そもそも民間人に火器を扱わせていいのかと。風祭警視よりは有能だが、状況把握に手間を取っていた。


「ケーイチ君、確実に制圧出来るの?」

「任せて下さい。楽勝です」

「その自信の根拠は?」

「マイが着いてます」

「マイ?」

「故人ですが、協力してくれるそうです」

「はぁ~…………」


 中谷刑事部長はため息を吐き、首を横に振る。


「任せて下さい。彼女が巻き込まれてます」

「どうやら君は重症の統合失調症だね。ケーイチ君に出番はないよ」

「しかし、俺以外に状況を打破出来る者はいませんよ」


 ケーイチと中谷刑事部長の議論は平行線だ。


 中谷刑事部長はケーイチを無視して、人質から解放された3人の取り調べを始める。


「陣頭指揮を執る、中谷といいます。中の様子は?」

「女の子が腹を撃たれ、重症です」

「その子の名前は分かるかな?」

「今井市子と言ってました」

「市子!? 中谷刑事部長、彼女です! 今すぐ助けないと!」

「ケーイチ君、ちょっと黙ってて。今、大切な話をしてるから」


 ケーイチはモヤモヤしながら、対策本部の外に出て、ガンドローンのフライトコントローラーのチェックをする。


 中谷刑事部長は取り調べを続ける。


「テロリストの数は?」

「10人くらいだと思います」

「テロリストの正体に繋がる情報はないかい?」

「テロリストの1人は高松と言ってました」

「高松…………そう多くはない名字だ。すぐに調べる。他にないかい?」

「皆、流暢な日本語を話してました」

「テロリストは日本人で構成されてるか」

「ヘリコプターがどうのこうの言ってましたよ」

「高飛びする算段はついてるのか」

「それと、瀬奈建築が関わってます」

「瀬奈建築…………瀬奈ケーイチ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ