086(瀬取り)
テロリストの武器はロシアから瀬取りで受け取り、瀬奈建築の倉庫に隠していた。ケーイチの父親はそれを了承して現金300万円を受け取っていた。
ケーイチは現場の状況を聞かされ、服部飲料の本社で待機を命じられる。ゼニア、カナメ、金城も。
ケーイチは市子に電話を入れる。ピッ。すぐに切られた。次にかけた時には、市子の携帯電話は電源を落とされていた。ケーイチは不安を感じる。巻き込まれてないかと。
服部社長は状況を鑑みて、いつでもガンドローン・サブマシンガン搭載タイプを使えるように指示を出した。
テロリストに襲われた銀行に警察官がデリバリーピザ10枚を届けた。バン! バン! 配達した警察官はテロリストに撃ち殺される。
それを生中継で観ていた小暮総理大臣は桜子の携帯電話にかける。テロリストのボスが出た。
「3つの条件はクリア出来そうか?」
「これ以上、人を殺すなら、特殊部隊を突撃させる」
「まだ19人の客に、10人の行員。それに小暮桜子の命が我々の手中にある事を忘れるな。与党の政務活動費を指定した口座に振り込め。そうしたら、今から24時間は人を殺さない」
「良いだろう。しかし、政務活動費では3兆円もないぞ」
「お小遣いだよ」
小暮総理大臣は政務活動費の預金コードを教える。
「それで。3つの条件の進捗は?」
「指定峠制度は法律だ。国会を通さないと変えられない。次に3兆円だが、1000億円ほど現金が集まった。それから、ロベルトという男は、来週に拘留期限が切れる」
「後、45時間で解決しろ」ピッ。
テロリスト達は暫し雑談をする。市子は異変を察知した。聞いた事がある声が複数。誰だか思い出せないが、確かに聞いた覚えがある。市子は座りながら、様子を伺う。すると、テロリストの1人と目が合ってしまった。
「コイツは殺そうぜ」
「そうだな。感付かれては困る」
テロリストの1人が市子に銃口を向ける。
「やめろ! この子は生かして返す」
この制止した男も、市子が聞き覚えのある声だ。市子は必死に思い出そうとする。しかし、2年間も意識不明だった。判らない。
「はいはい、分かりましたよ~」
風祭警視はチャンスを伺っていた。裏口がダメなら正面突破だと。しかし、テロリストは正面玄関に対人地雷を設置した。風祭警視は首を横に振る




