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080(ジメジメしてないよ)

 市子が目覚めてから、1週間。市子は、点滴のみから、流動食、固形物と食事が出来るようになり、徐々に回復していった。リハビリも始める。


 毎日、ケーイチは市子を励ましに行く。午前中は市子の見舞い。午後はガンドローンのレクチャー。ケーイチは次第に酒から離れていった。代わりに向精神薬を服用してからノンアルコールビールを飲み、酒を疑似体験する事でアルコール依存をしりぞけた。


――数週間後、市子は外出できるまでに回復した。ドローンで遊ぶ事も出来る。そして、ケーイチは市子を連れて、服部飲料の本社に行く。ガンドローンを体験させるために。


 ケーイチはGTRを運転し、市子を助手席に乗せて、服部飲料のトレーニング施設に向かう。途中でケーイチはハンズフリーで電話をかける。服部社長にだ。


「ケーイチ君、おはよう。どうしたね?」

「服部社長、おはようございます。意識不明だった、今井市子が覚醒しました。それで、ガンドローンを体験させたいのですが」

「勿論、いいよいいよ。ケーイチ君より才能があると聞いている」

「ありがとうございます。後5分ほどで着きます」

「あい分かった。それにしても、警察官に骨のある奴はいないね。ケーイチ君とゼニアが警察官になった方が早い気がするよ」

「まあ、警察官は実戦には強いでしょう。今トレーニングしてるのは、あくまで競技ですから」

「なるほど、勉強になるよ。じゃあ、気を付けて来てね」

「はい、失礼します」ピッ。


 ケーイチと市子は服部飲料の本社に着く。


「結構大きい会社ね。田舎にしては」

「ここは、ジメジメしてないよ」

「ん?」

「忘れちゃったか。中学生の時に、田舎の中途半端な規模の会社はジメジメしてるって、市子言ってたよ」

「すっかり覚えてないな」

「そっか」


 市子は初めて来る場所に臆してない。むしろ、ワクワクしてる。2年間の昏睡状態で、うつ病を克服したようだ。


 ケーイチと市子はトレーニング施設内に入ると、早速やってる。ゼニア対警察官3人のハンデ戦。ガンドローンに搭載されてる銃は、本物のニューナンブM60を極限まで軽量化した物だ。


 バキュン! バキュン! ゼニアは警察官相手に遊びながら、クラッシュさせていく。


 施設内にはクラッシュしたガンドローンが山の様に積まれている。市子はなんだか切なく感じた。

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