064(ガンドローン)
ケラケラと笑う服部飲料の社員達。ケーイチは臆してしまった。ワナワナ震えるケーイチ。そこに、子供が来て一言、「邪魔や雑魚」と社員達に向かって言うと、社員達は社屋に逃げ去った。この子の発言力にケーイチは更に臆する。
「あなたが、瀬奈ケーイチか。僕は、ゼニア。宜しくな」
「あ、ああ」
ゼニアとケーイチは握手する。まだ中学生くらいだ。それなのに、このオーラ。ケーイチは軽いパニック発作が出た。『苦しい。死ぬんじゃないか。殺されるんじゃないか』と、頭の中で妄想してしまう。
「あなた、ツラそうだけど大丈夫?」
「大丈夫だ、少年」
「バカ」
ゼニアはドローン練習場に入っていった。
ケーイチは近くの自販機でお茶を買い、向精神薬を胃に流し込む。
「ヤバい連中ばかりだぜ。いきなり、バカはないだろ」
ケーイチは独り言を呟く。
ケーイチの携帯電話に着信が来た。服部社長からだ。通話をする。
「もしもし、ケーイチ君。平社員が無礼を働いたようだね」
「いえ、他愛もない雑談をしただけです」
「ドローン練習場は自由に使っていいよ。社員証は後で持っていかせよう」
「分かりました。最速を目指します」
「ちょっと待った! スピードは武器だが、それが全てではないよ。その意味は自分の眼で確認するといい」
「はい、早速」
ケーイチはドローン練習場に入る。そこには似つかわしくない音が鳴っていた。バコン! バコン! バコン!
ドローンにエアガンを取り付けて、空中で撃ち合っていた。BB弾がヒットして撃墜されるドローン。
「こっ、これは!?」
「瀬奈ケーイチ、これが“ガンドローン”だ」
ゼニアが来た。
「ガンドローン?」
「極限まで軽量化した電動ガンを取り付けて撃ち合う。どうだ? 面白そうだろ」
「あ、ああ」
ドローンは消耗品と化している。服部飲料は、このガンドローンのリーグを作り、大会規模を大きくしようとしていた。
ケーイチはドローンを破壊する事を目的とした、ガンドローンに切なさと楽しさ、両方の感情を抱いた。
ファースト・パーソン・ビューで狙いを付けて撃ち、相手のドローンのブレードを破壊して、撃墜する。
「瀬奈ケーイチ、僕と実戦をやってみる?」
「面白い。やってやろうじゃん」
ケーイチはパニック発作も治まり、ノリノリで返事をする。




