024(NT専用)
物語に登場するドローンの機体名、型番は創作です。実際には存在しません。
高橋はドローンを着陸させる。バッテリー切れだ。
「高橋さん、こんにちは。こちらは幼馴染みで俺にアマチュア無線4級を取らせてくれた、今井市子です」
「宜しくお願いします、高橋さん」
「宜しくね、市子ちゃん」
挨拶は一通り終わった。
「ところで、ケーイチ君、市子ちゃん。200グラム以下で低いヘルツのドローンを飛ばす場合は、アマチュア無線技士の資格が要らないって知ってる?」
「えっ? そうなんですか」
「それと、地元でドローンレースの大会を開きたいんだけど。資金集めはクラウドファンディングで行こうと思う」
「俺がいくらか出しましょうか?」
「セレブなケーイチ君の本気度を見せてもらおうか、ハッハッハ」
「クラウドファンディングでいくらか集めるんですか?」
「大会運営費、賞金も含めて、3000万円程度と考えてるよ」
「場所はどこで?」
「そこなんだよ、ネックは。屋外でやると、雨天中止になってしまうし。この公民館ではキャパが少ないし」
「悩みどころですね」
「まあ、これからの話だし、気長に会場を探すよ。ケーイチ君もマイドローンを買ったら? 大会のレギュレーションは重量200グラム以下を規定にするよ」
「じゃあ、ちょっくら、家電量販店に行ってきます。市子、行こ。市子のドローンも買うから」
「う、うん」
ケーイチと市子はGTRに乗り、家電量販店へ向かう。
「いよいよ、市子の未来予知が的中したな」
「なんて言ったっけ?」
「小学生の時に、将来、マルチコプターが台頭するって」
「そうだったね」
ケーイチと市子は家電量販店に着き、店内に入る。まず目に着く所に携帯電話売り場。奥に4K、8Kのテレビが並んでる。ドローンは左の奥だ。
ドローンは小さな物からミドルサイズの物まである。値段は安いヤツで5000円。空撮用のデカイヤツは値段が高く、数十万円だ。ケーイチは店員に声を掛ける。
「店員さん、200グラム以下のドローンでレースに使えるのある?」
「はい、お客様。丁度良いのが入荷しました。お客様のご所望のドローンはSS1Cかスタート3がオススメです。FPVで200グラム以下、パワフルなモーターを搭載しており、初心者から上級者までご満足いただけると思います」
「どっちがニュータイプ専用?」
「僅差でSS1Cですかね」
「そのSS1Cってヤツのフルオプションを2セットちょうだい」