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素直ちゃん  作者: 鳥音
素直ちゃん第一章 素野 夏生編
4/7

素野 夏生編最終話

連続投稿夏生ちゃん編最終話です!是非是非楽しんでいただきたいと思い初回二時間スペシャルノリで3話構成にして見ちゃいました、さぁさ狂いに狂った素直ちゃん、その発狂や狂気はどこへと向かっていくのでしょうか

舞い踊る素直の狂気



向かった先は警察署、あからさまにゴツゴツの武装を施した夏生は無論警官に止められるのも当然の事である、さらに言えば素直な彼女のこと、あなた方にも結果は見えていようことです


「ラッキー3位男を殺しに来ました、通さないと殺します、通せ無能集団」


「な、なんだと!?公務執行妨害及び銃刀法違反で逮捕する!」


テンプレのようなセリフと警棒の構えで警官は夏生に突っ込んでいく

するりと軽い身のこなしでそれを避けると軽く足で踏みつける、その刹那警官は脳が焼き切れて動かなくなってしまった


彼女の靴には人の脳を焼き切るほどの電流が流せるようになっている、無論普段はこんなものは履かない、更にいえば特注品なので売ってない


「うるっさい、黙れ、死ね、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」


騒ぎに駆けつけた一般市民、警官、その全てを敵とみなした夏生の行動は早かった


チート級の靴以外は鎌、銃のみの装備だったが夏生にはそれで十分であった

コンマ数mmの銃弾は脳に刺されば植物状態にしてしまう、弾が小さい為飛距離は出ないが刺さりさえすればなんとでもなる上に、リロードがほぼ不要な優れものである、鎌は振りやすく軽い設計にされており、刃の部分で攻撃を防げる便利仕様である


だがここはあくまで現実、そして夏生は人間であることには変わりない

完璧と言えど総動員された警官の数には圧倒されざるを得ない、一時間程度をかけて邪魔者を屠ることに成功した、しかし疲労は凄まじいものであったろう、顔には汗が滲み未だにブツブツと痛みを主張する始末である


「邪魔だよけて今すぐ通せ痛い痛い邪魔殺す死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」


苛立ちがピークに達した人とはこうなるものなのか、無我の境地とも言えるほどに無表情で暴言を吐きながら進む

あらかた一掃し終えた夏生はゼェゼェと息を切らし「あぁ痛い苦しいなんなの畜生」と延々と愚痴を呟きながらに牢獄の前まで到達する、総動員したのを処理した為最早中身はザルである


「たのもーっ、道場破りじゃー、破ったあとだけど、三位どこ、出てこい殺す」


しかしどこを見渡しても御坂井不月は居ない


「なーぜーいーなーいー…こんなに優しくて穏便な完璧女子が直々に会いに来たのに不在?ざけんなー!!!殺す絶対殺す8回コロス」


怒りや苛立ちに任せて鎌を振り回していく夏生、壊せるものを粉々にし尽くすと満足したのか、これまでにないほどの笑顔でその場から出ていく


「さーて探そう探そう探しましょう待ってろよー3位男、優しくお淑やかに真っ二つにしてやるー」


ルンルンとスキップしながら警察署を後にするも何十分、何時間歩いても不月を見つけることが出来ない。幸せそうな笑顔も消え失せ、眉間には皺が寄りあからさまに息を荒らげて怒りを顕にしている、終いには視界に入った気に入らないものは全て切り伏せていく始末だ


「お、なんだあの子物騒なモン持ってるけど結構可愛くね?ちょっと声かけようぜ?なぁそこの嬢ちゃん!その物騒なモン離して俺らとお茶しない?なぁなぁ聞いてんのー!」


…と、こんなふうに間違ってナンパなんてことをしようものなら


「何君達、ナンパ?ウザいね、じゃあ行くよ」


「え?行く?お茶?マジ?いいとこ知ってる?どっか連れてってく…」


そこまで言うと男は静かになる


「ううん、お茶はしないよ、えーっと、右から言うね、8点、3点、5点、15点に6点×3人だね、そして貴方は勿論0点、じゃあね、変態低脳オス猿達」


夏生は点数を付けながら鎌で1人ずつ真っ二つにしたのだ、怒りと苛立ちのピークに達した彼女を止めるすべは最早ないに等しいだろう


さてどうしたものか、あれから2日、どこを歩いてもどこに行っても寄ってくるのは警察ばかり、そのうち戦車だの武装ヘリだのと物騒なモノすら夏生にぶつける始末だが無論それを難なくぶち壊して不月を探し続けるのであった


「あーもー探すの飽きたなぁ、だるいだるいだーるーいー、もうやだ帰ろ~」


そう言っていいだけ街の何もかもを破壊し尽くした夏生は家に帰ることにした


家に着くと順音が焦ったような安心したような顔で夏生に飛びついてくる


「お姉様~!!探したんですよ!!!街はボロボロに破壊されてて危険だし破壊神ばりに暴れてる人がいると報道になっててお姉様がその人に巻き込まれて怪我でもしてるのではと…はっ、ところでお姉様、不月とかいう、えーと、お姉様の言うところの3位男、捕獲しておきましたよ、適度に拷問などもしておきましたのであとはお姉様の好きなように煮るなり焼くなり…って、どうしたんですかお姉様、そんな真っ赤な顔して」


「灯台もと暗しだ…恥ずかしい…順音がこんなにも出来る子だと思ってなかった私が恥ずかしい…うぅ…もうやだ…好き…」


「おおおおおおおおおおおお姉様!?おちおあおちおちつおつあああ落ち着いてください!?」


思わぬ褒め言葉に顔を真っ赤にする順音、しかしそんなことしてる場合では、と思ったのかすぐに真面目な顔になり夏生に説明をしますと向き合う


「えーっとですね、不月とかいう輩なんですが、お姉様が抜け出してすぐに釈放されたとの連絡があり、私が探させていただきました、その結果近くのコンビニで買い物をしていたので半ば強引に家に連れ帰り、縛り上げお姉様に傷をつけた分、とりあえず目玉片方を抉り舌を引き抜き、足の指を両足3本ずつ引き抜く拷問を行いました、適切な処置をしたので苦しんだまま現在生きています、ちなみに牢に閉じ込めているので身動きは自由に取れていますのでご注意ください、あとその武装外してもらっていいですかね」


「へぇ、なるほど、さすが、ありがとね順音、私初めてあなたが出来る子って思ったの、あと素敵な人だと思った、これからも私のためにもっと頑張ってね、順音、好きだよ、あとこの武装は解かない、今から使うもん、そこは譲らないよー」


ぶんぶんと鎌を振りながらやだやだ、と頬を膨らます夏生、だが夏生の役に立ってくれた順音に素直なお礼を言うときのその表情は天使のような笑顔であった


「うへへ、えへへへお姉様に褒められたぁ嬉しい嬉しい嬉しい幸せえへへへへへ」


じたばたと悶えながら順音は幸せそうに笑う


「それでは行ってらっしゃいませ、お姉様、汚れたら私が綺麗にしてあげますからね」


ぺろりと舌を出しにこりと笑う順音に多少悪寒を感じ気持ち悪いと言いつつも、夏生は牢の方へと向かった



牢の部屋はかなり広い設計になっていた

大きい鉄柵のその向こうには衰弱しきった三位男こと不月が虚ろな目をして壁に寄りかかっていたが、武装をした夏生を見て何かを悟ったのか、すぐに立ち上がりなるべく距離をとるかのように離れた


不月のその姿は残忍そのものである

無論何十人もの人を切り伏せた夏生からすれば普通の光景に相違ないが


不月は順音の語ったとおり


片目は空っぽに、時折見える口の中には舌がなく足の指は親指、中指、小指が引き抜かれた跡が見えた


「おじゃまします、やっと会えた、3位男、私を刺した、クズ男」


にっこりと笑うと夏生はゆっくり、着実に不月の方へと近寄っていく、その歩みは我が子の元へと行く親のような優しい歩みであったが、ゆっくりと右腕をあげ、中身のない目に銃弾を撃ち込んだ瞬間から、その笑顔こそが、何よりも恐怖を駆り立てる要因となっていく


「…っ、」

不月は口をパクパクとして何かを伝えようとするが、舌を抜かれてからうまく声は出せなかった、いや、出せたのだろうが、その声は恐怖には勝つことなどできなかったのだ


「は?何言ってるかわかーんなーい、死ね、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」



死ね、の数だけ入る蹴り、乱雑で、だがしかし的確な蹴り


モノの数分しないうちに不月は息絶えた

骨は粉々に砕け散り身体は原型を留めないほどにバラバラになってしまっている

唯一残された恐怖に歪んだ顔はその残酷さを語るには充分であろう表情をしていた、だがその顔も


「死ね、死ね、死ね、終わりだよ、死ね」


すぐに、それが何であったかは分からないものになってしまったのは、言うまでもないことである



「あー、スッキリしたぁ、掃除しといてねー皆、私めんどくさーい、お風呂お風呂~♪」


そうして今日、コンクールから1週間後のこと、殺戮衝動にハマった夏生は


「じゃあね、たった1人の、私の大っ嫌いな………“パパ”」


自分の嫌いだった父親を殺したのです




これが、最初の素直ちゃんの顛末

如何でしたでしょうか、何でもできる完璧少女、その才能故に素直すぎる人間として生きてきたこの少女は、我慢を知りませんでした、なぜならこれまで、叶わないことなどなかったのだから、実力が、才能があればなんでも叶う、そう、なんでも叶うから、誰だって殺せるんです、何でもできるから、平気で殺すことが出来たのです


この狂気はどんな凶器よりも鋭く、危ない


“素直”なことほど危険なことは無いですね、あぁ、子供が怖いもんだ


今回のお話はこのへんにしましょう、それでは、またどこかで、素直にこの子を見守り続けてくれたあなたにお会いできれば幸いです…


次回、素直に普通になりたい少女のお話を掲載致します、お楽しみに

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