無自覚
「えへへ、ありがとう!!」
あの後、幾つか雑貨屋とかを巡って買い物をした訳だが。
主にフィーネが。
「金は余ってたからいいけどな」
「ほんと凄い量買ったわね…逆に貴方は買わなくて良かったの?」
「そっくりそのまま返すよ。全く、研究材料だなんだって珍妙なもんばっか買って。それでも女か」
「そういうのは私はいいの。買いたくなったものは買えてるから満足なの」
「その宝石すら触媒かなんかなんだろうな…」
「大正解よ、流石私の召使い」
「ええ…まじか…」
「見て見てこのペンダント!すっごいキレイでしょ!」
「綺麗な青色ね。何処で見つけたの?」
「ううん、お兄ちゃんがくれたの!」
「…へぇ、貴方中々良い目をしてるじゃない。というか貴方がフィーネにプレゼントというのが本当にびっくりよ。槍でも降るんじゃないかしら」
「ふん、貴重な鉱石の叩き売りだと思って買ったらペンダントだったんだよ。俺がつけるわけにもいかないからフィーネにやったまでだ」
「言い訳下手すぎでしょう。まあフィーネが喜んでるからいいのだけれど」
「うん!フィーネすっごく嬉しい!」
「良かったわね。で、私には何も無いのかしら?」
「あ?むしろお前に何かあるとでも思ったのか」
「まぁそうよねぇ…というか本当に失礼ね、私が主だと何度言ったら」
「うるさい黙れ」
「……え?嘘、まさかほんとに」
「黙れっつてんだろ。何も言わずに早く仕舞え」
「えーっと、ほんとにくれると思わなかったからなんて反応したらいいか…あの、うん、明日は雷雨?」
「失礼なのはどっちだ」
「ごめんなさい、冗談よ。ありがとう、大切にするわね。…ほんと、そんなタイプじゃないでしょうに」
コーディリアはそういうと早速髪につけてみせた。
「どう?似合うかしら?」
「俺が間違える訳ないだろう。分かったから仕舞えと」
「リアかわいい!凄い似合ってるよ!」
「そう?期待に応えられて良かったわ」
「誰も期待してねぇよ、こっち見てにやけてないで早く仕舞え」
「照れなくてもいいじゃない、凄く嬉しいわよ?」
「お兄ちゃん照れてる?照れてる!変な顔〜!」
「ああもう煩い黙って歩け!」
買わなきゃよかった鬱陶しい。
なんでこんなことしたのか。
「ふふっ、まあ確かに日も傾いてきたし、そろそろ帰らないといけないわね」
「そうだね、ちゃんと歩かないと迷っちゃいそう」
「…え?迷う?」