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文化部怪談物語  作者: 文月一星
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第12話 天文部編 part3

怒り

翌日の夜、ニュースはすぐに入ってきた。もうすぐ流れ星がここから観測できる、それも獅子座流星群。天文部にとってこの機を逃すわけにはいかない。すぐにでも部員のみんなに知らせなくては。いや、彼らオタクのことだ。すでに知っているといると考えるのが妥当だろう。明日の部活が楽しみだ。

 しかしその期待は、すぐに砕けた。

「当日は雨だから」

「家で見るから」

「この寒い中夜までいるなんて気が知れないよ」

なんだよこれ。様々な黒田にはすべての言葉が、罵詈雑言にさえ聞こえる。悲しみではなく怒りだ。殺風景なその部室には、なんの光彩も感じなかった。

「黒田。仕方ないさ」

「黙れ須藤」

誰でもよかった。誰が話しかけようとよかった。ただこの煮え滾る何かを誰かにぶつけたかった。

「俺は、学校で見る。誰もいなくていい」

須藤は何も言わず、誰も何も言わず。ただ黒田はその場を去った。

続く

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