8日目
ゼフィトが修行に行ってきました。因みにゼフィトは低レベルです。正確なレベルは5です。白銀狼の種族チートさが伺えます。
ゼフィト「今まで強さを求めた事がなかったからな」
それ強者だからこそのセリフだよね。
ゼフィト「魔力操作のお陰で魔法は殆ど+α使えるが、種族スキルは全くというほどないからな」
レベルは上がってないもんね。そういえば夏美ちゃんのレベル上げの時上がらなかったの?
ゼフィト「お前も知ってるだろうに、この世界での経験値はちゃんとグループを組む事によって分配される、あの時グループは組んでなかったからトドメを刺した者に独占される、つまりあの時に俺が獲得した経験値はゼロだ」
と言うわけで、今回ゼフィトの種族スキルが見れるかも?それではどうぞ!
屋敷に帰る頃には日が昇っていた。すこし面白い事が出来た。今度ナツミに見てもらおう。
ゼフィト「セバス、朝からご苦労」
セバス「!?ま、まさか、ご主人様にまで背後を取られるとは・・・」
ゼフィト「ちょっと修行してきてな、俺が本気でレベル上げするのは初めてだな」
セバス「そう言えばそうでしたね、ご主人様のレベルは確か一桁でしたよね、レベル1の時から当時の魔王を屠れましたし、レベル上げよりも魔力操作などの技術面の修行しかしてませんでしたし、魔物を倒すのも他の者にトドメを刺させたり任せたらしてましたし、戦争に関しては一切不参加でしたね」
それだけ聞いたら俺が命を奪う事に躊躇する臆病者みたいだな。他の奴に手柄を譲ったのは魔族の強化の為だった、俺が戦争に参加したら、絶対すぐ終わるからな。あいつがいればもういいんじゃね?という雰囲気になったら魔族が弱体化してしまう。・・・あれ?俺っていない方がいいんじゃね?
ゼフィト「一層の事隠居でもするか」
セバス「ご主人様、ニートなる者をご存知ですか?」
ゼフィト「・・・アレスから何か聞いていたか?」
セバス「はい、向こうでは職を持たない者のことを言うようで、別名ムショクとも呼ばれるそうです」
ムショク?
セバス「家族から疎まれ、最後には存在感を失ってしまう存在だとか、ご主人様はそうなるおつもりですか?」
ゼフィト「そんなわけない、俺は隠居なんてしないぞ?」
セバス「そう言って頂けると思っていました」
ああ、隠居なんてするものか。
セバス「ところでご主人様、レベルが上がって何か変化がありましたか?」
ゼフィト「取り敢えずステータスが全体的に桁がかなり増えていた、それといくつか面白いスキルを手に入れた、例えば・・・ん?」
ゼフィトが左に動く。
ゼフィト「ここか?いや、もう少し左に斜め後ろ・・・ここか」
セバス「なんでしょう?」
すると屋敷の窓が破られ、中から人が落ちてくる。夏美だった、夏美はそのまま落下して行き、ゼフィトに受け止められる。お姫様抱っこで。
夏美「ふぐう、え?ゼフィト!?」
ゼフィト「おはようそしてただいま、そろそろフィオナが来るか?」
フィオナ「夏美ちゃん!リベンジだよ!!」
夏美「ひっ!?」
窓からフィオナも飛んで来る。
ゼフィト「・・・はあ、『白狼の守護』」
ゼフィトの髪が白に変わると同時に、ゼフィトと夏美の周りにシャボン玉のような膜が出てくる。
フィオナ「とりゃああぁぁぁ!!」
だがフィオナは膜にぶつかると弾き飛ばされ、地面に尻餅着く。
フィオナ「痛!」
ゼフィト「フィオナ、銀狼の本能は俺にもあるから理解できなくもないが、ナツミは俺の大切な存在だって事を忘れるなよ?お前もそうだがナツミは昨日危うく死にかけたんだから、いきなり無茶するんじゃない」
フィオナ「うう、ご、ごめんな、ナツミ」
夏美「う、うん、大丈夫だよ」
ゼフィト「あとナツミ、昨日の戦いについていろいろと言いたい事があるから、朝食が終わったら俺の部屋に来るんだ、いいな?」
夏美「は、はい」
ゼフィトはとびっきりの笑顔でそう話した。
夏美「ぜ、ゼフィト?一体、な、なんで、しょうか?」
夏美はどもりながらゼフィトの部屋に入ってきた。
ゼフィト「昨日の事だが、纒雷は使うなって俺は口を酸っぱくして言ってたよな?あれはもしもの時、仕方ない時に少しだけなら使っていいと、あんなに長時間は絶対ダメだって言ったよな?何度も言ってたはずだ、あれは命を削る事に成りかねないって」
夏美「その、ごめんなさい、フィオナさんの気持ちに応えないとって、ついヒートしちゃって・・・」
ゼフィト「頼むから、自分の身を削るのはやめてくれ、俺が死んでしまいそうだ」
夏美「本当に、ごめんね」
どちらからともなく抱き合う。お互いを慰めるように。
ルナ「ゼフィトにいにとナツミねえね、何してるの?」
二人「え!?」
ルナ様乱入。
ルナ「ギュッてしてる!ルナも入れて!」
ルナが飛び込んできたから中に入れてギュッとしてやった。
ルナ「えへへ」(*´꒳`*)
ルナはいつも通り、無邪気だった。
あの後俺達は部屋を出た。
ルナ「今日は何するの?」
ゼフィト「今日はルナの冒険者登録をしておこうと思う」
ナツミ「でもルナちゃん子供でしょ?」
ゼフィト「あ、そういえば話してなかったな、ルナはナツミよりも妹より強いぞ、なんせ竜神だからな」
※書いていませんでしたがゼフィトに比べてフィオナは遺伝が弱いため、白虎の力と神殺しの力は受け継がれていません。
ナツミ「そうだったの!?」
ルナ「えっへん」(*´꒳`*)
ルナが両手を腰に当てて胸を張る。動きの一つ一つに癒されるな。
ゼフィト「それじゃあ行くか、ナツミは家で休んでろよ?病み上がりなんだからな」
夏美「え?私はもうだいじょ」
ゼフィト「問答無用、セバス!ナツミを中に連れて行ってくれ」
セバス「承知しました」
ナツミは何の抵抗もできず連れて行かれてしまう。ほんと、あの人何者なんだろう。
町に入って行く、俺は悪い意味で有名だった為、視線が集まる。ひそひそ声が聞こえる。今更俺には関係ないが、ルナに見せるのはあんまり良くないな。
実際は・・・。
「ねえねえ!あの人カッコよくない?」
「え?どの人?」
「うわ、ホントだ!長身でスタイル良い!」
「銀髪超美青年なんて、最高だわ!!」
「連れている子って妹かな?」
「妹さんも可愛い!」
「今こっち見なかった!?」
「ああ、美青年と美少女の兄妹、鼻血モノだわ」
と熱い視線に晒されていた。男はというとルナに見惚れている者とゼフィトにリア充爆発しろという恨みの視線を飛ばしていた。
ルナにとっては居心地が悪いだろう、早く行くとしよう。
ギルドに登録するには試験がある。選択式で、筆記か実技で選ぶ。ルナには実技をさせるんだが、そのままだと殺してしまう可能性がある。なので・・・。
町に着く前の森の中。
ゼフィト「そうだ、ルナ、一つ言っておかないといけない」
ルナ「何?」
ゼフィト「ルナの力ってさ、余りにも強すぎるじゃん?」
ルナ「うん」
ゼフィト「冒険者登録をするのに試験をしないといけないんだけど、ルナは勉強と運動どっちが良い?」
ルナ「運動!!」o(`ω´ )o
うん、知ってた。
ゼフィト「で、運動だと人と戦うことになるんだけど、ルナ程の力だったら簡単に殺してしまう、わかるかな?」
ルナ「うん、ゼフィトにいにとの約束で人は殺しちゃいけないんだよね」
ゼフィト「そこでだ、ルナの力を抑えようと思う、この指輪つけてくれ」
黒い指輪を一つルナに渡す。
ルナ「これ?」
ゼフィト「ああ、俺の神殺しの力を弱く仕込んである、指に付ければ神の力は封印される筈だ」
ルナは躊躇いもなく指にはめた。
ルナ「うーん、特に変化はないかなー」
ゼフィト「あの岩にファイアを撃ってみろ」
ルナ「うん、えいっ!」
ルナが掌を岩に向けてえいっ!と言うと掌から火の玉が出てきて岩にぶつかる、すると巨大な火柱が現れた。
ゼフィト「よし、神の力は入っていない、これなら上級魔道士で話が通るな」
俺はルナの頭を撫でて、試験での注意事項を話しながら森を抜けた。
現在。
ということをしておいた。
ギルドに入ると見覚えのあるグループがいる。
ロック「お?ゼフィトじゃないか!久し振りだな」
ゼフィト「・・・・・・・・・・・あー、あ、あ!確か勇者のグループの・・・・えっと、あー、エギルだったな」
ロック「一文字もあってねえよ!覚えてないからって適当に言うな!!」
ゼフィト「あー、そうだな・・・」
エルザ「あんた落ち着きなさいよ」
ミーナ「ゼフィトさん酷いですよ!」
ゼフィト「エルザとミーナもいたのか」
ロック「覚えていないの俺だけ!?」
もちろん冗談だ。
ゼフィト「嘘だ、久々だな、ロック」
ロック「泣く所だったぜ、所で何しに来たんだ?」
ゼフィト「この子にギルド登録をさせようとな」
ゼフィトがルナの頭を撫でるとルナは猫のように目を細める。
ロック「筆記か、結構難しいぞ?」
ゼフィト「実技だ」
ロック「何!?」
驚くのも無理はないだろう。どう見ても5歳ぐらい確か見えない、勿論5歳だが。
ロック「正気か?」
ゼフィト「正気だ、この子には教養がない、だが戦闘に関しては力が強すぎてな、ある程度抑えておかないと死人が出る程なんだ」
ロック「・・・あんたがそう言うんだから、そうなんだろう、だが大丈夫なのか?対人戦なんてしたことあるのか?」
ゼフィト「ある、俺と初めて会った時に殺りあった、俺の特殊能力がなかったら確実に俺は死んでいた」
なんせ神の力だからな。
受付に向かう。受付嬢はこちらに気付くと嫌そうな顔をする。
「あら、雑用ばかりしてたと思えばいきなり四天王になってギルドに顔を出さなくなったゼフィトさんじゃないですか、一体何の用ですか?」
ゼフィト「この子のギルド登録に来た」
受付嬢の嫌味を受け流して要件に入る。
「・・・筆記かしら?」
ゼフィト「実技だ、先に言っておくけど、正気か?とか大丈夫なのか?と言うのは無しな」
「・・・断るわ、どこから攫ってきた子かは知らないけど、無理矢理働かせるなんて、流石に屑すぎるんじゃないの?」
ルナ「ゼフィトにいにを悪く言うな!!」
うお!?ルナから竜のオーラが溢れ出てる!?
ルナ「ゼフィトにいには私を白くて狭い世界から、空が青くて、家がたくさんあって、自然がたくさんある広い世界に連れ出してくれたもん!!私の為に戦ってくれたもん!!何も知らない人がゼフィトにいにを悪く言うな!!」
ルナのオーラがどんどん大きくなる。触るだけで手が焼け焦げそうだ。
ゼフィト「ルナ、ストップストップ」
てか俺の手が焼け焦げた、真っ黒に焼けている。
ルナ「ぜ、ゼフィトにいに、ご、ごめんなさい、ルナは、ルナは」
ルナは泣いて俺に詫びる、俺は焼けていない手でルナの頭を撫でてやる。まあ、手はすぐに治る、これでルナのトラウマにならなければいいが。
ゼフィト「ルナ、もう大丈夫だから」
俺は治った手をルナに見せながら更に撫で回す。するとルナは泣き疲れたのか寝てしまう。
ゼフィト「・・・はあ、わかった、もう登録しには来ない、あと俺も除名しておいてくれ」
「ちょっとまっ」
ゼフィト「待たん、もう終わった事だ」
そういえば四天王でギルド登録してるのは俺だけだったか。最弱とはいえ四天王がギルドに登録しているのはギルドにとってかなり大きい信用を得る事に繋がる。なんせ魔王を抜いて魔族の中で最強を謳われる存在、そのネームバリューは伊達ではないだろう。
その日の夜、俺の屋敷にギルドマスターが訪ねて来た。まあ、門前払いだが、どうせ昼の件のお詫びだろう。どうか除名しないでほしいとか、そんなのお断りだ。俺は。
ゼフィト「もう決まった事だ、これ以上しつこくしたら魔王の方にも報告するが?」
それを言われては引くしかない、無理な勧誘は御法度だ、既に決めた事にしつこく迫る事もまた御法度、それを破れば重罪になる。
こっちからすれば別のギルドに登録すればいいだけだからな。
ギルドマスターを追い返して振り返ると、頭だけヒョッコリ曲がり角から出しているルナがいた。
ゼフィト「どうしたんだ?」
ルナ「その、ルナのせいで「ストップ」ふゃ!?」
ゼフィト「あれはルナのせいじゃない、ギルド側の不手際だ、ルナは俺の為に怒ってくれたんだろ?」
俺はまたルナを撫でる。
ゼフィト「ルナは良い子だ、優しい子だ、お前が責められることは何もない」
ゼフィトはルナを部屋へと連れて行って寝付かせる。頭を撫で続けてたら安心したのか静かに眠りについた。
その日、ある町のギルドが職員の態度が問題になり、そのギルドの信用が大幅に落ちた。それが原因で四天王がギルドから脱退した事が世に知れ渡り、そのギルドから脱退する冒険者も増え、その町のギルドは廃れていった。今後新しいギルドが立ち上げられるらしい。
結局スキルの名称は出ませんでしたね。恐らく分かった人もいるんじゃないでしょうか?
ゼフィト「そんなに凄い技でもないだろ」
いや、これ使いようによっては、いやどっちにしろチートだから。
ゼフィト「大体このスキルがあっても、戦いになったら使うまでもなく終わるだろうしな」
まあ、強くなるためにレベル上げたんだよね、でもさ、それ相手が強者だった場合大きなアドバンテージになるよね。
ゼフィト「・・・確かにそうだな、よくよく考えたら確かにこのスキルはずるいな」
うん、えっと、今回はこの辺で、次話ですが、かなり難航しています。ネタ切れは厳しいですね。
ゼフィト「作者はノウタリンだからな」
黙らっしゃい!ま、まあ、取り敢えず頑張って書きます、次回もよろしくお願
ルナ「あ!!テインにいにだ!!」
あ、しまった。
ルナ「お話聞かせてー!!」
わ、わかった、わかったから、後で昔書いた小説を読んであげるから!じ、次回もよろしくお願いします!!
ルナ「早く早く!リュウジン様の話聞きたい」
はいはい、龍神ゼローグの話ね、ちょっと待って…。