5日目
5日目、やっと、かんせ、い、しましたー。
ゼフィト「お疲れー、今日はナツミは休みだ」
なん・・・だと・・・!!
ゼフィト「男だけの会話聞いても面白くねーだろうから早く始めろ」
そ、そうだな。それじゃ今回もどう
ガチャ
!?
ゼフィト「!?」
真夜中、気配を感じ目を覚ます。部屋の中に誰かがいる。
ゼフィト「・・・ベル、こんな真夜中に何の用だ?返答次第では縛るからな」
ベル「ふふ、それも魅力的だけど、今回は最近起こった事を聞きに来たわ、他の勇者が来たみたいね」
ゼフィト「ああ、殺したけどな」
ベル「この世界の勇者は別にいいわ、殆どクズばかりが選ばれるし」
ゼフィト「天界の神どもは何考えてんだろうな」
思い当たる奴はいる、ネロ辺りが怪しいな。あの神は楽しければ他がどうなってもいいみたいな感じだし。
ゼフィト「それで、それだけの為に来たわけじゃないだろ?本当の用事はなんだ?」
ベル「・・・依頼よ、最近竜族の様子が変なの」
ゼフィト「なんで俺なんだ?」
ベル「もしもの可能性があるからよ、竜神の誕生もあり得るし」
ゼフィト「竜神・・・ねえ」
竜神、その名の通り竜の神だ。
ゼフィト「竜神が誕生したなら、また反乱が起こるかも、という事だな」
ベル「ええ、竜神相手じゃ、私でも歯が立たないし」
ゼフィト「・・・まあ、魔王は今のお前の方がやり易いし・・・セバス」
セバス「ここに」
いきなり俺の背後に現れるセバス、ベルは驚いていたが、こいつはいつもこんな感じだ。
ゼフィト「俺は少しの間家を離れる、家の管理を頼む、それに付け足してナツミの事も頼む」
セバス「承知しました」
するとセバスは消えた。うん、昔から思ってたけどセバスって何者なんだろう。
ベル「・・・えー、ごほん、もしも竜神が子供だった場合は「わかってる」うん?」
ゼフィト「その時はお前からその子を守ればいいんだな」
ベル「な、なぜに!?」
ゼフィト「お前が研究以外に興味を持つとは思えん、確実に厄介ごとを起こすからな、俺はお前の事を魔王としてかなり気に入っている、だがそれだけが欠点だ」
するとベルはバツが悪そうにえへへと頭を掻いていた。
俺はすぐに屋敷を出た。
side夏美
ふあぁ、もう朝か・・・。
シャルル「朝食の用意ができました、食堂にいらしてください」
いつものようにシャルルが部屋に来る。途中であの勇者のグループと鉢合わせした。
エルザ「ナツミ様、おはようございます」
ミーナ「おはようございます」
ロック「うっす」
夏美「おはよう」
私はロックから距離を置く、昨日のことを思い出してしまったからだ。シャルルも笑顔を崩さないが、ロックとは一定の距離を保っている。
昨日の晩、ロックはメイド達を片っ端から口説こうとしていた。それもしつこく、その場面を夏美は見てしまっていた。最終的にはセバスに縛り上げられていた。その時も何故かロックは恍惚とした顔をしていた。その時に発していた言葉と顔を二人は思い出してしまっていた。
ロック『セバス様〜♡』
二人「ひっ!?」
ロック「ん?どうしたんだ?ナツミ様、シャルルちゃん」
夏美「な、なんでもないわ」
シャルル「な、なんでもないです〜」
ロック「???」
シャルルの笑顔が引き攣っている。
食堂に着くが、ゼフィトの姿は見当たらなかった。
夏美「セバスさん」
セバス「はい、何でしょう?」
夏美「ゼフィトはどうしたの?」
セバス「ご主人様は魔王ベルゼキュートのご依頼で出掛けられています、いつご帰還されるかは聞いておりません」
夏美「そう・・・ありがとう」
ベルちゃんの依頼、一体なんだろう。無事に帰ってくれればいいのだけど・・・。
sideゼフィト
今の状況を確認しよう。俺は竜の国にきた。魔王命令で視察に来たことを伝えると竜族達は俺を快く迎えた。部屋まで用意してもらった。現在視察一日目のお昼なんだが・・・。
「くー、くー」
俺の尻尾に抱きついたまま寝ている少女がいる。
時間を遡り、到着後。俺は一人で視察を始めた。どうやら武器を盛んに作っているようだ。まるで戦争の準備をしているように見える。その事を族長に聞いてみた。
「いつ人間達や勇者が攻め込んで来てもいいように、いつも防衛の準備しております」
防衛の準備、違うね、もしもの為の準備にしては作り過ぎている。数が多いに越した事はないだろうが、それでもこれは正にこれから戦闘があるみたいな様子だ。
あと、気になった場所は一つ、竜族は話はしなかったが、近くに空間が一つある。何処かに隠し通路があるのだろう。俺は隠し通路を探すのは面倒に感じ、テレポートを使って一瞬でその部屋に入る。中には一人の少女がいた。
「・・・あれ?お兄ちゃんだれ?」
ゼフィト「・・・珍しい、竜神が女だとは」
竜神、その存在をゼフィトは何度も見て来た。その全てが男だった。故に珍しい、貴重、ベルからしたら喉から手が出るほど欲しいものだろう。
「あ!そうだ!忘れてた!!知らない人と会ったら・・・」
すると掌を俺に向ける。
「殺さないといけないんだった」
それと同時に一本の槍が現れる。槍を構えて俺に向かってくる。突き出して来た槍を避けたら後ろの壁に当たる。すると壁は簡単に砕け散った。
ゼフィト(神属性が混ざった炎属性、しかもこの少女の攻撃は全てに神属性が入る、竜神だから当然か)
「なんで避けるの!!」
槍を投げてきた。
ゼフィト「okok、今度は避けないよ」
俺は槍をキャッチして投げ返す。
「わ!?」
少女は慌ててキャッチする。
「お兄ちゃんすごい!けどこれはどうかな?」
槍に炎が纏わりつく、それを投げてきた。
ゼフィト「神炎か、なら」
普通にキャッチする。そして投げ返す。
「わー!お兄ちゃん本当にすごーい!!」
少女もキャッチする。
「次も行くよ!えい!!」
ゼフィト「なんの!」
今度は氷だったが神属性が混ざっている為簡単に掴める。
長い時間キャッチボール?が行われた。
「はあ、はあ、お兄ちゃん、はあ、しゅ、しゅごいよぉ〜」
ゼフィト「まあな」
「はあはあ、すーっ、ふー、私はルナだよ、お兄ちゃんは?」
ゼフィト「ゼフィトだ」
ルナ「ゼフィト、お兄ちゃん、んー、ゼフィトにいにだ!」
ゼフィト「それで?殺すんじゃなかったのか?」
するとルナは考えるように上を見上げて首を傾げる。
ルナ「んーとね、ゼフィトにいにはもう知らない人じゃないからもう殺さなくていいの!」
ゼフィト「ははは、お前は面白いな」
ルナ「それに、ルナと一緒に遊んでくれたのはゼフィトにいにが初めてだから、こんなに楽しかったの初めて」
確かに、あれを普通の奴がやったら簡単に消し飛んでしまうだろうな。それに、竜神だと知ったら余計に縛り付けておかないといけないだろうし。多分生まれた頃からここに閉じ込められてたんだろうな。神を閉じ込める為の結界もかられてたし。あ、俺がテレポートで入った時にその結界も破れたけどな。
ゼフィト「俺も結構楽しかったぞ、あ、そうだ、お前をここから連れ出そうか」
ルナ「え!?本当!?」
ゼフィト「但し条件がある」
ルナ「なになに?」
ゼフィト「一つ、ここ出る時、神の力を封印する、二つ、ここを出て知らない人に会ったからといって殺そうとはしないこと、三つ、俺の言うことをしっかり守る事、どうだ?」
ルナ「うん!!守る!!」
ゼフィト「よし良い子だ」
俺は竜族の奴等にバレないように外へテレポートした。俺の部屋に行き、ベッドをもう一つ出す。それから町を見て回ろうと話していたが、ルナはウトウトしていた。
ゼフィト「・・・お昼寝するか」
ルナ「ううん」
ルナは首を振るが、今にも寝てしまいそうだった。俺は尻尾をルナに乗せる。するとルナは尻尾に抱きついた寝てしまった。
ゼフィト「・・・あ、これじゃ俺寝れねえじゃん」
尻尾は敏感だ、掴まれていたら寝れるはずがない。
寝た後に触られるのは問題無いようだ。
side夏美
勇者のグループの人達が帰っていった。ゼフィトはいつ帰って来るだろう・・・モフモフが足りない。
sideゼフィト
ルナが起きた所で外に出た。出来るだけ戦争とかが関係しなさそうな商店街を歩く事にする。
ルナ「すごーい!人がたくさん!!」
ゼフィト「ああ、世界には人がたくさんいるぞ、あ、それ二本くれ」
俺は串の焼き鳥を二本買った。一本ルナにやる。
ルナ「美味しい!こんなの食べたことがない」
ゼフィト「んー、竜神なんだからさぞ美味しい料理とか食わせてもらってると思ってたんだが」
ルナ「ううん、ルナがいつも食べてるのは味がなくてパサパサしてる粉だから」
なんだろうな。
ルナ「水を飲むとお腹の中で膨らむの」
ゼフィト「ふーむ、よし、美味いもの食いに行くか」
ルナ「やったー!!」
飛び跳ねてはしゃぐルナ、子供ができたらこうなんだろうかとか考える。うん、良いかもしれない。
この店が美味そうだ、匂いでわかる。
ゼフィト「なんでも頼んで良いぞ」
ルナ「うん!!」
確かに今何でもと言った。だからと言って・・・メニューの商品全部頼む事はないじゃないか・・・。
ルナ「ふう、美味しかったー!」
ゼフィト「・・・よく入ったな」
しかも殆ど食べたし。
その後俺達はいろんな所を観光して回った。はしゃぎまくったルナは帰る頃には俺の背中で眠りについた。
ルナ「すー、すー」
ゼフィト「子供はよく寝るな」
だからこそ成長するんだろうか。
ルナ「おはよーございまーす!」
やあルナちゃん、今回から登場だね。
ルナ「ゼフィトにいにもおはよー!」
ゼフィト「おう、おはよう」
ほらルナちゃん、読者様にも。
ルナ「えっと、おはよう?」
首を傾げて、か、可愛いぜ・・・!!
ゼフィト「あ、ルナはやらないからな」
と、ともかく、今回も読んでいただきありがとうございます!次回もお楽しみに!!
ルナ「またねー!!」