4日目
やっぱり話を続けて書くのは大変ですね、やっぱり私には無理なのでしょうか。
ゼフィト「どうでもいいから終わらせろ、てか終わらせてくれ」
夏美「ゼフィト、もうちょっと話聞いてあげようよ」
まあ、そんな暗い話は置いておいて、今回もどうぞ!!
今日はきっちりとそれぞれの部屋で寝た、筈だった。
夏美「うーん、モフモフ」
ゼフィト「んー、ナツミー、そこは、ダメだって・・・すーすー」
結局夏美が潜り込んで一緒に寝ていた。
セバス「・・・あれほど申しましたのにまた添い寝ですか」
ゼフィト「・・・」
夏美「・・・」
セバスに見つかって、俺達は正座させられていた。
セバス「婚姻を結ぶまでは清い関係を保つのではなかったのですか?もしもこれで過ちを起こしていたらどうするのですか」
ゼフィト「す、すまない」
夏美「ご、ごめんなさい」
そう、俺は性教育を受け、俺と夏美は婚姻を結ぶまでは、そのような行為は控える事にした。婚約は既にしていて、婚約指輪もそれぞれつけている。俺たちの指輪には俺が特殊効果をつけておいた。効果は俺達のどちらかが危機に陥ったらパートナーの元に転送されるものだ。
セバス「はあ、仲が良いのはよろしいことですが、これからは気をつけてください」
説教が終わり、朝食を食べる。朝食に納豆と梅干を出したら夏美が喜んでいた。結構納豆は好みが分かれると思うが、夏美は好きだったようだ。
夏美「今日は何をするの?」
ゼフィト「まず、魔力操作はやっておいてくれ、今から」
夏美はゼフィトに言われた通り、魔力の玉を三つ作り出した。
ゼフィト「それを保ったまま話をしよう」
夏美「うん」
俺達は談笑を続けた。
夏美「へぇ、ゼフィトって召喚勇者の事は大抵覚えているんだ」
ゼフィト「ああ、異世界の人間は面白いからな」
すると俺の後ろに降り立つ影が一つ。
ロコン「ゼフィト様、勇者がこちらに向かっているようです」
ゼフィト「だろうな」
夏美「え?」
ゼフィト「狙いは夏美だな、大方捕らえられていると伝えられて助けに来たかか裏切り者を始末しに来たか」
夏美「そうなんだ」
ゼフィト「反応薄いな」
夏美「なんだかね、同じ人間のような気がしないの、まるでお話に出てくるような魔族の事を話している様な気がして」
ゼフィト「ああ、例の魔王と勇者の話か」
夏美の言うお話に出てくる魔族というのは、俺達とは別で本当に人間の世界を征服しようとする魔族達の事だ。
そこにタッタッと駆けてくる者がいる。
「魔物め!覚悟!!」
一人の人間が飛び上がって俺に斬りかかってくる。それに飛びかかろうとするロコンとナツミを抑える。俺がするのは、ただ、ゆっくりと手を振る、そして人間の剣に手が当たると、剣が根元から折れた。
「何!?聖剣が折れた!?」
聖剣ね、神の神聖属性が宿った剣、俺には逆効果だな。
ゼフィト「どうでも良いが、お前が勇者か」
夏美「あ!!」
ゼフィト「どうしたナツミ」
夏美「この人、私が国を出る前にしつこく迫って来ていた貴族の息子だ!!」
ゼフィト「・・・なんだ、ストーカーか、まあナツミは可愛いから仕方ないか」
夏美「えっと、シュハールだったかな?何しに来たの?」
シュハール「ナツミ様!貴女を救出に来ました!!さあ!逃げましょう!!」
夏美「間に合ってます、どうぞお帰りください」
んー、ナツミの冷め切った顔もいいな。
シュハール「えっと、聞き違いでしょうか?も、もう大丈夫なのですよ?仲間もすぐ近くまで来てます!」
夏美「いえいえ、先ほども言いましたがもう間に合ってます、どうぞお仲間さん達とご一緒にお引き取りください」
ふむ、これがあの勇者が言っていたエイギョウスマイルと呼ばれる対応か。これもなかなか唆られるな。
「あ!シュハール様!ここにいたのですね」
「おいこらシュハール!単独行動は慎めと何度も言ってるだろうが!」
シュハール「わ、悪い、でもナツミ様を見つけたんだ!」
「それは良かったけど、愛しのナツミ様がいるからって単独行動はだめよ?」
男一人と女二人、男が剣士で女は一人魔法使い、一人聖職者だ。なるほど、かなりバランスが保たれているグループだ。
男剣士→ロック
女魔法使い→エルザ
女聖職者→ミーナ
ロック「ほう、流石もう一人の勇者様だな、シュハールとは実力が段違いだ」
エルザ「魔力もすごく強く感じるわ」
ミーナ「凄い濃い魔力です、相当洗練されてます!」
ナツミ「・・・なんかいろいろ来ちゃった」
本当だな、一応ここは私有地なんだが。
エルザ「あの男は?」
シュハール「ナツミ様を捕らえていた男だ!!」
するとそのグループの者達は武器を構える。
ゼフィト「んー、そこの勇者よりはまともそうだな・・・」
ナツミ「んー、でもパッとしないわね、なんかこう、強そうって感じがしない」
ゼフィト「それはナツミが強くなり過ぎだからだ、俺もそうだし」
するとエルザが詠唱を始めた。
エルザ「我望む、大気を焦がす業火よ、我が魔力を喰らいて、我が敵を焼き尽くせ、その名を示せ!『インフェルノ』!!」
ふむふむ、上位魔法、詠唱短縮も使われているな。
ゼフィト「『ファイヤ』」
ゼフィトの手からエルザが放った火炎と同じ威力、いや、少し威力の高い火が発せられた。ゼフィトの炎はエルザの炎を打ち消した。
エルザ「そんな、インフェルノを無詠唱で・・・」
ゼフィト「おい魔法使い、今のはインフェルノではない、ファイヤだ」
夏美「ブフォ!!」
ナツミ、何故笑う?
夏美(『今のはメ◯ゾーマではない、◯ラだ』と言う台詞だ!!)
ゼフィト「ナツミ、今のが魔力操作の恩恵だ、下級魔法を上級魔法と同じぐらいの威力で放てる、まあ今のは軽くだからもっと威力の高いものを撃てる」
夏美「う、うん、クフ、わかっ、クス、わかったわ、ウフフ」
だからなんで笑う。
エルザ「そんな・・・」
ミーナ「なら聖魔法です!神よ!我が呼び声に応え、浄化の吐息にて悪しき魔物を浄化せよ!!『ゴットブレス』!!」
ほむほむ、神聖属性か、ならば。
ゼフィトは軽く手で触れる。するとミーナの放ったゴットブレスは打ち消された。
ゼフィト「残念、俺に神従属の属性は一切効かないんだよね」
ミーナ「ありえ、ません・・・」
神従属の属性、光、聖、神聖、神、あとそれらの属性と他の属性を合わせた複合魔法は全て無効化される。
ロック「ならば接近戦だ!ミーナ!補助だ!!」
ミーナ「・・・はっ!?しゅ、守護の光よ!我が仲間に力を与えよ!!「エンチャント」!!」
ロック「よし!行くぞ!」
剣士が斬りかかってくる。遅いな、剣が俺のいた所まで到達するまで何しておこうか・・・。んー、うん、もう我慢できない!折っちゃうね!!
パキンッ!
俺が剣の腹にチョップすると簡単に剣は折れた。
ロック「な!?いつの間に、って、剣が!?」
ゼフィト「全体的にかなり実力は高いようだけど、正直、俺を相手にするには・・・ざっと数千年・・・いや、追い付くのは無理だな」
ただ、ナツミは俺に追い付きつつあるけど。
ゼフィト「もういいな?ナツミ、練習を続けてくれ、そんでもって、話の続きでもするか、ロコンは仕事に戻ってくれ」
ロコンは御意とだけ言葉を残し帰る。俺は机と椅子を取り出し、飲み物を出してからナツミとの話の続きをする。
庭先に寛ぎ、談笑する二人はとても絵になる。名のある絵師なら是非と声をかけただろう。
ミーナ「き、綺麗です」
エルザ「よ、よく見たら、お似合いのカップルに見えてしまう」
ロック「というか、これは」
エルザ「ええ」
ミーナ「き、禁断の恋ですぅ!!」
三人はすぐに気付く、ゼフィトと夏美が親しい間柄だという事に・・・。
シュハール「どういう事なんだ、なんでナツミ様はあの様な魔物と・・・!!」
一人だけは納得がいかない、そしてこういう結論に至る。
シュハール「そうか、ナツミ様は洗脳されているんだ!!」
現実逃避、自分の都合のいい方へと思考する。
シュハール「ミーナ!ナツミ様に状態異常回復を!」
ミーナ「シュハール様、ナツミ様には状態異常はかかっていません、あるとするなら・・・恋の病、でしょうか」
シュハール「いいから早くやれ!!」
必要に迫られ、ミーナは回復魔法を夏美にかける。勿論何も起こらない。
ミーナ「神代魔法を使いました、これで解けない状態異常、呪いはありません、ナツミ様は正常です」
シュハール「そんな、あの強く美しい勇者であるナツミ様が、この様な魔物に懐柔されるとは・・・」
するとシュハールはもう一つ腰につけていた剣を抜いた。
シュハール「もうお前は私のナツミ様ではない!!今ここで死ねええ!!」
シュハールは談笑をする夏美に飛びかかる。
夏美「へえ、そうなんだ!」
ゼフィト「ああ、それでな…」
シュハール「な、に」
一瞬の出来事だった。話を続ける夏美はシュハールに目も向けず、剣を抜いて、剣を持っているシュハールの腕を切り落とす。次にゼフィトの拳がシュハールの胸を貫く。話は一切途切れずに続く。
二人はシュハールの事など歯牙にもかけていなかったという事だ。
ミーナ「そんな、そんな簡単に人を・・・」
エルザ「・・・」
ロック「二人とも、今のは仕方なかった、シュハールの目は完全に逝っていた、冒険者でも狂った仲間を自分の手で始末するのはよくある話だ、しかも今回は敵だった、寧ろ簡単に殺せるのに見逃してくれていたんだ、文句は言えない」
ミーナ「でも、躊躇もなく・・・」
ロック「ミーナ、もう、あのシュハールは魔物も同然だ」
さて、ナツミも集中しなくても完全に保てる様になったな。
ゼフィト「気付けばもう夜だな、お前達、今日は泊まっていくか?」
ロック「・・・二人共どうする?」
ミーナ「私は・・・お二人にお任せします」
エルザ「・・・ロックが決めて」
ロック「なら、俺が思うに、敵対しなければ奴に殺される事はない、と判断する、どうか泊めてほしい」
ゼフィト「ok、メイド達に適当な部屋を手配させよう」
元勇者グループを泊める事にした。2、3人増えたところで問題はないしな。
夕食、全員が集められ、食事が行われた。
ロック「ところで、あんたは一体何者なんだ?ただの魔物にしてはとんでもない強さだが」
ゼフィト「俺は魔物じゃなく魔族だ、そして四天王の一人だ、名前はゼフィト、種族は・・・白銀狼と言ったところか」
ロック「四天王!?」
すると三人が立ち上がる。
ゼフィト「座れ、お前らが例え元勇者のグループであったとしても今は客人、手出しはしない、というか俺は殆ど四天王の仕事はしてない」
ロック「・・・確かに、俺達がどうしたとしても、あんたに傷一つ付けられないだろうな」
夏美「傷を付けたら私が許さないけどね」
夏美が笑顔のまま殺気を放つ、俺が軽くペシッと頭を叩くと夏美は頭を手で押さえて涙目でこちらを上目遣いで見てくる。く、くそ、可愛すぎる。頭を撫でてやったら気分も良くなった様だ。
夜、寝る時間に俺の部屋にノックの音が響いた。開いてみるとミーナが立っていた。ミーナは扉が開くと少し怯えた様子だった。俺が何の用だ?と聞くと、深呼吸をしてこんな事を聞いてくる。
ミーナ「魔族にとって人間は何なんですか?」
ゼフィト「うーむ、一般的には魔族を滅ぼそうとする悪魔だな、勇者なんかは恐怖の代名詞として語り継がれている」
ミーナ「悪魔!?あなた方の方がよっぽど悪魔らしいです!!」
ゼフィト「俺達が悪魔か、それは見た目の話だろう?」
こいつは度胸があるんだろうな、仲間を殺した相手にそんな事を言えるなんてな。
ゼフィト「これはナツミにも話した事だが、俺達は元々お前達と同じ人間だ」
俺はナツミに話した事を同じ様に伝える。
ミーナ「そんな事が・・・」
こいつは何を思うだろう。
ミーナ「・・・ゼフィトさんは人間をどう思っているのですか?」
ゼフィト「俺か?単なる観察対象だ、ただの暇つぶしのための材料、それだけだ」
ミーナ「ナツミ様の事は、どうなんですか?」
ゼフィト「・・・愛する女だ、俺が初めて命を懸けて護りたいと思った唯一の存在だ、彼女の為なら俺は死んでも構わない」
ミーナ「・・・わかりました、ありがとうございました!!」
するとミーナは笑顔でお辞儀をして部屋に戻っていった。一体何なんだろうか。
そうしてまた一日が終わりを告げた。
今回も読んでいただきありがとうございます!!
ゼフィト「本当に見えくれてるかは知らないけどな」
夏美「ゼフィト!それは言っちゃダメ!」
いいんです、少しでも読んで頂ければ、少しでも楽しんでいただけたら。
ゼフィト「ところで、この小説はいつまで続くんだ?」
ネタが尽きるまでです。
ゼフィト「ならすぐか」
夏美「それも言っちゃダメ!!」
と、とにかく、次回もお楽しみに!!