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四天王と勇者、共に歩む。  作者: ていん
異世界まったり日常編
3/58

3日目

そういえばゼフィトの強さを書いていませんでした。ゼフィトは現世で最強の存在です、生あるものでゼフィトに勝てる者は存在しません。しかし神は中位神あたりからゼフィトのステータスを超えます。普通であればゼフィトに勝ち目はありませんが、ゼフィトの先祖の銀狼はフェンリルと呼ばれ、『神殺し』の異名を持っています。故にその神殺しの力もゼフィトには宿っています。よって神はゼフィトに対しては絶対に攻撃を仕掛けません、そしてその神の加護を持つ通常の勇者もゼフィトには勝てません。ゼフィトを倒せる可能性があるのは召喚された勇者のみです。現在は夏美ですが、まずゼフィトに攻撃するなんてあり得ませんね。


ゼフィト「さっさと終わらせろよ、こっちは毎回恥ずかしい目に遭ったんだから」

夏美「ま、また始まっちゃった・・・」


と、という事で今回もどうぞ!!

目を覚ますとやっぱり横にナツミがいた。じゃれ合ったまま寝てしまったんだろう。


ゼフィト「・・・ナツミ、起きるんだ」

夏美「んん」

ゼフィト「!?」


寝惚けた夏美はゼフィトに抱きついていく。


ゼフィト「な、ナツミ!!ストップ!ステイ!ステイ!このままでは俺のライフがゼロになる!!」

夏美「ん?あ、ゼフィト、おはよ」

ゼフィト「おはよう、取り敢えず離れてくれ」

夏美「んー?あ!ご、ごめん!!」


バッと離れる夏美、ゼフィトは深呼吸をして落ち着きを取り戻す。


ゼフィト「ふー、兎に角、今日から特訓開始だ、まずはレベルを上げよう、今はどのぐらいなんだ?」

夏美「えっと、16」

ゼフィト「・・・は?」

夏美「だから16」

ゼフィト「・・・そうか」


そうか、そうだったか。


ゼフィト「向こうの島は敵も少なくて弱くて平和なんだな」

夏美「え?そんな事はないよ?」

ゼフィト「言っておこう、今のレベルだとこの島の最弱モンスターにも勝てないぞ?レベル的に」

夏美「嘘!?」

ゼフィト「何せ、ここの魔物の底辺でもレベル45はある」


それを聞くと夏美は落胆した。orzの状態だった。


ゼフィト「はあ、本当だったらこれは邪道なんだが・・・手っ取り早く行こうか」

夏美「え?」

ゼフィト「さ、行くぞ」


ゼフィトは夏美をお姫様抱っこすると屋敷を飛び出した。


が、すぐに戻って来た。


ゼフィト「行くのは飯を食ってからにしよう」

夏美「よ、よくわからないけど、うん」


今日の朝食はご飯、焼き魚、野菜スープだった。



ゼフィト「さて、行こうか」

夏美「また突然!!」


ゼフィトはまた夏美を抱き上げると屋敷を飛び出した。


目的地は山の麓だった。


ゼフィト「ちょっとここで待っててくれ、すぐ戻ってくる」


side夏美


突然連れてこられたと思ったら私を置いて消えてしまった。どういう事?


夏美「ゼフィトの事だから何かするんだと思うんだけど」


その辺にあった岩の上に座る。すると辺りがいきなり暗くなった。


夏美「え、何?」


空を見上げると巨大な魔物が降って来た。


ゼフィト「ただいま」


その後から大量の魔物を引っ張って来た。


ゼフィト「こいつらは全て瀕死にしてある、後一突きすれば死ぬ」

夏美「あ、そういう事」


つまり、トドメを私に刺させる事によって私のレベルを上げさせるという事だ。


一匹立つ倒して行くと、頭にレベルアップの時になる音楽が幾つか重なったように鳴り続ける。と言うか頭が痛く鳴るほどうるさく鳴る。


夏美「ね、ねえ、こ、この、まも、のは、レベル、どの、ぐらいなの?」

ゼフィト「レベル850前後だな」

夏美「ほえ!?」


驚きのあまり手を滑らせて剣を落としてしまう、落ちた先にはまだ生きてる魔物の顔があり、グサッと刺さって死んだ。尚もレベルアップの音楽は鳴り止まない。私はゼフィトに促されて魔物を倒し続けた。


ゼフィト「よし、終わりか、レベルはどのぐらいになった?」

夏美「えっと、2431になったよ!?」

ゼフィト「さすが異世界人、超高スペックは伊達じゃないな」

夏美「え?」


高スペック?私別に召喚の時に神とかには合ってないんだけど・・・。


ゼフィト「実はな、この世界の勇者と異世界の勇者だと圧倒的に異世界の勇者の方が強い」

夏美「え!?そうなの?」

ゼフィト「ああ、今まででも数人見てきたが、どうやら根本的に違うようだ、というかこの世界の勇者も元々は一般人だ、つまりだ、異世界の人間は元から高スペックな存在だと考えられる」


ゼフィトが力説する。


ゼフィト「ちなみにこの世界の勇者というのは魔物から人々を守る為に神が人間を選んで、選ばれた者に神が力を与えるものなんだ、でも異世界から召喚された勇者はそれがなくても元々のスペックが高い、恐らく夏美も同じで低レベルでもかなり強かったんだろう」


うんうんと頷きながら話し続けるゼフィト。


ゼフィト「ここまででも強いんだが、最も大きい強さの要因は得られる経験値が大幅にアップする事だ、それによって直ぐにレベルが上がる、まあ、裏切る事が多いからあまり召喚される事はないけどな、それでも召喚はされている、それだけ異世界の勇者は強力だという事だ」

夏美「でも私達は元の世界では戦いなんて出来ない唯の一般市民だよ?」


そう、簡単に怪我するし、激しくダメージを受ければ簡単に死ぬ。


ゼフィト「これは俺の仮説だが、通常異世界の人間は体にリミッターのようなものがついてるんじゃないか?」

夏美「あ、確かに人間は3割しか力を扱えていないって聞いたような気がする」

ゼフィト「恐らくそのリミッターがこの異世界に来る事で解除されるんじゃないかと考えている」


そこまで言った所でゼフィトはゴホンと咳払いする。


ゼフィト「まあいい、取り敢えず力はつけた、次は技術の方だが・・・そっちも大丈夫そうだな、後は魔力操作の練習をするか」

夏美「魔力操作?そんなの必要なの?」

ゼフィト「滅茶苦茶大事、安定した魔力と安定しない魔力、同じ量の魔力ならどっちの方が威力が高い?」

夏美「当然、安定した方でしょ?」


当然よね、安定してる方が強いなんて。


ゼフィト「ああ、そうだ、威力は段違いになる、その上強力な魔法ほど難しくなる、よって魔力操作の練習は必須だ」


あ、よく考えればそうだ、基本は大事ってことね。


夏美「わかった、どうすればいい?」

ゼフィト「先ずは帰ろう」


sideゼフィト


びっくりした、レベルを上げた勇者がこれほどとはな。俺ほどとまでは行かないけど、他の四天王なら三人同時に相手しても完封出来るぐらいのステータスだ、恐らく魔王にも簡単に勝てそうだ。・・・それでも、まだ安心は出来ない、今の所俺に勝てる奴はいないと思うが、俺より強い奴はいる。そいつがナツミを狙わないとも限らない。ナツミは俺が守る。


屋敷に帰ってきた俺達は昼食を済ませて裏庭に出た。


ゼフィト「早速魔力操作の訓練だ、先ずは両手に魔力の玉を作り出してみろ」

夏美「こう?」


夏美の手からピンポン球サイズの玉が一つずつ出てくる。


ゼフィト「そう、ゆっくり大きくしていくんだ、形がギリギリ保てる所でストップだ」


すると夏美の魔力の玉はバスケットボールサイズで止まる。


ゼフィト「よし、そのままその辺に浮かばせておくんだ、後は形が崩れないように集中すること、集中しなくても崩れなくなったら玉の数を増やす・・・うん、もう一つ増やしても大丈夫そうだな」

夏美「わかった」


夏美はゼフィトに言われるままに玉をもう一つ出す。


夏美「んー、やっぱり地味だね」

ゼフィト「地味でも大切だからな、一応最終目標を見せておくぞ」


するとゼフィトの周りに魔力の玉が大量に出てくる、全てが夏美の玉より一回り大きく、そして完璧な球体を保っている。そして最後にゼフィトはその状態のまま浮遊魔法で宙に浮き、仰向けに寝転ぶ。完全にリラックスしていた。


ゼフィト「これが最終目標な」

夏美「・・・」


途中まで夏美は凄い!と見ていたが、今は得意げに揺れる尻尾やぴくぴくと動く耳に釘付けになっていた。


夏美(か、かわいい)


夏美は夏美であった。


日が暮れてきたから訓練を終わらせ、夕食にした。


夏美「今思ったんだけど、和食好きなの?」

ゼフィト「和食?は知らないが、これが俺達魔族の食文化だ、人間達はパンを好むようだが、俺達は白米を好んで食べる、味噌汁や魚は白米によく合うからな、たまに米と魚を出汁で一緒に炊く時もあるな、俺はあれが結構好きだな」

夏美「おお、炊き込みご飯!!いいね!!」

ゼフィト「そういえば召喚勇者は俺達の食文化を好む傾向がある、昔魔族の村を人間の村だと勘違いしてやってきた勇者が魔族の飯を食べて号泣していたのも見たことあるな」

夏美「あー、私達の世界ではこの米が主食なんだ、中にはパンが嫌いな人もいるし、多分その人もそれで、久々に食べた故郷の味に感激したんだろうね」

ゼフィト「夏美はどうなんだ?」


ゼフィトが耳をぴくぴく動かす。


夏美「私もご飯はだね、パンも嫌いじゃないけど時々食べるぐらいがいいかな、だから私も米を見てすごく嬉しかったよ!!」

ゼフィト「それはよかった」

夏美(うふふ、尻尾を振っちゃって、かわいい!!)

セバス「ご主人様、ご報告です」


突然のセバスの出現に夏美は飛び上がった。


夏美「び、びっくりひた」

ゼフィト「どうしたんだ?」

セバス「はい、魔王様からの伝言です、『この世界の勇者が魔界に来た、なっちゃんを狙いに来るかもしれないから気をつけて』との事です」

ゼフィト「わかった、下がっていいぞ」

セバス「はい、失礼します」


勇者が、ねえ、この世界の勇者が一体何の用かね。予想はついているけどさ。


side勇者


ここか、ここが魔界、そして、ナツミ様が囚われている島!!ナツミ様、今すぐこのシュハールがお助けします!!


sideゼフィト


ゼフィト「ナツミ、勇者がここに来たらどうする?」

夏美「説得してみるよ」

ゼフィト「それに応じず無理やり連れて行こうとしたら?」

夏美「勿論抵抗するよ、殺しはしないけど」

ゼフィト「俺に斬りかかって来たら?」

夏美「即斬首」

ゼフィト「流石俺のナツミだ」

夏美「じゃあもし、勇者が私を裏切り者として殺そうとして来たら?」

ゼフィト「消す」

夏美「流石私のゼフィトね」


俺はナツミが俺の事になると本気になってくれる事がすごく嬉しかった。今俺は今までで一番人生を謳歌していると思う。

はい、という事で勇者襲来ですね。


ゼフィト「あー、あいつか」

夏美「あの人ですか」


はい、あの人です。今回も見てくださり、ありがとうございました!!

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