1日目
どうもていんです。
夏美「えっと、ここはどこですか?」
やあ夏美ちゃん、ゼフィトとはどうかな?
夏美「えっと・・・////」
赤くなって、本当にアツアツだね。
ゼフィト「あ、ここにいたのか」
夏美「あ!ゼフィト!!」
とりあえず主役が揃った所で、二人それぞれに意気込みを。
夏美「え?なになに?」
ゼフィト「俺達の日常を世間に晒すんだと」
夏美「え!?」
いや!そうじゃなくて!あー、兎に角どうぞ!!
sideゼフィト
ようやく気づいた俺は、胸のドキドキが止まらなくなっていた。その上、少し前にナツミを押し倒した事を思い出し、羞恥でベットの上でジタバタしていた。
ゼフィト「俺のバカァァァァ!!よく考えればよくわかるだろうがぁぁぁ!!」
ドタバタ、恥ずかし過ぎる、これが恋愛というものなのか。恋は盲目とは聞いた事があるが、全くその通りだ。ナツミのことを考えると本当に周りの方が見えなくなりそうだ。
もうデレデレのドロドロにナツミにはまり込んでいるゼフィトであった。
side夏美
夏美はというと・・・。
夏美「は、恥ずかしいぃぃぃぃぃ!!」
メイドに部屋へ案内されるとベットでゼフィトと同じくジタバタしていた。思い出されるのはあの時の事。
『ふう、ゼフィト、今のは子作りじゃないよ、それにゼフィトが感じているものは発情じゃない、でもゼフィトが私に感じている事は、わ、わた、私もゼフィトに感じてる、ゼフィトがちゃんとわかってから、答えを聞かせてね』
夏美「ひやあああぁぁぁぁ!!」
今思い出しても恥ずかしい事を言っている。しかもカッコつけて外出た挙句迷子だなんて!!これが、黒歴史と言うのね。
ドゴンッ
暴れすぎてベットから落ちてしまう。
・・・
夏美「・・・そうだ、普通に接すればいいんだ、ゼフィトの事だから当分気付かないはず、それまでに気持ちの整理をつけないと」
今日からここで暮らすんだ。
そこにノックが響く。なんだろう、私は扉を開いた。扉の外には一人のメイドさんが立っていた。
「夕食の準備が出来ました、食堂まで案内致します」
夏美「あ、はい」
私は部屋を出た。
「そういえば申し遅れました、私はナツミ様の専属メイドに任命されました、猫人のシャルルと申します、シャルとお呼びください」
ネコミミメイドのシャルルさんは頭を下げる。
夏美「えっと、よろしくね」
シャルル「・・・ナツミ様、緊張なさってる様ですね、そういえばご主人様から異世界ではメイドは珍しい存在だと聞いています」
メイドもそうだけどネコミミもね。
シャルル「そう緊張なさらず、何なりとお申し付けください」
夏美「じゃ、じゃあ!耳触らせて」
シャルル「みゅ!?え、えっと、それは・・・」
顔を赤らめて俯く、あ、やっぱりダメ?
シャルル「その、耳を撫でると、気持ち良すぎて顔が蕩けてしまうんです」
夏美「ああ、主人や旦那さんにしか見せられないと言う事ね」
残念だな・・・猫好きだったのに、でも見てるだけでも癒されるわ。食堂へ向かっているとゼフィトがいるのを見かけた。大丈夫、普通通り。
夏美「ゼフィト」
ゼフィト「!?」
うわっ!!消えた!?ゼフィトは忍者だったのね。
シャルル「あんなに慌てたご主人様は初めて見ましたね」
夏美「・・・」
これは、うん、一瞬だけ顔が見えた。顔がタコみたいに真っ赤になってた。まさかその日に自分で気づくなんて。
シャルル「ナツミ様、わかっていると思いますが、ゼフィト様があの様な態度を取ると言うことは自分で気付いています」
夏美「うん」
シャルル「あの反応を見る限り、初恋です、どうか無下にはしないでくださいね、無愛想に見えて「うん、わかってる」・・・そうですか、もう何も言いません、お二人がお幸せになることを願います」
食堂に着くとシャルルは他の仕事に向かった。中に入ると・・・。椅子に縛り付けられたゼフィトがいた。
sideゼフィト
俺は執事のクリストから夕食ができたと言う報告を聞いて食堂に向かっていた。どうにもナツミの事が頭から離れない。
夏美「ゼフィト」
ゼフィト「!?」
横の道にナツミがいた、俺にはナツミが煌めいて見えた。物凄く可愛くて、物凄く愛しく感じる。心臓が爆発するんじゃないか?と思うぐらいドクドクと早まる。もう頭がおかしくなりそうだった。次の瞬間俺は駆け出していた。逃げてしまった。耐えられなかった、俺ともあろう者が、負けなしであったはずの俺は恋に負けた。
食堂についた。
ゼフィト「・・・クリスト」
クリスト「はっ、ここに」
ゼフィト「俺をこの椅子に縛れ」
クリスト「・・・なぜでしょう?」
ゼフィト「俺はさっき、ナツミを見るだけで逃げ出してしまった、このままではダメだ、これで縛ってくれ」
と、俺は縄を出す。
クリスト「お言葉ですが、その様な縄ではゼフィト様を縛る事は不可能だと思われます、無意識に逃げるのでしたら無意識で千切ってしまうでしょう」
ゼフィト「甘いな、これは俺特製の捕縛縄だ、これには俺の封印魔法がかかっている、俺でさえも簡単に縛ってしまう縄だ」
それを聞くとクリストは有無を言わせず俺を椅子に縛り付け、テーブルに向かわせる。全く、良く出来た従者だ。クリストが部屋を出て行くと、今度はナツミが入ってきた。ナツミは目を見開いた驚いていた。俺は高鳴る心臓をなんとか抑えようと奮闘していた。というかナツミを見られない。
ゼフィト「え、えっと、きょ、今日は良い天気だな!!」
夏美「えっと、外雨降ってるよ」
ヤバい、自分でも何言ってるのかわからない。
夏美「ゼフィト」
ゼフィト「な、なんだ?」
夏美「落ち着いて、深呼吸」
ゼフィト「・・・スーッ!?」
良い匂いがする。これが、ナツミの匂い。
夏美「ど、どうしたの!?」
ゼフィト「・・・大丈夫、なんとか落ち着いた」
ナツミの匂いを嗅いだら落ち着いた。俺は変態か何かか。
ゼフィト「ふぅ、ナツミ、俺の答えを合わせてくれ」
夏美「は、はい」
ゼフィトはまた深呼吸をする。
ゼフィト「ナツミ、俺は、お前に、惚れている」
夏美「・・・」
ゼフィト「お前と一緒にいると、こう、凄く幸福を感じる」
ゼフィトの声が震えている。
ゼフィト「お前の事を、もっと知りたい、独り占めにしたい」
夏美「・・・」
ゼフィト「だから、俺と、共に生きてくれ、ずっとそばに居てくれ」
俺は知らぬ間に目を閉じた、告白がこんなにも怖いものだとは知らなかった。本当に、俺もまだまだ世間知らずの餓鬼だな。
side夏美
告白を受けた私は今にも鼻血が噴き出しそうだった。自分の思いを懸命に伝えようとするゼフィトが可愛すぎて、いつも冷静そうな彼が見せる弱い所、そのギャップに私は完全に堕ちていた。
夏美「それじゃあ、次は、私の番だね」
ゼフィトの喉が微かに動く、相当緊張している。
夏美「私は勇者、でも、もう勇者は続けられない」
だって。
夏美「だって、敵として戦うはずだった相手に惚れてしまったから」
だから。
夏美「私も、ゼフィトと一緒にいたい、ゼフィトの事をもっと知りたい」
私はゼフィトに近付き、縄に手をかける。
ゼフィト「ナツミ、今は解かない方がいい、たぶん、今解いたらナツミに襲いかかる」
夏美「ゼフィトになら、いいよ」
私はゼフィトの縄を解くと、ゼフィトは私に飛び掛かり、頭を擦りつけてくる。
ゼフィト「ナツミー、ナツミ〜、大好きだ〜」
まるで子供が親に甘えるように、可愛い声を上げる。そんな彼に私は興奮を抑えきれず、ついには鼻からたらりと出てくる。
その後は一心不乱に戯れあった。耳や尻尾を撫でまわした時のゼフィトは本当に可愛かった。
自分の部屋に帰ろうとした時、ゼフィトが私の服の袖を掴んで。
ゼフィト「一緒に、寝よ?」
夏美「!!」
これに私は勝てず(勝つ気も湧かず)、ゼフィトの部屋で添い寝する事になった。もう甘える彼に勝てる気がしません。
夏美「あー!!こんな所を見られるなんて!!」
ゼフィト「あー、懐かしいな・・・」
夏美ちゃんは顔を隠して真っ赤になってる。ゼフィト君は遠い目をしてるね。
ゼフィト「俺はもう諦めた」
夏美「恥ずかしいぃぃぃ」
次もあるよ、多分。
夏美「え!?あの頃の私はどんな事を話してたっけ!?」
ゼフィト「あー、うろ覚えだけど」
夏美「え!なになに!?」
ゼフィト「次も恥ずかしい事になると思う」
orzの夏美ちゃん。という事で、次回も楽しんで頂ければ幸いです。
ゼフィト「次もよろしくな」
夏美「うう・・・ゼフィトー」