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ガーディアン・レポ シリーズ

ガーディアンルポ05短編「クアイアーボーイズ」地球は絶滅の縁にあり。敵「ROW」は、生命体ミサイルを発射。意思を持つ地球の「生物機雷」が人類戦士として。敵とであった彼はいかに

作者: 飛鳥 京香

地球は絶滅の縁にあった。この新生地球人類の前に立ちふさがったのがROWだった。


彼らは新人類に戦いを挑み、戦闘は果てしなく統くように思われた。

敵「ROW」ははるかかなたから、地球に向け、生命体ミサイルを発射していた。敵「ROW」の生体ミサイルを地球の生存圏から守るために、意思を持つ「生物体機雷」が設置された。彼らは、[クアイアーボーイズ]と呼ばれた。


その「生物体機雷」[クアイアーボーイズ]一人の内省と短い一生の物語。


●山田企画事務所・飛鳥京香 サイト などより転載。http://plaza.rakuten.co.jp/yamadas0115/

飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

ガーディアンルポ05「クアイアーボーイズ」

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/


■「7人の友情」というふざけたネーミングの「生物機雷」設置船のブースターの炎が、地球に向かって降っていった。


これで、俺 M113-012の定位置も決まりだ。


「生物体機雷」設置船の中からアリスママが、俺たちに向かって手を降るのが、内視できた。

俺の今回の仲間は240名だ。効率の良い数らしい。


「7人の友情」の地球から上昇中も、「聖歌」は俺たちの聴覚に聞こえていた。

俺たちの仲間の「聖歌」は耳に残り、心を揺さぶる。


ようやくおち着いた俺は、視覚装置であたりを見渡す。

周りはすべて闇。

背後には地球光。


他の仲間との通信接触は禁じられている。

全くの孤独。


自分から言葉を発することもできない。

敵「ROW」に察知されるからだ。


敵「ROW」と遭遇するまで、眠るこことも休むこともない、

無限の沈黙が続く。

 

「生物体機雷」設置船「7人の友情」から投げ出された時から、この宇空間から外れることは許されない。


意識が継ぎれることなく、宇宙の監視が続く。敵RMが飛ばせる生体ミサイルを防ぐまて。


僕たちは[クアイアーボーイズ]と呼ばれた。

地球を守るために選ばれた意識。

僕達の死ぬ瞬間、泣き声ともつかぬ「音」を発する。


その音は地球のどこでも聞こえた。人類は、それで俺達の存在と死ぬ瞬間を知る。

その音は、ある種の聖歌を思わせるらしい。その聖歌隊、つまりクアイアーボーイズと

俺たち「生物体機雷」は呼ばれた。


 敵「ROW」もはるかかなたから、生命体ミサイルを発射する。

それに対抗すべく地球連邦軍が考えだしたのが、クアイアーボーイズだ。


そのROWミサイルをいち早く発見し、処理するのが俺たち、クアイアーボーイズに与えられた任務だった。

生体ミサイルは思考能力をもつ。


役割?。


それは生命体ミサイルに対抗して、彼らを地球圏内に突入までに処理すること。

いわば相打ちだ。


 俺たちクアイアーボーイズは、地球人類の科学が生み出したバイオノイド。

地球人の細胞から生み出された生物機械。


俺たちの意識の奥には、君たちが失敗すれば、アリスママをはじめ「親」が死ぬという刷り込みがされている。

親を叔うために自分が犠牲にならなくてはという動機づけだ。


 『僕達がいるのは地球を守るためではない。地球人を守るためでもない。


そう、アリスーママ、俺たちはあなたを守るために、この宇宙という大いなる暗渠にいるのだ』

アリスーママ、つまり私の生命の源、顔を覚えている!



俺M113-012は、飛来してくる生体ミサイルをついに認知する。


自分の終わりの時がやっと来たのだ。


何の恐れもなかった。

あるいは、死ぬことは安らぎかも知れないと想った。


この孤独にくらべれば。  

   

 再び、周りを見る。


仲間のクアイアーボーイズの亡きがらが、1セット240人の仲間。

240人の仲間が周りに浮遊している。


失敗すれば、自動的に監視ステーションが不良品として俺たちの生命抹殺を行う。


 俺は待ち構えている。

が、俺は一瞬、この敵「ROW」の生命体ミサイルに近しいものを覚えていた。


彼らも思考能力をもっている。


「ROW」の生命体ミサイルも、はるか遠い星から雅味を目掛けてくる。


ただ破壊のために。母星に帰れることなどなく、

地球を攻撃し、成功した_ところ分栄光があるわけではない。


ただ死が待っているだけだ。


彼らにとっても死は甘美な瞬間かもしれない。


 接触。

なま暖かいものが感じられる。

何かの意識が、俺の意識に呼び掛けてくる。


「まさか、君もそうなのか」

俺より、先に、相手の意識が割り込んできた。


ああ、俺の同じ生命体がここにいたのだ。

ROWのミサイルも生体ミサイルだ。生きている思想をもつミサイルなのだ。

俺の意識が消え去るまで意識で語ろう。


お互いに短い問の生命だ。


俺は言う

「なあに、短い間だ、俺と君が、燃え尽きるまで俺の話を聞いてくれ」


敵「ROW」の生体ミサイルが答える。


「ああ、私も、この地球への長い航海の中で安らぎが欲しからた。語ってくれるか。この私のために地球の話を、、」


 俺達は、相手を滅ばすために、抱き合いながら、地球の引力圈へと落ちで行く。

 俺の語りは「高速度コミュニケーション」で、俺と彼の問で行われる。



そうか。

俺はきづく。


聖歌は、、、

このコミュニケーションの瞬間に発する

データ交換の音だったのだ。


そして、

ひとつの聖歌は、、やがて終わる。


(ガーディアンルポ05短編「クアイアーボーイズ」完)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

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