EP1-3 流体紅剣クライングブラッド
その部屋を一言で表すならば、ボロボロであった。建物自体が古いのだからそれもおかしくはないが、ベッドを含めた室内の備品まで例外なく使い古されたものばかりだ。
ボロベッドではアルトが体を横にしていた。目を覚ましたのは少し前だが、窓から差し込む日差しが暖かくのんびりするにはいい場所だった。もう少しまどろんでいたい。アルトの思惑は他ならぬ相棒の手によって砕かれる。
「おはよーアル。今日は如何す……まだ寝てるのー?」
勢いよく扉を開けたのはラーナだ。その後ろには鍵を持たないラーナに代わって予備鍵で扉を開けたニコがいる。
「朝から騒がしいな。起きてるよ」
「そんな状態で言われてもねー。体起こしなよ」
ラーナに言われ、アルトは渋々体を起こす。
「じゃあ改めておはよう。目は覚めてる?」
「おかげ様で」
体を起こして壁にかけられたロングコートに手を伸ばした。続いてロングコートを羽織り胸元に金十時を、腰に刀身のない剣と細身の剣の二本を身につける。
「じゃあ行こうか」
その言葉に従ってラーナが部屋を出る。アルトも後に続いて部屋を出ると、部屋の扉に鍵をかけた。
「ニコはカウンターにいなくていいのか?」
「今日は母ちゃんの調子が良くてさ。自分がカウンターに入るって聞かないんだ」
「そうか。ラーナに無理やり連れて来られたんじゃなくて良かった」
「ちょっとーそれ如何いうことよ」
「そのままの意味だ」
「信頼ないな、もう」
三人が一階に下りると降りればそこはもういつも通りの客のいない、がらりと広い寂びれた酒場がそこにある。違うところがあるとすれば一つ。カウンター内にニコの母親の存在だった。
「あらニコ。お客さん起こしてきてくれたのね」
カウンターにいる女性はニコに優しく微笑みかける。病的な肌の白さと細すぎる肢体が彼女が健康体でない事を告げているが、声ははっきりしたもので病を患っているとは感じさせない。
「母ちゃん。無理すんなよな、また倒れたら苦労するのは俺なんだから」
「分かっているわ。心配しないで」」
苦言を呈するニコだがその表情は何処か嬉しそうだ。
「怪しいけど……とりあえず信じるよ。それじゃあ俺仕入れ行って来るね」
そう言い残してニコは店から出て行く。三人はそれを見送り、アルトが口を開いた。
「仕入れ? 朝からですか」
「ええ。そちらのお嬢さんがよくお召し上がりになるので。それとごめんなさいね神父さん、朝食分の仕込みはもうないの」
女将は申し訳なさそうな顔をしてアルトに頭を下げる。この言葉に嫌な予感がアルトを過ぎった。
「それは……何もないということですか?」
後ろに控えるマーナをチラリと見れば、吹けもしない口笛を吹く真似をしながら視線を彷徨わせている姿がある。アルトにはこの時点で全てを察した。
「ニコからよく食べると聞いていたのでお店で一番大きい鍋でシチューを煮込んだんですけど足りなかったもので。優に二十人前はあった筈なんですが」
「そ、そうですか……では外で済ませる事にします」
「本当にごめんなさいね」
女将の言葉を聞き終えたアルトはマーナと連なって宿を出る。その後ろからいってらっしゃいの声が聞こえてきた。
いつもより足早に歩くアルトの様子を窺いながらマーナは後ろについていた。声をかけずについていくのは、怒らせたかと思ってのことだ。しかし表情を見たかぎりでは分からない。マーナが声をかけるべきかかけざるべきか悩んでいると。
「お前が大食らいなのは知ってるから気にしてない」
アルトの方から口を開いてきた。
「でも、足速いじゃない。いっつも私のペースに合わせて歩くくせに」
本当は不機嫌なんでしょう。そう遠回しに問うと、アルトはふと気がついたように歩みを遅める。早足であったことは無意識であるらしかった。
「怒ってたわけじゃない。ただ……」
「ただ?」
息を漏らし、言葉を止めたアルトにただならぬ気配を感じてマーナはただ同じ言葉を繰り返し言葉を待った。
「昨日の晩、俺の食事半分以上取っただろう」
ようやく搾り出された言葉。空腹、それは単純だが切実な問題である。
「あー……そうだったねー。でもほら、私燃費悪いし」
「能力行使したわけでもないのにか? それに、ウィスは何人も知ってるが人間と比べて燃費が悪いなんて聞いた事もないぞ」
「私も聞いたことないわねー。皆がおかしいんじゃないの?」
例外がマーナだけなのだから如何考えてもお前がおかしい。アルトはそう思いつつも言葉にすることはなかった。
マーナが食に対して並々ならぬ執着を持っているのは出会った頃から一貫したことであるし、もう少し何とかならないのかと問いかけたことは一度や二度ではない。それでも変わらないのだから仕方がないのだとアルトは考えている。
確かに懐は痛む。安い食事でも量が嵩めばけっして馬鹿にならないのだから。当初は任務途中で金欠に陥るという実害もあったが、今は事情を理解してくれる優しい上司に恵まれたこともあり殆ど害はない。寧ろ肝心な場面で空腹で動けない……そんな事態を考えれば、食べたがるだけ食べさせればいい。そんな悟りすら開いているアルトだった。
「今日は如何するの? 昨日は街中をざっと見て回ったけど」
「会わなければいけない人がいる。朝食済ませたらそこに向かうつもりだ」
街の南地区端の端。南西部に戦渦に巻き込まれたかのようにボロボロでありながら、人が住まうのに最低限問題ない程度に修復された民家が多数ある。
殆どの住民は出ていき、空き家となっているそこにはスラムの住民が住み着いていた。街の住民すら近寄らず、スラムの人間以外が入り込まぬその場所に三人組が立っている。それぞれが右腕に巻いた赤、青、黄のバンダナが特徴的だ。
「おい爺! ここにいるの分かってんだ! いい加減観念しやがれ!」
赤いバンダナを巻いた中央の男、オウルは木製の扉を勢いよく叩きながら叫んでいた。扉は叩かれるたびに軋み音を立てており今にも壊れそうな勢いだ。しかし家の中からは何の応答もない。
そこへ、アルトがマーナを連なりやってくる。
「何をしている?」
如何見ても住民に友好的ではない男達に対して、アルトは威圧するように問いかけた。
「見りゃ分かんだろ、ここに住んでる爺に用が……ん?」
思い通りにことが進まず少し苛立っていたオウルは、やや時間を置いてアルトの言葉に反応を示す。ゆっくりと振り返るその男とは対照的に、左右に立つ男達は素早く振り返った。
「お前等あんときの」
まず口を開いたのは黄バンダナを腕に巻いたギムだ。彼は二人を見て驚きの声を上げる。
「折角関わらずにすんだと思ったのに結局関わるのか。だからこの仕事断わろうって言っただろ」
「うっせえぞゼル! お前そんなこと一言も言ってなかっただろ!」
オウルは青バンダナの頭を勢いよく叩き、アルト達へとその視線を向けた。残る二人もそれに習うように視線を移す。
「お嬢ちゃん久しぶりだな。ここは女子供が保護者同伴で来る場所じゃねえぜ」
「えっと……」
男の問いに戸惑うのはマーナだ。まるで知り合いのように話しかけてくる彼等であるが。
「誰?」
マーナにはまるで見覚えがなかった。久しぶりと言う以上は以前に会っているはずだが記憶にない。しかしそれも当然だった、マーナは彼等を一度として視界に捉えていないのだから。
「おいい!? ボロ宿でナンパしただろ、忘れたとは言わせねえぞ!」
「ボロ宿ってニコのところ? 私あそこで他のお客見たことないけど」
「いや待てマーナ。初入店時に男が三人いただろう」
教会からの帰りに勢いよく飛び出してきたから覚えているとアルトは付け足す。
「それで。ナンパ師が何故こんなところにいる?」
「傭兵だ! ここへは仕事出来ただけで……あ」
慌てて自らの口を塞ぐオウルだが既に手遅れだった。傭兵が私用ではなく仕事でこの場所にいる意味、それを理解出来ないアルトではない。
「チョロいな。そのまま依頼人と依頼内容まで明かしてくれると助かるんだが」
「い、言えるわきゃねえだろ!」
「そうだそうだ! 俺達がライゼンオルドの旦那からノクバルの爺を連れてくるように命令されてるなんて言うわけないだろ! あ、命令してきたのはザムギールの」
ギムが言いきるより前に、オウルがギムを張り倒すが既に手遅れなんてレベルですらない。全て喋りきった後である。
「全部話してるじゃねえか! これ帰ったら俺等始末されるんじゃ」
オウルは天を仰いで頭を抱え、ゼルはその場にしゃがみこんで頭を抱えた。
依頼人をばらすのも、依頼内容をばらすのも、傭兵として決してやってはいけないことだ。もしこれが広まればどうなるだろうか? 当然仕事など貰えなくなるだろう。そもそも、現在の依頼人が自分達を許してくれるとも限らない。首を括るしかないのか……悲壮な覚悟を決めかけたその時、オウルに天命が走った。
「ギム、ゼル、戦闘準備だ」
抜刀して剣を構えたオウルに、二人は怪訝な顔をしながら後に続いて抜刀する。
「いいか。依頼人を聞いたのも、依頼内容も聞いたのもあいつらだけだ。俺が言いたいことは分かるな?」
その一言に納得がいったと、二人も剣を構える。
「つーわけだからよ。死んでもらうぜ」
「殺すというなら抗わせてもらう。因みに、術騎士及びウィスの殺害……こっちの方が不味いと個人的には思うんだが」
細身の剣を抜きながら冗談めかして言うと、三人はそこを考えていなかったのは沈黙した。が、それも一瞬のこと。
「ばれなきゃいい。俺達は何処にでもいるような格好の傭兵だぜ?」
個人の特定までされない限りは問題ない。暗にそう告げるオウルに、アルトも覚悟を決めて戦闘の姿勢を取った。対してオウル、ギム、ゼルの三人はアルトを囲むように動く。輪の外側にいるマーナへの警戒も忘れていない。
「マーナ、一人」
「ああうん。頑張って三人とも倒してね」
一人頼む。そう言いかけたアルトにマーナは興味なさげに言うと、近くの民家に背中を預けてしまった。
「なんだ仲間割れか? それとも、俺等三人程度一人で十分ってか? 傭兵会に勇名轟かす三色鴉の相手に」
「一人じゃ少し荷が重いな。ところでその三色バ鴉、勇名はおろか初めて聞いた名前だぞ。本当に轟いてるのか?」
知らない名という事実を挑発に用いると、ゼルは大声を突っ込んだ。その剣を大きく振りかぶったその攻撃は隙の大きかった。直撃を貰えば、下手すれば一撃で死にかねないそれをアルトは軽くいなした。
いなされ、体勢を崩したゼルに繰り出すのは自慢の突きだ。鎧や武器ごと叩ききるゼルの攻撃とは違う、人体の急所をピンポイントで狙う必殺の一撃が露出した首へと迫る。取った……アルトがそう確信するよりも早く、突きの攻撃線上に横幅のあるギムの剣が差し込まれ攻撃を防いだ。
下手すれば命を失っていたかもしれない。その直後だというのに、ゼルは防御を考慮せず闇雲に剣を振るってくる。素人目から見て尚、隙だらけにしか見えぬ攻撃をアルトはいなしてはかわしていく。初撃とは異なり、アルトは大きく踏み込んでの反撃は行わない。その原因は他の二人にあった。
ギムはゼルの側面に位置し、アルトが攻撃を繰り出せば防ぐだけ。インターセプトすること徹しており後一歩を踏み込ませない。残るオウルは隙を見つければ攻撃を、ギムの防御が間に合わないとみれば防御に剣を繰り出し攻防に渡り二人をフォローし続ける。
両者共に傷を負っていない状況ではあるが、三人で攻防を分担している三色鴉に対してアルトは一人で攻防を。更に受けきれぬとなれば大きく体を動かしての回避まで行っている。体力の消耗、その差は歴然だった。
「厄介な」
思わずアルトの口から言葉が漏れる。
三色鴉を名乗ったこの三人。渾名は自称でしかないし、一人一人の腕前という点では並よりは上程度である。しかし、それでも二十年近く傭兵家業をやってくれたことには理由があった。
敵一人には三人がかりで消耗を強いり、複数であれば三人が背を合わせて守りに徹する。彼等の戦い方は敵を打ち倒すそれではなく、自分達が生き残るか時間を稼ぐことに特化している。故に敵将を討った等の戦果とは無縁であり、戦いに参加しても雑兵を幾らか討ち取る程度のことしかしてきていない。 ただ、大きな負傷もせず長い年月を傭兵として過ごしてきた身を守るための連携。この技術だけは人並み外れたものであることは間違いなかった。
「苦戦してるなー」
四人の戦いを見ていたマーナは壁から背を離し、ジャケットの袖口に隠した数本の針を取り出すと三色鴉に向かって投擲する。
「ぬお!?」
「痛ってえ!」
「あぶねえなおい」
突然予定外の攻撃をうけた三人の反応は様々だ。攻撃しようと踏み込もうとしていたゼルは眼前を通り過ぎたことに驚いて声を上げ、肩に肩の刺さったギムは突然の痛みに思わず叫んでいた。唯一マーナを視界の端に捕らえていたオウルだけは手にしたその剣の腹で針を防いでいる。
アルトはこの隙を好機とは見ずに離脱。マーナの横へと並んだ。
「大丈夫アルト? 仮にも私のご主人様なんだからもうちょっと頑張ってよー」
「一人頼もうとしたのに後ろに引っ込んだのはマーナだろう。二人なら何とかなった。多分」
「断言しないんだ」
「チャンバラはそれ程得意じゃない。知ってるだろう」
やりとりをしながらアルトは深呼吸をして息を整えていく。そこへゼルとオウルの二人がにじり寄っていく。
「乱入とは中々やってくれるじゃねえか」
「流石に主人がやられるっていうのは、ウィスとしても人としても許容出来ないからねー」
あっけらんとした様子で言ってのけるマーナに、二人は一歩後ろに下がった。ウィスの強さは知っている。個体差は勿論あっても人を超える力を持つことだけは共通しているのだから。
先程の天啓にミスだったのかもという考えがオウルに浮かぼうとしていると。
「まーこれ以上介入するつもりはないけどね」
「何?」
先の劣勢。主人が危険と判断しての乱入をもうしないとは如何いうことか?
「なら次はその男が殺されてるところを見てるんだな!」
割り込んできたのは針を引き抜き、傷口にトレードマークたる黄色いバンダナを巻きつけたギムだ。パーソナルカラーである黄色のバンダナは、血により一部赤に変色している。
本気で言っているらしいギムにマーナは楽しそうに笑った。
「それは無理。だってアルト抜くでしょ……抜いてよ」
「一緒に戦ってくれるって選択がないならそうしようか」
刃のついた剣を納める代わりに、アルトが手にしたのは刀身が欠如した剣だった。否、刀身がない以上剣と呼んでいいのか分からない何かだ。
三色鴉はその日一番の危険を感じ取っていた。それは知識として有しているからであると同時に感覚から来るものだった。シリント教会の神殿騎士達、その精鋭とされる術騎士が術騎士たる……その由縁。
「流体紅剣クライングブラッド、術式解放」
アルトの言葉に従い、刀身なき柄は呼応を始めた。
柄に取り付けられた紅き石は溶け、同色の液体へと変貌し周囲へと渦巻く。次第に形作るのは血の如き紅い刀身だった。その刀身は向かい側を窺い知るほどの極薄で儚いもの。
精霊兵装……シリント教が誇るその武装は、ウィスの手によってのみ作ることが出来る物だ。厳密に言えば人間でも器を作ることは出来る。しかし武器の特性に合わせた精霊を宿し、精霊が力を発揮するためのエネルギー源。精霊力が補充可能なのはウィスだけだ。
「不気味なもん出しやがる……けどな、そんなうっすいもんで俺の防御が崩せるかよ」
「そんな剣じゃ受けることも出来ねえしな」
術騎士の表徴ともいうべき武装の解放。ギムとゼルは警戒しつつも優勢であることに変わりはないはずだと考えている。しかしリーダーたるオウルは真逆の事を考えていた。
「こちらから行く」
オウルは傭兵仲間から教会の術騎士が持つ精霊兵装の噂を聞いたことがあった。大半がそんな馬鹿なものが存在するかと一蹴出来るようなくだらない内容。酒のつまみ程度に聞いていた一つに、剣を振るうしか能がない自分達では対処出来そうにない存在がある。もしそれが目の前にあるものであったら不味い。オウルは知らず知らずの内に叫んだ。
「避けろギム!」
アルトの動きは精霊兵装を開放する前とは格段に違っていた。踏み込みの速度、そして剣を振り上げる速度。そのどちらもが先の動きからは想像出来ない域に達している。ギムが反応出来たのは偶然の産物だった。避けることが出来たわけではない。咄嗟に剣を防御のために構えただけだが。
剣が宙を舞っている。それは防御したギムの持つ剣だ。やや後ろから見ていたオウルは剣を弾かれたと考えていたが、剣を持つギムだけは何故という想いだった。
自分は剣を手放してなどいない。自分の手には確かに剣が握られている。なのに何故剣が宙を舞うのか。宙に向けていた視線をゆっくりと下ろす。そこには剣を振りあげたアルトと、刀身を根元から失った愛剣の姿がそこにあった。
「まずは一つ」
慌てて後ろへと下がるギムを他所に、アルトは振り上げたクライングブラッドを続けて横へと薙ぐ。そこにいるのは舞う刀身を唖然と見つめるゼルの姿。
「これで二つ。そして」
ゼルの剣を切り裂き、最後に目を向けたのは少し離れたところでこちらを凝視していたオウルだ。クライングブラッドの刀身は70cm程しかなく、2mは離れているオウルには踏み込みなしで届くものではない。しかしアルトはお構いなく剣を振るい。
「ラストだ」
オウルの剣は切り裂かれた。クライングブラッドの刀身は鞭のようにしなり、伸びてオウルの元まで伸びていた。しかしそれも一瞬のことで、今はただの刀身へと戻っている。
「液体を刀身とし万物を切断する剣……実在したのか」
「そこまで多くを切れるわけじゃないさ。しかし液体を刀身とし自在に操ることは出来る。それが流体紅剣クライングブラッドの力だ。で、まだやるつもりか? 逃げるのなら追わないが」
予備武器として短剣を仕込んでいるが、このまま戦っても勝てる要因はない。三人は自然とその考えに至り顔を合わせた。
「三色鴉を逃がしたこと、必ず後悔するぞ」
オウルはそう言い残し、二人を連なってその場から去っていく。マーナはそれを見届けるとアルトに駆け寄った。
「最初から抜いてれば圧勝だったのにねー」
「まあな。けどそれは」
「態々言わなくても分かってるわよ。それじゃ、さっさと用事済ませましょう」
予定外の事態があったがそれは終わったと、二人は当初の予定通りノクバルの家の扉を叩いた。
傭兵三人組ギム、ゼル、オウルとの戦闘でした。ただの噛ませの予定だったんですが思いのほか強くなってました。名前の由来はkill them allです。執筆時聞いてたアニメOP集は関係ないです。肉体言語使う魔法少女なんていません。
当初はキム、ゼル、アウルだったんですが直前で変えました。キムはファンタジーっぽくないし、アウルはアルトと字面が似てたので。もしかしたら修正しきれてない場所があるかもしれないのでその時は見逃して下さい。




