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9 VS序盤のボス敵

 あれ? 『炎熱の洞窟』にこんな敵いたっけ?

 いや、いなかったはず――。

 だいたい、もしノワールドラゴンが生息しているなら、Eランク冒険者には依頼を受けられないような高ランククエストとして指定されてるはずだ。

 ということは――こいつはイレギュラーなボス敵ってことか……?


「なんて化け物なの……!」

「おいおい、あんなの勝てっこねーぞ……!」

 レオナたちパーティは顔面蒼白だ。

 確かに普通の冒険者パーティなら、とても無理な相手だろう。

 たぶん最強のSランクパーティであっても。

 だけど俺には最強の仲間たちがいる。

 どんなモンスターが相手でも、神獣が味方にいる限り負けはしない。

 そしてもう一つ――。


「ノワールドラゴンか……いかに神獣の我といえど、あいつはちょっと厄介だぞ」

 ルシアが顔をしかめる。

「私も、足が万全なら――」

 フィーネが眉を寄せる。

「大丈夫だ。俺が指示を出す」

 と、二人に向き直る俺。

「主……?」

「奴には弱点があるんだ。そこをついて勝つ――そのための戦術を、俺がお前たちに授ける」


 グルルルル……!


 うなり声を上げて、俺たちを威嚇するノワールドラゴン。

 俺はひるまず、冷静に奴の動きを観察する。

「奴はブレスを放つ前に体全体を仰け反らせるようなモーションを取る。そのときに喉元に攻撃を叩きこめ、ルシア」

「む……了解だ」

 ちょうどその瞬間、ノワールドラゴンが体を大きく仰け反らせる。


「【ドラゴンブレス】!」

 すかさずルシアが俺の指示通りに攻撃を放った。

 閃光のブレスがノワールドラゴンの喉元を直撃する。

 そこは唯一、強固な鱗で覆われておらず、大ダメージを与えられるポイントだ。

 ノワールドラゴンは絶叫とともに大きく後退した。

 動きが明らかに鈍っている。


「フィーネ、翼の付け根を攻撃! 弱った状態だと背後への警戒が薄くなる、そこを突け!」

「分かった」

 うなずい、フィーネは神速で駆け抜けた。


 ざしゅうううっ!


 超スピードでノワールドラゴンの背後に回り込み、【爪撃】で左右の翼の付け根に斬りつける。

 ノワールドラゴンはさらに絶叫した。

 動きがさらに鈍る。

「いけるぞ。後は総攻撃だ!」

 俺の指示にルシアとフィーネが角や爪で攻撃し、レオナたちもそれぞれ攻撃を加える。


 強敵相手とは思えない一方的な展開――。

 俺たちは楽勝に近い形で、ノワールドラゴンを屠ったのだった。




「勝った……の?」

「ノワールドラゴンを……こんなにあっさりと……」

 レオナたちが信じられないといった表情で、倒れたドラゴンと俺たちを交互に見ている。

「大丈夫って言ったろ?」

 俺はドヤ顔になった。


「すごい……! すごすぎるわ、アルクくん!」

 レオナが興奮した様子で俺に駆け寄ってきた。

「君は一体何者なの!? ただのテイマーじゃないでしょう?」

「ただのテイマーだよ」

 俺はニヤリとした。

 まあ、神獣の力とゲーム知識のおかげだ。


「ダンジョン最深部まで踏破したし、後はノワールドラゴンの素材を入手して帰ろう」

 なにせ序盤のボス敵の素材だ。

 持って帰れば、きっと高額で売りさばけるはず。

 嬉しすぎる臨時収入だった。

「――待って。主、あそこの壁が何かおかしい」

 フィーネが部屋の奥の壁を指さした。

「えっ?」

 近づいてみると、確かにその壁だけ他と色合いが微妙に違う。

 たぶん材質が違うんだ。

 軽く叩いてみると、コンコンと軽い音がした。


「隠し通路……?」

 モンテマにはこの手の隠し通路がところどころにあるけど――。

「行ってみるか」

 隠し通路の奥には、だいたいレアアイテムか、あるいはレアモンスター殿遭遇など、かなり美味しい特典があるのだ。

 俺はワクワクしながら壁を押した。

 ルシアやレオナたちにも手伝ってもらい、全員で押し続けると、


 ぎぎぎいぃ……。


 軋んだ音を立て、壁の一部が倒れて、その奥に通路が現れた。

「隠し通路じゃない」

「どんなお宝が眠っているか――行ってみよう」

 俺は期待に胸を膨らませ、通路に足を踏み入れた。




 通路の先は、さほど広くない円形の部屋に続いていた。

 部屋の中央に、黄金の光を放つ何かが見える。

 暗闇に慣れた目には、まぶしすぎる――。

 徐々にその光に慣れると、段々と光を放つものの姿が見えてきた。


「あれは――」

 鳥だ。

 黄金の輝きに包まれた美しい鳥が、力なく横たわっていた。

 その輝きは弱々しく、今にも消えてしまいそうだ。

 それでもなお目にもまぶしい光を放つそれは――。


 間違いない、神獣の【不死鳥(フェニックス)】だ!


 まさか、こんなところで三体目の神獣に出会えるとは……。

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