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6 最強パーティへの道

 そして、帰り道――。

 行きとは違い、俺の両隣にはルシアとフィーネがいる。

 すごく頼もしいし、仲間が増えたことが嬉しい。


「なんだ、主。さっきからニヤニヤしておるではないか」

 ルシアが怪訝そうに俺を見る。

「いや、頼もしい仲間が増えて嬉しいなって」

「ふん。特に我は頼りになるからな!」


「……どうかな。破壊力は君の方が高いが、速度は私の方が上だぞ?」

「むむ、新参者が生意気な」

「事実を言っただけ」

「ぐぬぅ」

 ばちばちばちっ。

 あれ? なんか意外と仲悪い……?


「ま、まあまあ。二人ともそれぞれ優れた面があるってことじゃないか」

 俺は慌てて二人をなだめた。

「最強の破壊力を持つルシアに、神速のスピードスター、フィーネ。二人そろえば誰にも負けないだろ。頼もしいよ」

「なるほど……二人そろえば、さらに最強か」

「連係は大事。特に私は万全じゃないし」

「そこは我が補うまで。我らは仲間だ」

「よろしく」

 二人はがっちり握手した。


 おお、仲直りできた!

 ちょっと感動してしまう俺。

 と、


 ずしん、ずしん……。


 地面が揺れる音がした。

 複数の足音と荒い息遣いが近づいてくる。

 俺たちはすぐに身構えた。

 ほどなくして、


「【オーク】か……!」

 茂みの向こうから、豚人間のモンスター【オーク】の群れが姿を現した。

 その数は五十を優に超えている。

【オーク】はそこまで強力なモンスターじゃないけど、たとえば【ゴブリン】当たりよりは格上だし、しかもこれだけの数がいると厄介だ。

「ふん、我が一掃してやろう」

 ルシアが【ドラゴンブレス】の構えに入る。

 と、


「ここは私に任せて。助けてくれたお礼に」

 言うと同時にフィーネの姿が消えた。

「えっ!?」

 視認できないほどの超速――いや、神速移動だ。

 ぐ……?

 ぎ……?

 オークたちは戸惑ったような声をもらした後、次々に崩れ落ちていった。

 全員、深々と体を切り裂かれて絶命している。

「ふう」

 フィーネがいつの間にか元の場所に戻っていた。


 一瞬――。

 五十体ものオークを、まさしく目にも留まらぬ速さで切り裂き、苦も無く全滅させてしまった。

 しかも彼女は足にけがを負って万全の状態ではないはずだ。

 ルシア同様、フィーネもまた神獣の名にたがわぬ圧倒的な能力を有しているようだった。


「すごいな、フィーネ……」

 言ってから、俺は彼女の足に視線を向けた。

「足は大丈夫か?」

「これくらいの歩法ならまったく問題ない。本気を出したわけではないから」

「……今ので本気じゃないのか」

 まったく、底知れない女の子だ。

 俺は内心で苦笑した。




 俺たちは冒険者ギルドに戻ってきた。

 俺の左右には赤い髪と銀の髪の美少女二人。

 ギルド内はすぐにざわめきに包まれた。


「おいおい、また美少女を連れてるぞ、あいつ」

「しかも二人になってるじゃねーか」

「確か赤い髪の女の子は、あの【豪打猛】を一人で叩きのめしたんだよな……?」

「やっぱり銀髪の方も強いのか……?」

 正直、これほどの美少女二人を連れているのは、ちょっと鼻が高い。


「なんだ、じろじろ見おって……うっとうしいから吹っ飛ばすか、主?」

「それはちょっと」

「私も見世物のようになるのは好きじゃない。一瞬で斬り倒すか、主?」

「いや、それもちょっと」

 顔は可愛いんだけど、中身が物騒すぎるんだよな、二人とも……。

 ま、それをなだめるのもテイマーとしての腕の見せ所か。

「アルクさん、お帰りなさい! そちらの女の子は――?」

 と、受付嬢のセリアさんが興味深そうにフィーネに視線を向ける。


「俺たちの新しい仲間です。名前はフィーネ」

 紹介する俺。

「フィーネだ」

 彼女はクールに告げた。

「あら、可愛らしくて素敵ですね」

 セリアさんがにっこり笑う。

「ふふ」

 あ、フィーネがちょっとニヤけた! 一瞬だけど、俺は見逃さなかったからな。


「嘆きの森で【オーク】50体あまりを討伐しました。これ、魔石と素材です」

 あの戦いの後、回収しておいたものをカウンターに置く。

「【オーク】50体……ですか? Aランクパーティでも手こずると思うんですけど――」

「新加入のフィーネが一瞬で、ね」

 俺はニヤリと笑う。


「は、はあ……」

 セリアさんはすっかり驚いたような、呆けたような表情だった、

 まだ二人とはいえ、俺たちは最強パーティへの道を着々と歩んでいる――そんな実感があった。

 さあ、次はどんな神獣に出会えるのか――。

 俺、ワクワクしてきたぞ!

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